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みなさんはもやもや病という病気を知っていますか?日本で発見され東アジアに患者が多く、歌手の徳永英明さんもこの病気を経験しました。脳出血や脳梗塞を起こす可能性が高い難病で、10才以下の子どもに発症する例も多いようです。

今回はこのもやもや病について、医師から聞いた話をお伝えします。

もやもや病とは

もやもや病とは、別名「ウィリス動脈輪閉塞症」といい、脳血管障害のひとつです。この病気の人が脳の血管造影というレントゲンの検査を行うと、タバコの煙のようなもやもやした血管像が映ることが、この病名に由来しています。

なぜ脳の血管造影でこのような「もやもや」が見られるのかというと「ウィリス動脈輪」というリング状の動脈が塞がってしまい、そのために発達した異常血管網(細かい側副血行路)が造影されるのです。ウィリス動脈輪の血流が悪くなることで脳に行く血流が低下しますが、 進行が緩やかなため血流不足を補う細かい側副血行路(もやもやして見える異常血管網)が発達します。

椎骨動脈・内頚動脈の合計4本の動脈は、 頭蓋内でウィリス動脈輪と呼ばれるリング状の動脈で交通しています(椎骨動脈や内頚動脈のいずれかが閉塞しても脳への血流を維持できるように、 このような形態になったと考えられています)。もやもや病はなんらかの原因でこのウィリス動脈輪の閉塞がゆっくりと進行してゆく病気なのです。

もやもや病の発症データ

・人口10万人に対して3〜6人
・男女比は1:1.8と女性の発症がやや多い
・好発年齢は10歳以下と40歳前後
・家族発症は全体の10〜12%(遺伝的な関与の可能性も考えられている)
・1950年代に日本で発見された
・厚生労働省で難病指定している

最近では画像診断の性能の向上に伴い、無症候性の成人の発見例もあります。

もやもや病の症状

もやもや病には2つの発症パターンがあります。

[パターン1]
脳の血流が不足して起こる、脱力などの虚血症状
[パターン2]
負担がかかった側副血行路の血管が破れ、脳出血を起こす出血症状

【子どもの症状】
子どもは虚血症状を示す症例がほとんどです(側副血行路の発達が不十分であるため)。子どもがもやもや病にかかった場合、以下のような特徴的な病状があらわれます。

1.食事で熱い物を息を吹きかけたり、リコーダーを吹くなど、短時間で深呼吸を繰り返したとき一過性の脱力発作が起きる
2.突然起こる片側の麻痺。発作のたびに麻痺する側(左右)が変化する
3.5歳以下の乳幼児は虚血時間が長くなり脳梗塞を発症することが多く、重症が多くなる

【成人の場合】
患者の2/3が、脳出血で発症します。出血を生じる場所によってその症状は異なります。

【医師からのアドバイス】

脳出血や脳梗塞を発症した直後は内科的に治療されます。 状態が安定したら脳の血流不足を改善するための脳外科的な手術が必要になります。 手術には、直接血行再建術、間接血行再建術あります。

子どもが突然の脱力を繰り返す場合は、小児科や小児脳神経外科を受診して検査を受けましょう。 大人の場合は脳ドックで偶然発見される場合もあるので、利用するのも良いでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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