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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
このところ何かと話題になっている乳がん。乳がんになった人が身近にいる、というかたのも多いでしょう。乳がんは女性であれば誰しも無関係ではいられない病気です。

今回は乳がんになってしまったとき、どのような治療が行われるのか、医師に聞いてきました。

外科療法(手術)による治療

乳がんの治療法として、もっとも一般的です。がんのある部位の切除で完治を目指します。乳がんの進行期はI期からIV期までの4段階ありますが、このうち遠隔転移のないもの(I期〜III期までの乳がん)の場合、特別な事情がない限り手術が行われることになります。また、遠隔転移があるIV期の場合でも、手術が行われることもあります。

【乳房温存術】
乳がんの術式は、より身体的、精神的な負担が少ない縮小手術へと変わってきています。以前は半分以上が乳房と胸筋を切除する「胸筋合併乳房切除術(ハルステッド法)」と呼ばれる術式でしたが、現在ではこのような広範囲の手術は胸筋にがんが達している場合のみに行われます。21世紀に入り、現在では乳がんの手術全体の4割以上が乳房温存術となっています。

【腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)】
また、手術に合わせて、通常はわきの下の「腋窩(えきか)リンパ節」と呼ばれるリンパ節および周辺の脂肪組織を切除する「腋窩リンパ節郭清(かくせい)」も行われます。これを行うことで、リンパ節までがんが広がっているかどうかを調べ、再発の可能性や、今後の抗がん剤の使用の必要性など、今後の治療方針の参考にします。しかし、この腋下リンパ節郭清を行うと、手術をした側の腕のむくみや肩の痛みが出ることもあります。

【乳房再建術】
手術後、精神的な負担やショックを和らげるため、乳房を再建する手術が行われることもあります。技術も向上していて乳首も作ることができ、ほとんど見た目にはわからなくすることが出来ます。手術の時期や術式など、希望される場合は主治医とよく相談しましょう。

放射線による治療

手術以外の方法としては、放射線療法もよく行われます。がんがある部位に放射線を当てることによって、がん細胞を殺すことができます。乳がんの場合、放射線だけで治療を行うことはほとんどなく、以下のような目的で行います。

・手術後、がんのあった場所の再発予防のため
・転移した場所の痛みを抑えるため

薬物療法

【ホルモン療法】
70%程度の乳がんは、性ホルモンのエストロゲンに影響を受けやすいため「抗エストロゲン剤」や「選択的アロマターゼ阻害(そがい)剤」などを使用する治療法もあります。「選択的アロマターゼ阻害(そがい)剤」は、エストロゲンを作る酵素、アロマターゼの働きを妨げることにより、体内のエストロゲンの量を少なくし、乳がんの細胞の発育・増殖を抑える方法です

【その他の薬物治療】
・抗がん剤も広く使用されています。
・最近では分子標的療法というがん細胞表面の、特定のたんぱく質を攻撃する治療法も注目を集めています。

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【医師からのアドバイス】

乳がんと診断されたら、多くの方はしばらくはショックで先のことは何も考えられないかもしれません。しかし、現在乳がんには多くの治療法があり、完治して元の生活に戻る人も大勢います。また、ほかの多くのがんと同様、進行性の病気ですから、早期に治療を始めることが大切です。

(監修:Doctors Me 医師)

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