今月9日にテネシー州モンゴメリー郡のFacebookに投稿された1枚の写真が、週明けに全米を駆け巡りました。

曇天をバックに小雨そぼ降る道を、ウエディングドレスをたくしあげて救急車輛から歩いて来る花嫁の姿

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そして写真にはこんな記述が

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自分の職務に対してどれだけ献身的になれますか?モンゴメリー郡救急メディカルサービスのサラ・レイ医療隊員は、自身の結婚式の夜、大破した車に乗っていた招待客を助けていたところを撮影されました。献身的というのは…彼女は自分の結婚式から披露宴へ移動する途中で現場に立寄り、手を貸していたのです!ありがとう、サラ、仕事をこんなに愛してくれて!

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花嫁と救急車輛の対比が心動かされるこの写真は次々にシェアされ、ニュース番組からワイドショーに至るまでインタビューを受けたサラさん、そして一連の出来事は全米のニュースになりました。

ところがサラさんと、同じく救急医療隊員である花婿のポールさんは「当然の事をしたまで」「いつもやっている事で、たまたまウエディングドレスを着ていた時だっただけ」と、謙虚な姿勢を崩しません。

実は事故にあい大破したのは、サラさんのお祖母さんが乗った車でした

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結婚式場から披露宴会場へ向かう時に親族は何台かの車に分乗し、その車にはサラさんのお父さんとお祖父さんお祖母さんが乗っていました。式場の片付けに残った家族を後に、新郎新婦とカメラマンである新郎のお母さんは別の車で一足先に披露宴会場へ出発しており、到着した時に事故があったことを聞いたのです。

「私達に分かっていたのは、車が大破したという事だけでした。それで私達は車に飛び乗って、妹夫妻と一緒に現場へ引き返したんです」

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現場に着いた時、お父さんとお祖父さんは歩き回っていたので無事が確認出来ましたが、お祖母さんは救急車で処置を受けていました。それでサラさんはそのまま車内に入り、何か出来ることは無いか尋ねました。
幸いお祖母さんはエアバッグの衝撃で出来た打ち身だけで、大きな怪我はありませんでした。

「(私の顔を見て)『ああサラ、ごめんなさい、あなたの大切な日を台無しにしてしまって』と、まず一番に言われました」

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そんなことはない、家族はみんな無事だった。大切な日が台無しになったなんてことはない。そう思って、サラさんはあらためて披露宴会場へ向かうべく、救急車から飛び降りたのでした。

そして戻る車に向かって歩いている時に、カメラマンである新郎のお母さん、マーシー・マーティンさんが激写したのが一番上の写真でした。

「彼女は私に『本気?本当にこんな写真を撮るの?』という表情をしてみせました。でもこの対比が、彼女の美しさと背景の事故現場とのコントラストが、逃せないと思ったんです」

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それが分かってあらためて見てみると、サラさん、確かに少し面映いような「本当に?」という表情をしているのが分かりますね!

新郎新婦は披露宴会場に少し遅れて到着しましたが、招待客のほとんどは同僚の救急隊員で事故のことは聞いていましたし、招待客が巻き込まれた事故ということで、2人が現場へ急行したことについても、その人柄をよく知るサラさんの上司ジミー・エドワーズさんにとっては驚く事でもなかったのだそうです。

本当に驚かされたのは、写真がFacebookに投稿された直後からの電話の嵐でした!

結婚式の翌日から普通に働いているサラさんとポールさん

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2人の結婚式は週末でしたが、実はこの2人、結婚式のために休暇も取っていないしハネムーンの予定もまだありません。結婚式の翌日からお互いが勤務する別々の署のシフト体制に戻って働いています。
救急医療隊員のシフトは消防士と同じく24時間交代。24時間詰めて翌日24時間休むという形なので、すれ違いも多い新婚生活になるのだろうと思います。

でも自分の命を張って人の命を助けることに誇りを抱く者同士、隊員達のつながりが強いことで知られる職業です。何より結婚して最初の共同作業がケーキ入刀ではなく人命救助(正確には軽症でしたが)というのが素敵です。

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どうぞ末永くお幸せに。そしてポールさんが「今年ではないけど」と言っているハネムーンにも、近いうちにぜひ行けますように!

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