こんにちは、家族カウンセラーの宮本まき子です。子育てや家族問題の電話相談室に22年間勤務、私が受けた相談だけで約2万件。悩みの上位に「コミュニケーションがとれない、わからない」なのは昔も今も変わりなし。おそろしいのは、小さな悩みでも貯めこんでいると、そのうち利子がついて「大きな悩み」の積立貯金になってしまいます。

単行本やコラムを書いたり、講演したり、テレビでコメントしてつくづく思うのは、人間関係の行き違いから、しまいに人生を諦めたりしないで欲しい。知識と経験に「裏ワザ」をトッピングしてさまざまな「コミュニケーションに関する悩み」にお答えしましょう。目からウロコがポロリと落ちたら、あなたの人生はもっと見通しがよくなりますよ。
今回は「夫婦のコミュニケーション」についてお話します。

肩すかし、計算違い、やりなおし、何でもアリの「シングル・アゲイン」

「いやぁ、つっかれましたぁ!」と、まるでフルマラソンを走ったような感想が平均的な実感のようで。でも「完遂」できた方はまだまし。道半ばで「こんな大変なら棚上げ!」の中断組もいれば、「自然のなりゆきにまかせよう」なんて後ろ向きの方もいる。

ああだ、こうだと「離婚しない理由」はさまざまあれども、「時間と金、それに迎えてくれる実家(親)」があれば、いったん生活を切り離してみる「環境づくり」も試してみてはいかがでしょう。来し方行く末を熟考する数少ない機会でもあります。口もきかないままで金婚式なんて最悪のブラック・ジョーク。結婚も離婚も「やってみなけりゃわからない」のと違いますか。

Q:出産で仕事をやめたので、実家が毎月そのぶんを援助してくれています。感謝どころか「金額が足りない」と文句を言う夫に嫌気がさして、別れたいと言ったら離婚理由にならないと言われました。

出典 https://doctors-me.com

A:夫の言い分が「金額」なのか、妻の生活態度への文句なのか?単なるグチや不満に妻が過敏になりすぎていないかを確かめるには、「別れたい」と逃げ腰になる前に、派手にケンカしてみましょう。カッカという言い合うコミュニケーションをこわがっては、正しい結論は出ません。(私が以前にとったデータだと)夫族は10年たっても「俺と結婚できただけで女房は幸せだ」と思い込んでる一方、妻族は平均1年ほどで恋の熱病からさめています。

その後、妻は夫に「精神的な支え」、安心感、尊敬、信頼、協力度などを求めますが、夫は妻に「衣食住のライフラインの確保」を期待します。軽い気持ちで「妻の遺産の前渡し」をせかす夫に不信感を持って幻滅する妻の構図だったら、第三者を入れて「お互いの求めるもののすれ違い」を表明しあうべきです。

大きな代償を払って離婚騒動をするからには、せめてコミュニケーション・テクニックを一つ学びましょう。あえて探すなら離婚理由は「性格の不一致」、同意を得るまで長引くケースが多いようです。

≪気になるパートナーの性欲度チェック≫
本当はパートナーはベットタイムに前向きじゃないかも…知りたい?

Q:さしたる理由もないまま熟年離婚しました。数年は独身生活を謳歌していましたが、50代になってから体調を崩し、急に孤独が怖くなりました。前妻がいまだ独身と聞き、連絡をとろうか迷っています。

出典 https://doctors-me.com

A:別れた後も男性は寝た女を「自分の女」という感覚を持つようですが、女性にとっては「自分の上を通り過ぎた男」で、「未練なし」のことが多いようです。連絡とるのはいいのですが、「ラブ・アゲイン」の過剰な期待はしないほうがよろしいかと…。

離婚10年目に大病を患った50歳の男性がいました。手術前に唯一の血族の娘にSOSを出したら、現れたのはモト妻で「娘も大変なときなんだから迷惑かけないで!」と叱られた。「ゴメン、他にアテがいなくて…」と弁解したら、「仕方ない、アタシがやるわ」と入院の煩雑な手続きから身の回りの世話をしてくれました。術後の回復期も自宅で支えてもらい、近所の人たちも「奥さん、お帰りなさい」。

結局、「お互いの私生活に干渉しない同居人」として一階と二階でシェアハウスしているとか。「家の中に動く気配がある、自分をよく知る人がいることがこんなに安心だとは…。10年前にわかっていたら、離婚はしなかったろう」と元夫。何かのヒントになればいいですね。

Q:数年続いた愛人と結婚するために、「何もかも渡すから別れてくれ」と夫が言ってきました。調停員は「復縁は無理、判を押したら」と勧めてくれますが、納得できません。

出典 https://doctors-me.com

A:「好きな人ができたから別れてくれ」という一方的な要求は「雨が降ったから傘を貸してくれ。君は濡れてくれ」と言っているようなもの。包丁の一本や二本飛んでもおかしくない言い分なのですから、おおいに怒ってけっこう。

そしてメラメラの憤怒の炎の裏で、しっかりソロバンもはじきましょう夫がのぼせあがっているうちだけが「何もかも」ゲットできる「ハゲタカ期」です。慰謝料や養育費の平均値など蹴飛ばして最高額を提示し、財産分与も決して譲らないで。全額ローンで借りこんでもらって、「一括払い」してくれるよう強気で交渉しましょう(調停や裁判で公正証書を作るのが一般的ですが、次の家庭の暮らしに追われて長期に仕送りが続くほうが珍しい)。

条件をのんでもらったらまず離婚、メソメソするのはその後でよろしい。「生きることは暮らすこと」です。生活が安定していれば惨めにならずに前進できます。かって略奪婚をした再婚妻が想定外の支払いに生活苦を味わい、「毎日、元の妻子が事故か何かで全滅してくれないかと願っていた」なんてオソロシイことをもらしていました。「愛の巣も10年たてば蜂の巣だ」(詠み人知らず川柳)と夫が後悔したらそれで溜飲をさげてください。

≪自分でも気がつかないうちに心が病んでいるかも…≫
心のお疲れが爆発する前に、今の心の状態を知るには

まき子おばちゃまからの伝言

当初は「思い出を共有する人」を失ったことで心に穴があいたみたいだった。一年したら思い出はこれから作られていくんだとわかった。…ある離婚経験女性の言葉です。

どんな離婚も「喪失」ですから、「なぜ、自分が…」という怒りや戸惑いから「これも人生プロセス」と着地するまでの感情の揺れを経験します。できれば心情を吐露できる誰かがそばにいればいいけど、それを「わが子」に求めないで欲しいと切に願います。子どもは家族決裂というだけでじゅうぶんに傷ついているのだから、傷口に塩を塗り込む真似だけは絶対にやめましょう。「おとなとしての尊厳」まで失うことになりませんよう。

この記事を執筆した専門家

この記事を書いたユーザー

Doctors Me(ドクターズミー) このユーザーの他の記事を見る

Doctors Me(ドクターズミー)は、医師、薬剤師、歯科医、栄養士、カウンセラー、獣医に相談できる、ヘルスケアQ&Aサービスです。医師をはじめとする専門家が解説する人気コラム、病気・症状の体験談等を配信中!

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス