橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会が大阪朝日放送の番組内容に対してBPOに申し立てを行いました。

橋下徹大阪維新の会代表

出典 http://www.huffingtonpost.jp

申し立てをした内容は

「大阪都構想」を掲げる大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は16日、藤井氏の出演は政治的な公平性を求める放送法に反すると、放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てた。

出典毎日新聞 2015年10月17日

大阪朝日放送の「おはようコール」及び「正義のミカタ」にコメンテーターとして出演中の京都大学藤井聡教授が政治的中立性を侵したとしています。

藤井聡京都大学大学院教授

出典 http://www.youtube.com

藤井聡教授は橋下徹大阪市長が掲げてる「大阪都構想」に反対の立場を表明している教授で大阪都構想に対して学者として論理的整合性を持って反対という出版物を出しています。
一方、大阪朝日放送は藤井聡教授の出演に関して

朝日放送広報部は「11月の大阪府知事・大阪市長のダブル選の投票日まで間もなく1カ月となることから、16日までに藤井氏と話し合いをし、出演見合わせを決めた」と説明。大阪維新の申し立てについては「出演見合わせの決定とは無関係」としている

出典毎日新聞 2015年10月17日

大阪維新の会の申し立てとは無関係とはしながら藤井聡教授の「正義のミカタ」出演を大阪府知事選挙、大阪市長選挙が終わるまで出演を見送りました。

政治的中立性を侵した?

大阪維新の会は藤井教授が政治的中立性を侵したと主張していますが、どういった理由で侵したのか?と言いますと

申立書によると、藤井氏は同局の番組「おはようコール」にレギュラー出演。藤井氏が自民党推薦のダブル選候補者らに送ったとされるメールの内容を大阪維新が入手した結果、藤井氏が番組内で、自民側の公約が優位に放送されるよう働きかけた経緯が判明したとしている。

出典 http://www.sankei.com

大阪市長選挙と大阪府知事選挙に立候補を表明している自民党推薦の候補者に対して番組内で自民党が優位に働くように働きかけた証拠があるとしています。その申し立て書を大阪維新の会は公開しています。

(大阪維新の会)放送倫理・番組向上機構(BPO)に対する申立書
http://oneosaka.jp/news/BPO.pdf

その文書によりますと

平成27年11月22日には、大阪府知事選挙、大阪市長選挙が行われる。
現在、大阪では、大阪維新の会所属の候補予定者と非維新勢力が結集して支援する候補予定者が激しく論戦しているところである。候補者のみならず、大阪維新の会と非維新の政治団体同士も激しく論戦している状況である。

特に今回の選挙は、大阪の将来にとって重要な選挙となることは周知の事実である。このような状況において、特にテレビ番組の政治的公平性が強く求められる中、上記番組にレギュラーコメンテーターとして出演中の藤井聡氏が、自民党が支援する候補者や自民党議員に対して別添1のようなメールを送信した。

過日平成27年4月12日に統一地方選挙、5月17日にいわゆる大阪都構想の住民投票が行われたが、この統一地方選挙や住民投票が差し迫った期間において、同局の別番組(正義のミカタ)に出演している藤井氏の問題性を、当会は同局に指摘したが、同局は何ら問題ないとの回答であった。

統一地方選挙で大阪維新の会と非維新が激しく闘い、住民投票でも賛成・反対が激しく争われているときに、明らかに自民党を支援し続け、現に統一地方選挙直近の自民党候補者の政治集会や大阪都構想反対集会に参加して、自民党候補者を応援し、大阪維新の会を批判し、大阪都構想に反対する持論を展開し、過去には当会代表の橋下徹個人に対して人格的侮辱まで行っている藤井氏を、テレビ番組のレギュラーコメンテーターに起用し続けることには大きな問題があることを、当会は指摘したのである。

出典 http://oneosaka.jp

藤井聡教授がテレビ番組で大阪維新の会を批判し、橋下徹大阪維新の会代表の人格攻撃をして統一地方選挙や大阪都構想の住民投票で大阪維新の会が不利なるようなコメントし続けたとして放送局に対して異議申し立てをしてたが、放送局は「問題なし」としていたという説明から入り

藤井氏の問題性はこれまでも指摘し続けてきたが、別添1によって、同氏は特定の候補者や特定の政治団体を利すること、または特定の候補者や特定の政治団体を不利にすることを目的としてテレビ番組を利用していることが明らかとなった。

出典 http://oneosaka.jp

大阪維新の会は藤井聡教授がレギュラーコメンテーターで出演してる番組内容に対して口出しをして大阪維新の会が不利になるように利用したとしています。その証拠として大阪維新の会が入手したとされるメールがあり、別添のメールの内容は

別添のメールの内容

出典 http://oneosaka.jp

このメールをどうやって入手したかについて大阪維新の会は

なお別添1のメールは、信頼し得る者から入手した物であり、その者の立場、入手経路、その内容からして、真実の物と考えられるが、当会の裏付け調査にも限界がある。貴機構において当事者からの事情聴取などで真偽を確認して頂きたい。

出典 http://oneosaka.jp

入手経路について明らかにしていませんがこのメールを証拠として藤井聡教授が政治的中立性を侵したとしてBPOに申し立てをしたのです。

朝日放送広報部は、「通常と同様、プロデューサー、スタッフ、コメンテーターの藤井聡氏らで意見を交わして作り上げました。最終的にはより分かりやすい文言を、ということでスタッフが考え、プロデューサーがOKを出したものです。藤井氏の意見によって変えたということではありません」との見解を発表

出典 http://www.daily.co.jp

大阪朝日放送はこうした見解を既に発表しています。

藤井聡教授の反論

この大阪維新の会のBPO申し立てについてもう一方の当事者である藤井聡教授は

藤井氏はデイリースポーツの取材に、メールは自身が送信したものであることを認めたうえで「私信であるメールを公開されただけでも遺憾だが、一体、どういった経緯で入手したのか。公党による窃盗の疑義すらある」と不快感を示した。

夜には自身のHPに反論文を掲載。

出典 http://www.daily.co.jp

その反論文はこちらになります。

公党である「大坂維新の会」(橋下代表)が、藤井の私信を「通信傍受」し、その傍受に基づいて藤井のTV出演についてBPOに異議申し立てをしておられます。
この件について、下記の声明文を、公表いたしました。要点は、以下の通りです。
——————————————
本声明文の骨子は、「BPOの公正な判断を、心から祈念する」ものであると同時に、以下の三点を主張するものである。
一つ、維新は、「藤井の意図」故に藤井のTV出演が放送法四条違反だと指摘しているが、放送法はそもそも出演者の資質ではなく番組・放送全体の公平性を求めるもの。したがって、この主張それ自体が不当な言論弾圧である疑義が濃厚にある。
一つ、しかも「藤井の意図」は学者の良心に基づくもので、その助言は番組内容を放送法四条の視点から公正なものとしようとするものである。したがって、それに不服を申し立てる維新こそが法の精神に反している危惧すら懸念される。
一つ、今回の申し立て経緯を見れば、維新は、批判する者なら通信傍受でも何でも行いながら黙らせようとする全体主義的な党なのだ、という疑義が濃厚にある。
——————————————
ご賛同頂く皆様方は是非、下記じっくりお読み頂き、ご賛同される皆様方は是非、様々な方にご紹介差し上げてください。
いずれにせよ、当方は、如何なる言論弾圧にも屈する事はありません。

出典 http://satoshi-fujii.com

この反論文と同時に政治的中立性を侵したということはないという説明もしています。

そもそも、私信は、メール送信者と受信者の間で共通了解している事柄は全て割愛して送付するものです。したがって、メール受信差以外の方(一般公衆)がその内容を解釈するには、補足情報が「必要不可欠」となります。

出典 http://satoshi-fujii.com

私信であるという前提で私信というのは互いに共通了解していることについての部分は内容を省略するということです。
例えばメールやLINEで明日遊びで会う人に「明日何時がいい?」で済ますことがあると思いますが、それは相手は明日遊びに行くのをわかっているのだからわざわざ「明日遊びに行く」とか付け加えなくても相手には伝わるということです。

そして、この「私信」の文脈を踏まえるなら、本メールの受信者は公約の内実を熟知した者であり政策内容の解説等は全く不要であり、同時に、政策を的確に伝えることを最大限に重視することが自明の共通前提であるため、その点の指摘も不要となることは明白です。したがって、下記文書はそうした割愛されるであろう情報を補足したものです。

出典 http://satoshi-fujii.com

メールでは足りない部分を補足した内容は

当初スタッフは、
維新:副首都とIRで「国際エンターテーメント都市」&都構想自民:リニア交通網で「近畿メガリージョン」 & 大阪会議

というパネルをつくっていたのですが、それは違う!と強く抗議し、次のようにつくりかえてもらいました(リニア交通網も、リニア・交通網に変えてもらいました)。

維新:副首都とIRで「国際エンターテーメント都市」←これを都構想+おおさか維新の会で実現自民:リニア・交通網で「近畿メガリージョン」←これを与党の力+地域間連携で実現

