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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
つわりは本当につらいものです。3ヶ月間つわりに苦しみ、10kg体重が減少したかたもいるそうです。「いつか終わる」「赤ちゃんのため」と分かってはいても、少しでも楽にならないかな…と本人もまわりのかたも感じていることでしょう。そこで今回は、つわりを軽減する方法について、医師から聞いた話をお伝えします。

つわりの症状

つわりは医学用語で「妊娠悪阻(おそ)」と呼ばれます。主に妊娠初期に見られるいろいろな症状の総称です。

・吐き気
・食欲の変化
・だるさ
・眠気

症状は個人差が大きく、同じ女性でも妊娠の度に症状が変化します。

吐き気が強く、水分をとるのも難しくなると、体重減少や脱水状態となり、尿検査をすると体内の栄養不足を反映し「ケトン体」という項目が陽性となります。この時期の胎児はまだ大した栄養を必要としていないので、つわりが原因で胎児の発育に影響することはないとされます。

しかし、吐きつわりを放置すると重症妊娠悪阻となり、母体がウェルニッケ脳症といわれる状態に至った場合、意識障害や痙攣が出ることもあり、非常に危険です。

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つわりの治療薬

【内服薬】
現在日本で保険適応があるつわりの治療薬
・吐き気止め(成分名メトクロプラミド、薬剤名プリンペランなど)
・グルタチオン製剤(薬剤名タチオンなど)
・ビタミン剤
・漢方薬

【点滴や注射】
内服が難しい場合や脱水状態が強い場合(尿量が減ったり、皮膚や口の粘膜の潤いがなくなることが診断の指標)、ブドウ糖液に吐き気止めやビタミン剤、胃薬を混ぜたものを点滴や注射することもあります。

脱水状態は吐き気を悪化させます。その吐き気のためにますます水分が取れない…という悪循環のスパイラルを断ち切るために、点滴・注射はとても有効です。保険適応なので自己負担は数千円しません(使用薬剤や同時に行った検査内容により費用は変わる)。

これらの成分は現在までに多くの使用実績があり、胎児への影響もないといわれています。点滴・注射の量はどの程度自力で水分がとれるかによって変わりますが、500mlを点滴する場合は1~2時間かかります。連日通院して点滴を受けるかたもいれば、通院が困難であれば入院する場合もあります。

海外では、抗ガン剤を使う患者に使用される強力な吐き気止め(成分名オンダンセトロン、薬剤名ゾフランなど)の内服・注射が使用される事がありますが、日本では一般的ではありません。

新薬開発は難しい、つわり

つわりについては、すべての妊婦のかたが満足できる治療方法はないのが現状です。また、今後も開発は期待しにくいでしょう。なぜかというと、新薬の開発や研究をしようにも、対象が妊婦や妊娠初期の胎児というとても繊細な存在であるため、大規模な臨床研究をしづらいことも理由の一つです。また、つわりの多くは時間の経過とともに自然に軽くなるので、落ち着く時期が来るまで見守るという考え方もあります。

だからといって、つわりが甘えや気のせいというわけではありません。家族やまわりのかたには、ぜひ理解してほしいところです。

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【医師からのアドバイス】

つわりのあまりのつらさに、第二子妊娠をためらう女性も多いようです。無理やガマンをしすぎないよう、現在手の届く治療をうまく組み合わせ、自分に合った対策を見つけて乗り切るのが、現状では最良の方法と思います。

(監修:Doctors Me 医師)

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