最近「働き方」について考えるのがブームになっているみたいですね。ネットを使って地方都市でシステム開発をしたり、従来通り会社で働くも、特に決まった机はなく、やりたいところで仕事をしたり、働く日数を選べたり様々です。そして、「働き方」の中には組織に所属せず、フリーランスで生きていくという人もいるでしょう。

現在フリーランス歴14年目となり、「なんとかここまで生き残れた…」としみじみと思っているフリー編集者の私中川淳一郎(40歳)が、フリーランスになったばかりの頃の行動に対する心得を書いてみました。

心得その1:固定費を減らす

フリーランスとは「いつでも切れる使い勝手の良い労働者」。よって、一つ「美味しい仕事」が来て舞い上がってしまっても、その仕事が続くわけではない。無駄にオートロックのついた家に住んだり、携帯電話を2台持ちしてはいけません。

心得その2:結婚と子供は一旦諦める

もう結婚をしているのであれば構わない。むしろ一人あたりの生活費は下げることができるのでメリットはある。だが、フリーランスの場合、「生き残る」「名を馳せてやる」と考えることが重要なため、退路を断ち、できるところまで孤独にやり続けた方ががむしゃらに仕事ができ、中高年になった時の生き残りに繋がる。

「ちょっとー、別に、オレ、そんなことまで考えていないッスよ! まぁ、普通に暮らせて、時間が自由になればいいッスよ!あんた、極端過ぎwww」なんて思う方はここでは対象にしておりません。

心得その3:知らない番号からの電話にも必ず出る

「うわっ、知らない番号だ。放っておこう」--学生であればこれでも良いし、生活が安定している職業の方もこれで構わない。だが、フリーランスの場合、知らない番号からの電話はもしかしたらビジネスチャンスかもしれない。「誰かいい人いないッスかね?」なんて言っている人に、あなたの知り合いが「そういえば、××(あなたのこと)ってヤツがいますよ」「連絡先教えてもらえますか?」「(いちいちあんな小物に確認取るのもウゼェな…)はい。電話番号伝えますよ(メールアドレスなんて面倒くさくて伝えられねぇよ)」といったやり取りが発生しているかもしれない。

「個人情報保護の観点から確認ぐらい取るべきです!」というのは初期のフリーランスにとっては禁句。カネをくれる可能性のある人こそ神様である。

心得その4:発注主からの要求はほとんど受ける

「今から打ち合わせ来れる?」「明日までに『来日公演をドタキャンした海外アーティスト』を調べといて」と言われたらすぐに「分かりました!!!」。寝る時間を減らせばなんとかなるものである。

これに応え続けていくことにより、発注主にとってあなたは「あいつは根性がある」「あいつはガタガタ言わない」「あいつは使い勝手が良い」という評価を受けるようになり、次の仕事の発注先として有力な候補になれる。この「心得その4」ができていると、これが実は強力な営業活動に繋がるのである。毎度、発注主からの連絡は「試験」を受けているようなものなのだ。

心得その5:カネのことをいきなり言わない

まだ、それほど実績もないフリーランスが、初の打ち合わせの時にいきなりカネのことを切りだすと嫌われる。カネの話をするのであれば、最後の方でおずおずと、恐縮しながら「あっ、あのぉぉぉ、このお仕事でいかほどいただけるのでしょうか…」と下から見上げるような仕草で言う。

心得その6:金額交渉は相手主導で

さて、ようやく金額を決める段階になると、大抵の場合、「いくらくらいですかねぇ?」と発注主から言われるが、ここで「10万円くれなくては困ります。キリッ」とやると「ハァ?お前ごときがそんなこと言うの?」と思われる。よって「御社にとって普段通りの金額で…」と言う。この時、腹の中では5万円なら「妥当」、10万円なら「御の字」という皮算用をしておく。そして、相手が3万円を提示してきたら「あのぉ、4万円くらいにしていただけませんでしょうか…」と控えめな値上げ要求をする。

提示された金額が「妥当」の少し下ぐらいであれば、それはそれで良しとする。「妥当」を超える金額であれば、「それでお願いします」で交渉終了。

心得その7:傷をなめ合える同業者を作る

無名フリーランスは理不尽な思いをすることも多いため、ストレスが溜まる。しかし、それを会社員に愚痴っても多分実感は持たれず、「お前らはいいよな…。全部自分にふりかからないからよ」となぜか裏切られた気持ちになる。だが、その生き方を選んだのは自分ではないか。というわけで、同じような境遇にいるイケてない無名のフリー仲間を作り、安居酒屋で愚痴りつつ、ギャラの相場や、業界で今フリーに発注が来ている業務内容等の情報交換をするのである。

終わりに

ここまで読んだ人はこう思うかもしれない。「なんだよ!結局フリーランスってブラックじゃねぇかよ!相手の言い分に合わせて過酷な労働しろってか?」と。

冒頭で述べた通り、フリーは「いつでも切れる使い勝手の良い労働者」。よっぽど実績と名のあるフリー以外が仕事を始めたばかりの頃は、理不尽なことばかり。上記7つの心得をすべて無視でき、我が道を行ける人は非常に能力のある稀有な存在なので、そのまま突き進んで下さい。これらは、多数派である「フツーの人」の処世術です。ただし、実績を作れば、こんなブラック企業的な働き方ではなくなりますので、それはまた別の機会に。

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