記事提供:カラパイア

日本でも、営利目的のブリーダーが酷い環境下で犬や猫の繁殖を行っていることが問題視されているが、アメリカでは法律でそれが規制される動きが高まっている。

今年7月、米アリゾナ州の連邦裁判所は、同州都であるフェニックス市のペットショップで販売もしくは譲渡できるのは保護施設の犬猫に限るという決定を下したそうだ。

フェニックス市はすでに、営利目的のブリーダーから動物を調達することを禁止する条例を2013年に制定していた。

今回の裁判は、同市で展開するペットショップ「Puppies’ N Love」が同条例を違憲として訴えたものだが、連邦裁判所判事はこれを退け、さらにこれまでは非営利の良心的なブリーダーの犬猫の販売は禁止していなかったものを、

「保護動物に限定する」という一歩進んだ決定を下したことになる(なお、シリアスブリーダーと呼ばれる、良心的な個人ブリーダーから市民が直接犬猫を購入することは禁じられていない)。

米国動物愛護協会によれば、全米にはフェニックスと同じく営利目的のブリーダーからの調達を禁止する条例を持つ都市が、ロサンゼルスやサンディエゴ、オースティン、シカゴなど60ほどあるという。

いずれも、劣悪な環境下で犬猫にひたすら子どもを産ませて繁殖させ、利益を得ようとする「パピーミル(子犬工場)」を撲滅し、保護動物に光を当て、殺処分を減らすことが目的だ。

今回のフェニックスの例は、それをさらに推し進めた画期的な判決と言えるだろう。

親犬や親猫を狭くて不潔なケージに閉じ込めたまま、健康状態にいっさい配慮することなく、単に「子犬や子猫=金」を生む道具として妊娠と出産を繰り返させるパピーミルのほとんどが違法にはあたらないという。

全米で2000から3000もの合法のパピーミルが存在し、さらに無許可で違法のものを含めると、その数は1万にものぼると推測されている。

フェニックス市のあるマリコパ郡を例にとると、毎年約2万3000匹の犬が販売されている一方で、同郡の動物保護シェルターには毎年約3万4000匹の犬が収容され、そのうち約1万匹が安楽死させられている現状がある。

州外のパピーミルで“生産された”子犬を受け入れないことで、多くの保護犬たちが暖かい家庭に迎えられることが期待されている。

ちなみにヨーロッパの数カ国では、動物の権利を主張する「Animal Rights」が定着しており、ペットショップで子犬や子猫の生体販売はない。

店内には里親募集やブリーダーの連絡先などのポスターのみで、狭いケージで動物たちが展示されていることはないという。

アメリカではまだパピーミルが存在している状態だが、個人レベルでパピーミルと繋がりのあるペットショップに対して不買運動が続けられているそうだ。

日本でも売れ残ったペットが悲惨な末路をたどっているという現実がある。少しでもお金になるならと、売れ残ったペットをサファリパークのような場所に売り渡し、大型捕食獣の餌にするケースもあると聞く。

そもそも日本の法律ではペットは物としての扱いのままだ。

ペットは単に動物にあらず、共に暮らすとなると家族である。それは犬猫に限ったことではなく小動物だって爬虫類だってそうだ。

ペットを飼うこと自体人間のエゴだという論調ももちろんあるが、飼い主ははペットを飼育する権利があると同時に、その命に対する責任を取らなければならないことも忘れてはならない。

言葉の通じない種別の違った幼い子どもの面倒を一生涯見ていくことが義務づけられるのだ。日本もペットの在り方について、国家レベルできちんと考えていかなければならない。

出典:bizjournals
出典:mic
出典:aspca

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