サンタへの手紙

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ノースカロライナ州に住むシングルマザーのカレンは、8歳になった双子の兄妹にサンタへの手紙を書くように言いました。クリスマスまでにはまだまだ時間がありますが、シングルマザーとして二人の子を育てるカレンには、少ない収入の中でクリスマスプレゼントの予算をやりくりする必要があったからです。8歳ともなると今までとは違う、少し高額のおもちゃや本、服なんかを頼まれるんじゃないかと、ある程度の予想を立てていました。

ところが、8歳の息子ライアンが書いた手紙の内容は、カレンの予想をくつがえす衝撃的なものでした。

「本当はラジコンがほしかったけど、やっぱりいりません・・・」

ライアンの手紙は、8歳の少年らしい書き出しではじまりました。

親愛なるサンタさんへ

ママがクリスマスに欲しい物のリストをサンタさんに送りなさいって言ったんです。僕は、リモコンで動く車とヘリコプターがほしかったんだけど、もういりません。学校の子たちが、まだアンバー(妹)のことをいじめています。アンバーは何も悪い事をしていないのに、ひどいんです。本当に腹が立ちます。僕はいじめがなくなるようにお祈りをしたんだけど、神様は忙しいみたいなのであなたの助けが必要です。プレゼントを少し早めにあげるっていうのはルール違反でしょうか?” Big Time Rush"にアンバーの誕生日パーティーに来るように頼んでくれませんか?きっと大喜びします。もしも無理だったら、せめて、彼女の欲しい物を全部あげてください。ありがとう、サンタさん。

ライアンより愛をこめて

P.S. うちのママは最高の誕生日パーティーをひらいてくれます。もし来たかったら、あなたも来ていいですよ。

妹は発達障害があり、学校でいじめられていました。

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ライアンの双子の妹アンバーは、他の子と比べると太っていてADHD(注意欠陥多動障害)とうつ病、そして気分障害もあり、以前から学校でいじめられていました。ライアンは、プレゼントは何もいらないから、妹を助けてほしい、妹を元気づけてほしいとお願いしたのです。

SNSに広まる

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ライアンの手紙を読んでカレンは胸が締め付けられる思いでした。

「もしかしたら、娘は通学バスの中でからかわれたりしているんじゃないかと思っていました。ただいじめの実態は把握出来ていませんでした。 」

3週間前、学年があがって、ライアンとアンバーは初めて同じクラスになりました。そこでライアンは、アンバーが体系や人種の事でクラスメイトにからかわれていることを知るのです。アンバーは、「学校に行きたくない。家に居てもいい?」と毎朝訴えるようになりました。そんな時に書かれた手紙でした。

母がアンバーにいじめについて尋ねた時、アンバーはこう答えています。

「時々死んでしまえたらなって思うの。そしたら、もうみんな私の事をほっといてくれるだろうから。」

娘の言葉に心が押しつぶされそうになりました。

そして、母のカレンは、SNSで親類や親しい友人に向けて手紙の事をシェアしました。そして、友人の一人を介して、手紙の事は瞬く間に世界中に広まったのです。

学校の対応

手紙の事は、CNNやABCニュースなどでも取り上げられ、学校側も事態を深刻に捉え対応しました。強い警戒心を持って、いじめから子ども達を守っていく事を宣言し、スタッフや教師陣にはトレーニングも行われました。最もいじめが多いとされるスクールバスでのアンバーの席を、従妹の近くに座れるように配慮しました。

この事があって、アンバーは学校を休みたいと言わなくなりました。今後も、学校、母親が一緒になってアンバーが快適に学校生活を送って行けるようサポートは続きます。

ライアンとアンバー

出典 http://breakingsoup.com

妹を思うライアンの優しさが、暗闇だったアンバーの学校生活に光を注ぎ込みました。ひどいいじめにあうと、世界中で自分はひとりぼっちのような、とんでもない孤独感を覚えることでしょう。そんな中、【自分の欲しい物はどうでもいい。辛い思いをしている妹を助けてほしい!】と訴えてくれるライアンの存在は、どれほどアンバーにとって心強いものだったでしょうか。「死んでしまいたい」と苦しんでいたアンバーですが、兄と母の愛情に守られ、これからも強く生きていってくれることを願います。

補足

手紙の中でライアンがサンタさんにお願いしている「Big Time Rush」は、アメリカの大人気テレビドラマ『ビッグ・タイム・ラッシュ』からデビューした四人組のアイドルバンドです。全米のティーンから熱狂的な支持を集めているそうです。

この記事を書いたユーザー

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オーストラリア在住。息子が生まれて一年半後、夫はアスベストが原因の悪性中皮腫という、これといって有効な治療法もない、強烈な癌を発症。そして、二年の闘病を経て他界しました。今は、5歳になった息子と二人、夫の眠る地で、毎日を大切に生きています。中皮腫の闘病記・アスベストの事・死別後の息子との二人三脚の毎日をブログに綴っています。http://ameblo.jp/maria1428

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