手術ロボットと聞くと、鉄腕アトムやロボタンみたいなのが、手術室の中を歩いてメスを持ち手術をしている姿を想像した人もおられるかもしれませんが、ロボットと言っても顔はないし、歩いたりはしません。

腕の部分だけが機械で、執刀医が遠隔操作します。

2014年の時点で、日本には200台の手術ロボット=ダヴィンチが病院の手術室に導入されています。

ダヴィンチのここがすごい!

2015年3月28日~4月5日まで、神戸市の神戸国際展示場で未来医XPO❜15、第29回日本医学会総会2015関西にて、一般公開展示が開催されました。

この時この会場で、手術ロボット=ダヴィンチの公開や、神戸大学附属病院長の藤澤正人医師による模型を使ったデモンストレーションがありました。私も見に行ったので、その時のことを思い出しながら書いていきます。


ダヴィンチは、保険適応の関係で、現在の所、前立腺癌の手術にしか使われていません
神戸大学病院では、実費払いで腎臓癌の患者さんにも何例か手術を行ったそうですが、前立腺癌以外で保険が適応されるのはまだ数年先のようです。

このダヴィンチには、4本のアームがあります。
開腹することなく、お腹に5mm~15mmほどの傷を6か所設け、そこに4本のアームを挿入して手術を行う、と言うのが標準的な手術法です。

(注意):上の図では3本となっていますが、①の腕と②の腕の間にもう1本何やら棒状のものがありますよね。私はこれも含めて、4本としました。
これはお腹の中を見るカメラで、おへその所からお腹の中に挿入されます。
カメラは、手術中はずっと固定されたままです。

ダヴィンチでの手術は、低浸潤で術後の回復が早いというメリットがありますが、それ以外にも、多くのメリットがあります。

ダヴィンチのここがすごい!!

①ダビンチのアームは、関節が7か所あり手首は360度回転します。

手首が縦にも横にも自由自在に動くので、人間の手では入り込むことができない場所にも到達できます。

今までは、臓器を持ち上げないと届かなかった場所でも、そのまま隙間からもぐりこむように入り込めます。
場所的に諦めざるを得なかった場所の癌でも、手術が可能となりました。

また、従来の腹腔鏡の手術器具は1本の棒を操って行っているようなものだったので、
❝ギブスをして手術器具を操作しているような感じだった❞そうです。

それが、ダヴィンチは人間以上に自由自在に手首が動いてくれます。


②リアルな3D画像

以前の2D画像による手術は、❝片目をつぶって車を運転しているようなものだった❞のですが、このダヴィンチは3D画像です。

しかも、映画やテレビの3D画像は疑似的ですが医療用の3D画像は実にリアルです。奥行き感も正確に伝わって来るそうです。


③手ぶれは自動調整してくれる

手ぶれを自動調整するフィルタリング機能がついています。


④最大10倍まで拡大し出来る。

さらにデジタルズームをかけると15倍まで拡大できるので、細かなところもよく判ります。

執刀医の手の動きの幅を縮めて鉗子に伝えるスケーリング機能がついている


⑥座って操作できるので腰が痛くならず、楽

会場でデモを行った藤澤医師がこのように言われると、笑いがおこりました。

しかし、通常の手術では4時間とか5時間とか時にはもっと長い時間立ちっぱなしです。しかもデパートの店員さんのようにまっすぐ立っているわけではありません。
無理な姿勢で立っていることも多々あります。

❝僕だけじゃないよ!若い先生でも腰が痛くなります❞。とのことでした。

その点、ダヴィンチはコックピットに座っての操作なので、腰の負担が少ないです。
椅子も自分に合わせて高さを調節できます。

「通常の手術の時は術者の身長がバラバラだから、背の高い人に合わすと、背の低い僕には手術台が高すぎて、しんどい。最近はアホみたいに背が高い奴もいるし・・・」と話されて、またまた会場内に笑いがおこりました。

遠隔操作なので、遠く離れた患者さんの手術も可能

コックピットと呼ばれるところでアームを遠隔操作するので、例えば、沖縄の手術室で寝ている患者さんの手術を、北海道の病院のコックピットから操作して行うことも可能です。

一方でデメリットも・・・

どんなことにもメリットとデメリットがありますが、これも例外ではなく、デメリットもあります。


①手で触ることができない

患部を直接手で触ることはできません。そのため、硬いのか柔らかいのかなどの感触がわかりません。
硬そうに見えても柔らかくて、突き破ってしまったりも有り得る!?かも・・・?

開腹手術よりも技術的には難易度が上がる

現在、腹腔鏡手術技術認定医という制度があり、一定の手術数や経験、論文発表、学会発表などがある医師に受験資格が与えられます。試験を受けて合格すれば技術認定医を名乗ることができます。

③高額

さて、この ダヴィンチ1台のお値段は、いくらくらいだと思いますか?

なんと!!

300、000、000円です。
たぶん、0の数、間違えていないと思いますが、
1台 3億円 です。

購入費以外にも、
年間メンテナンス代+維持費が約3000万円手術ごとの消耗品代が数10万円
必要と言われています。

ダヴィンチを導入したことで、赤字経営に追い込まれている病院もあるようです。

まだまだ高額医療機器で、どこの病院にも置いているわけではありませんが、今までは諦めざるを得なかったケースも、手術可能になっているようです。

おそらく、30年前や40年前は、このような医療機器ができるなど、想像もしていなかったでしょう。

前立腺癌だけではなく、他の疾患にも早く保険が適応されることを願っています。

未来医EXPO❜15 に行ってきましたというタイトルでのブログはこちらからどうぞ↓

この記事を書いたユーザー

不死身のひみこ このユーザーの他の記事を見る

患者からの目線と元医療従事者としての目線とで、医療や健康に関する記事をメインに書いています。
4度の手術に膠原病でバツイチで・・・と波乱万丈の人生ですが、”人生に喜びや笑いを添付したら結果は出るはず!”という「喜笑添結」で毎日を過ごしています。

得意ジャンル
  • 育児
  • 暮らし
  • 美容、健康
  • 感動
  • コラム

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス