記事提供:Social Trend News

スクリーンに映し出された理想的な美女の笑顔に、胸がしめつけられ、映画の登場人物であるにも関わらず「恋に落ちてしまった」と思う。淡い気持ちで物語に没頭していると、雰囲気イケメンが登場。

“中身のないセリフ”で女の子を口説いたら、次のシーンでは清純なはずのその子がソイツにまたがって腰を振っている。

「何だこれ…せっかく映画館に逃げてきたのに、現実と一緒じゃないか!」


そんな経験をしたことはないだろうか。しかし9月4日から公開中の『映画 みんな!エスパーだよ!』はそんな傷つけられた僕らを裏切らない。114分間、観客がスケベな気持ちを胸に、ずっと片思いできる作品であった。

本作は優れたテレビドラマに贈られるギャラクシー賞2013年7月度月間賞を受賞したテレビ東京系深夜ドラマ『みんな!エスパーだよ!』の映画化作品。

『恋の罪』、『奇妙なサーカス』で高学歴女性の売春やSMなど過激な性描写を手がけてきた園子温監督の劇場公開最新作だ。

しかし今回の『映画 みんな!エスパーだよ!』は“大人向けの性描写”というよりは“中高生向けのエロ”という印象。

今までの作品とは一味違う。濡れ場はなく乳首すら出ない。可愛い子とヤリまくる腐れヤリチンも出てこない。それでいてスクリーンから薫ってきそうなほどエロいのだ。

そう、この作品は例えるなら『週刊ヤングマガジン』や『週刊プレイボーイ』(序盤のページ)に象徴されるような、“イケてる男が画面に登場しない”青年誌のグラビアの世界と同じだ。

現役童貞の皆様、そしてかつて童貞だったみなさん(つまりすべての男性)に観ていただきたい作品である。あの頃の毎日していた妄想が高画質でスクリーンにひろがっているはずだ。

ザ・童貞の妄想ストーリー エッチな女子だらけになっちゃった世界の平和を取り戻す!

愛知県豊橋市東三河地区に住む、高校生の鴨川嘉郎(染谷将太)は高校二年生の童貞。寝る前のオナニータイムを心の底から楽しみにしている。

そんなある夜、大好きなオナニーがきっかけとなり、嘉郎は“人の心の声が聞こえる”テレパシ―能力に目覚めてしまう。

他にも嘉郎行きつけの喫茶店の店主でスケベなことしか考えていない中年の輝さん(マキタスポーツ)はテレキネシス、のぞき願望があるバスケ部の榎本先輩(深水元基)は瞬間移動の能力に目覚めるなど、豊橋市内に次々とエスパーが生まれる。

そんな豊橋市に世界征服をたくらむ“悪のエスパー”が現れ、市内の女性を次々にスケベな女の子に変えていってしまう。

エロくなりすぎた世界を救うために、嘉郎を中心とした「チームエスパー」は悪のエスパーと対峙していく…。ざっくり説明するとこんなあらすじだ。

この童貞のエッチな妄想のような本作品を後援、全面協力するのは園子温監督の故郷でもある愛知県豊橋市。劇中には豊橋市のマスコットの「トヨッキ―」まで登場している。なんと、豊橋市の上映では市長も舞台あいさつに駆け付けたというから驚きだ。

夏帆もいいけど、エライザがエロイザすぎて…

ドラマ版の『みんな!エスパーだよ!』では若手清純派の代表である夏帆がヒロイン・平野美由紀を演じていた。言葉遣いが悪く、嘉郎をいきなり蹴り飛ばすほどのおてんば。

そんなヤンキーJKにも関わらず、実は処女で恥ずかしがり屋というキャラクターは多くの男子の童貞心をくすぐった。

また、夏帆演じる美由紀の大胆なパンチラシーンばかりか、夜にオナニーをたしなむ姿まで公開され、いままでの“清純でひかえめな夏帆像”からの鮮やかすぎる裏切られ方に、ドラマ『みんな!エスパーだよ!』を観ていた男たちは目と股間から喜びの涙を流した。

しかし今回の映画化にあたり、夏帆は平野美由紀役を降板。女性ファッション誌『CanCam』専属モデルの池田エライザが美由紀役を務めることとなる。

女性誌モデルで、演技経験もすくないエライザは男子たちの間で認知度が低く、「エライザって誰だよ!」と、男たちはそろいもそろって夏帆を想い、夜な夜な目と股間から悔し涙を流した。

しかしふたを開けてみると、本作の池田エライザは夏帆とは違ったアプローチで男たちのリビドーをくすぐってきた。

エライザの純粋かつ素直な素のキャラクターが、美由紀のやさぐれたキャラにたまらない奥行きを出していたのだ。

オナニーシーンでは、夏帆版美由紀は引きの画が多く、胸元を映すカットも少なかった一方で、エライザ版美由紀では、Gカップの胸を惜しげもなく揺らし、背中をそらせて喘ぐ大胆な姿を披露。

それも寄りの画で撮られていた。このシーンは演技の上手い下手、素人感、などの評価軸を超えた「池田エロイザ」としか言い表せない色気を生んだ瞬間を切り取っている。

夏帆が演じた美由紀ももちろん素晴らしかったが、それに匹敵するインパクト、「池田エライザ」という大女優の誕生を目撃してほしい。

大人になって、下ネタを語ることができるのは、経験値があるリア充だけになってしまった

本作はエロ本を回し読みしていたあの頃の気持ちを思い出させてくれる。AVをクラスやカーストの枠を超えて貸し出していた青春時代。

面白い下ネタであれば、普段どんなに教室でさげすまれていても、カーストの頂点にいる男子にも仲間意識をもってもらえた。サッカー部も帰宅部もイケメンも不細工もみんな秀逸な下ネタの前でだけは平等だったのだ。

大人になり、下ネタは“経験がある奴”のものだけになってしまった。口にする下ネタには経験値が求められ、「過激なグラビアの感想」や「画期的なオナニーの手法」や「お気に入りのオカズ」について、いつしか僕らは声高々に話すことができなくなった。

この作品は当時、エロくだらないことをシェアする媒介となっていたグラビアと同じだ。ぜひこの作品を通して仲間とあの頃のようにくだらない下ネタで盛り上がってほしい。もちろん一人で劇場に行っても、かつてないほど(股間が)盛り上がれるはずだ。

豊橋市のみならず文化庁が推奨してもいいくらいの青少年必見ムービー『映画 みんな!エスパーだよ!』。DVDは絶対買うとしても、ぜひ劇場で一時停止できない苦しみも含めて楽しんでほしい。

「映画 みんな!エスパーだよ!」
原作:若杉公徳「みんな!エスパーだよ!」(講談社『ヤンマガKCスペシャル』所載)
監督:園子温『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い』『新宿スワン』
出演:染谷将太 池田エライザ 真野恵里菜 マキタスポーツ 深水元基 高橋メアリージュン 安田顕
配給:ギャガ
(C)若杉公徳/講談社(C)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス