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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
お餅を喉につまらせた、もしくは詰まらせかけたという経験はありませんか?多くは乳幼児や60歳以上の高齢者に起こりやすいといわれていますが、餅による窒息は20歳代などの若者に起こる可能性もあるのだとか。意外と身近なところでも起こりやすい、この現象。この正しい対処法について医師に伺いました。

餅が詰まると、どうなるの?

私達には、呼吸をする際の空気の通り道として気道があります。その気道に、何らかの異物が入り込み、空気の通り道が遮断されると、呼吸ができなくなり、いわゆる窒息状態に陥ります。つまり、体にとって異物である餅が喉(気道)に詰まる現象は、いわゆる窒息しかけている状態ということです。

その際、すぐに餅が除去され、一時的な通過障害であれば窒息は避けられますが、なかなか除去されずに呼吸が停止し、意識を失う状態になれば、死に至る可能性も高いといえます。

餅を詰まらせた人に、まずすべきこととは?

餅や食べ物が喉につまらせかけている人がいたら、まず声をかけ窒息の有無を確認します。うなずきのみの反応、声が出ないなどは、窒息の可能性が高いでしょう。また、声をかけてあげることで、意識があるのか否かも確認できます。

<意識がある場合>
まず強く咳払いをするように声をかけます。強い咳払いのみでも除去できる場合もあります。しかし、咳払いで除去できない場合は、すぐに救急車を要請しましょう。救急車を待つ間、傷病者の意識がある場合、いくつかの方法で餅の除去を試みます。

<意識のない場合>
救急車をすぐに呼び、その間、心肺蘇生を行います。

餅の除去方法

<背部叩打法>
1:傷病者を座らせる、もしくは立位のままうつむかせる。あるいは寝たまま、顔を横向きにさせます。
2:胸もしくは顎を支えながら、背中の肩甲骨と肩甲骨の間を数回、強く叩きます。叩く際には、手のひら全体ではなく、手の平半分より下部やや付け根の部分に力を入れるようにします。
3:これを異物が除去されるまで繰り返します。

<ハイムリック法>
1:傷病者を座らせる、もしくは立位のままの状態で、後ろから両腕をまわし、体を密着させます。
2:片方の手で握りこぶしをつくり、親指の付け根側をみぞおちに当てます。
3:もう片方の手の、2の握りこぶしを握り、みぞおち上部に向かい、素早く突き上げます
4:これを異物が除去できるまで繰り返します。

※これらの方法を行っている最中に意識がなくなった場合は、すぐに中止して、心肺蘇生に切り替えてください。

心肺蘇生の方法

異物が詰まり、意識がなく、呼吸ができなくなっている場合は直ちに心肺蘇生を行います。

1:傷病者を仰向けに寝かせ、傷病者の横にヒザをつける姿勢をつくります。
2:両手を重ね、傷病者の両乳首を結んだライン上(肋骨の最下部より指2本分上あたり)に手を置きます。
3:その部分を圧迫します。その際は両腕をまっすぐ伸ばし、力が入りやすくします。
4:深さは約5㎝、ペースは1分間に100回。これをなるべく中断せずに繰り返します。
5:救急車が到着するまで、ほかの人と交代しながら圧迫を繰り返しましょう。

異物が除去できても油断は禁物

異物が除去できたとしても、一過性の酸素不足による脳への影響も考えられます。そのため、一時的な意識障害が残っている事もあるので、たとえ異物が除去できたとしても、その直後は医療機関を受診するようにしましょう。

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【医師からのアドバイス】

高齢者は飲み込む機能が衰えている事から、餅以外にもさまざまな食べ物を喉に詰まらせてしまう可能性があります。

たとえば、パンでも水分が足りていなければ喉に詰まらせてしまうこともあるのです。このような事態を回避するには、食事の形態、特に食物の大きさを調整し、一回に口に運ぶサイズを小さめにする、あるいは食事中の水分摂取といった食事形態の検討が重要になります。高齢者、乳幼児など窒息の危険性のある方への対応や、その予防策を普段から心がけることは、命を守ることにつながるでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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