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マダニ(フタトゲチマダニなど)を介して発症するウィルス性疾患、重症熱性血小板減少症候群。西日本の19県から症例が報告されていますが、ここ数年発見される地域が増加。なんと、 現在報告されている患者は150例にものぼるとか。見過ごすことのできない、この重症熱性血小板減少症について、医師に解説いただきます。

重症熱性血小板減少症候群とは

森や草むらにごく普通にいるマダニを媒介して感染する、病気です。特効薬がないため、致死率は3〜30%と言われています。 2013年の1月に海外渡航歴のない方がこの疾患を発症したため、注目を集めるようになりました。その後ゆるやかではありますが、患者数が増加している注意すべき感染症です。

<発症の傾向>
発症年齢:20歳から90歳までと幅広く、年齢の中央値は74歳(男女差はなし)
発症時期:5月から8月が多い

病気の発生のメカニズム

マダニが吸血する際にSFTSウィルスを人の体内に注入してしまうのが、病気発症の大きな原因。ただし、マダニ全てがSFTSウィルスを保有しているわけではありません。

どんな症状が出るの?

潜伏期(6日〜2週間)の後、次のような症状が発症するといわれています。

<主な症状>
・原因不明の発熱
・上部消化器症状:食欲低下や吐き気、嘔吐
・下部消化器症状:下痢、腹痛、下血

<時に以下の症状も発症>
・頭痛
・筋肉痛
・リンパ節腫脹

<重篤な場合>
・意識障害
・けいれん
・呼吸不全
・血小板の減少による出血傾向(歯肉出血や皮下出血)

感染してしまったら…

残念ながら、本疾患の特効薬はありません。リバビリンが有効という説もありますが、その確かな裏付けについては不明です。さらに、発症を予防するワクチンもありません。もしもSFTSを発症した場合は対症療法で経過を見ていくことになります。

感染を防ぐためには外で作業する時、ハイキングなど山歩きをする時、肌の露出を避ける服装をすることが大切です 。中袖長ズボンに長靴、首筋にはタオルを巻いたりして侵入を防ぎましょう。

【医師からのアドバイス】

現在、琵琶湖から西の西日本で患者の報告があります。徐々に北上しており、今後さらに罹患地域が増える可能性も考えられます。ワクチンなど確実な予防法はありませんので、屋外で作業をする時は長袖長ズボンに長靴を着用し、肌の露出はなるべく控えるようにしましょう。また、マダニ咬傷に気がついた場合は速やかに医療機関を受診してください。

(監修:Doctors Me 医師)

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