出典 http://satoshi-fujii.com

パネルの内容が事実と違うとして作り変えてもらうようにアドバイスをしたということです。変えてもらった理由としては

1)都構想VS大阪会議、と対比されると、どうしても、大阪会議がしょぼく見えてしまう。だから、できるだけ対比させないことが重要
2)維新は姑息にも、都構想を公約の6番目にして、小さく扱おうとしている。しかし、彼らが言っている副首都実現の根拠は都構想しかない。だから、やっぱり、きゃつらは都構想しかないんだ、というところを白日の下にさらす必要がある。上記修正で、それを晒すことに成功している
3)政権与党の強みと地域連携こそが、真面目な政策実現の上で極めて重要、という点が当初ぬけおちていた。これを表に出すことで、説得力が増す。

出典 http://satoshi-fujii.com

こうした理由だからだそうです。そして大阪維新の会が入手したメールは私信(内容を省略してもよい相手)であるので補足した内容を公開について

こうして公開をしています。つまり大阪維新の会は私信であることを前提とせずに公開文書であるという理解のもとに大阪維新の会が不利になるように放送内容を変更させたと勘違いをしているという指摘です。

実は憲法違反?

大阪維新の会は藤井聡教授が「政治的中立性を侵した」ということをBPOに申し立てしたことについて証拠があるということを根拠にしていましたが、その根拠はメールです。
しかもそのメールは大阪維新の会が公開した別添の文書で「私信」であるのは明白になっています。別添資料のメール内容の冒頭に

大阪維新の会が公開したメール

出典 http://oneosaka.jp

「柳本先生 栗原先生(CC 奴井先生 花谷先生 川嶋先生)」

と記載されています。
つまり大阪維新の会が入手した藤井聡教授のメールは柳本氏、栗原氏、奴井氏、花谷氏、川嶋氏の5人に宛てたメールなのは誰にでもわかります。私信であるメールを公党がどうやって入手したのかについて大阪維新の会は非公開にしています。これは

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

出典 http://law.e-gov.go.jp

大阪維新の会は私信を入手した経路を明らかにしないといけないのは?ということです。個人的に入手した内容を公党である大阪維新の会が公開するのであれば公党として入手経路を明らかにしないと「通信の秘密」に抵触する行為を公党、ましてやこれから大阪維新の会は「おおさか維新の会」と名前を変えて国政政党として動くことを橋下徹大阪市長が10/1に明らかにしています(結党は10/31を予定)

実質上国政政党が憲法21条違反に抵触するような行為を行ったという疑惑をもたれてはいけないのは明らかですので大阪維新の会は入手経路を明らかにする必要性があるのと、もう一つ「人格権であるプライバシー権の侵害」に抵触する可能性があります。
私信については裁判所でこうした判断が出ています。

私信は特定の相手だけに思想や感情を伝えることを目的としており、もともと公開を予定していないものであるから、その性質上当然に私生活に属する事柄であって、その内容がどのようなものであれ、一般人の感受性を基準にすれば公開を欲しないものと解すべきものである。

右のような内容の本件手紙をみだりに公開されないことについて法的保護に値する利益を有しており、その承諾なしに公開することは、人格権であるプライバシーの権利を侵害するものといわなくてはならない。

出典 http://www.translan.com

これは平成8年4月26日に高松高裁で判決された「私信無断掲載事件」に対する高松高裁の判決理由の一文です。私信は発信者が公開することを同意していない以上私信は人格権であるプライバシー権によって保護されないいけないということを高松高裁は述べています。
今回の大阪維新の会が公開した藤井聡教授のメールは大阪維新の会が公開した内容によって私信であるというのは上述の通り明らかですし、藤井聡教授が公開に同意していないのは明々白々ですので「人格権であるプライバシー権の侵害」です。

大阪維新の会はメールの入手経路を明らかにしないと憲法21条違反、メールの公開を発信者である藤井聡教授から公開することに同意を得ずに公開したので「人格権であるプライバシー権の侵害」になる恐れがあるので大阪維新の会はこうした問題に関して早急に対応が必要になるでしょう。

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政治・経済、思想・哲学、文学を学びつつ地元を中心にラーメンを食べ歩くフリーの物書きおじさんです。
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