VW(フォルクスワーゲン)社の排ガス不正が、世界を揺るがしています。

ドイツの株価は4分の1に迫る金額が消失し、その余波が各国の経済に影響を与える形になっているのですが、この世紀の不正を見抜いた小型測定器は、日本メーカー堀場製作所”の製品だったことが話題になりました。

堀場製作所は1945年、京都大学の学生だった故堀場雅夫氏が創業。戦後ベンチャー企業の先駆けとして排ガスや医療用など計測機器を中心に成長を遂げてきた。自動車排ガス測定器の分野で現在は7割以上の世界シェアを握る。「おもしろおかしく」を社是とし、1日の勤務時間を少しずつ延長して休める日を増やして「週休3日制」を一部導入するなど独特な社風を持つ。

出典 http://www.bloomberg.co.jp

おもしろおかしく』

という社是。奇をてらい過ぎると、大抵は掛け声倒れに終わってしまうことが多いものですが、その心を大切に具現化して来た会社が、世界を揺るがす大きな仕事をやってのけました。

創業者の堀場雅夫氏は今年7月に90歳で他界されました。それから僅か2ケ月、堀場氏の御別れの会の開かれた9月にこんな大事が待っていました。
しかし、記事を読んでいただければ分かると思いますが、社員は実に冷静です。そして謙虚で、更にこれからの仕事のことを考えています。これにはとても魅力を感じました。

そこで、こんな素敵な会社を一代で築いた創業者・堀場雅夫氏の教えを紐解いてみることにしました。

創業者・堀場雅夫氏の教え

京都大学の在学中は戦時中だったので、満足に勉強することもできない。そして、ついに日本の敗戦。大学の実験設備はことごとく破壊され、堀場は途方にくれる。そして自分の進路に迷った末に、『自分のやりたいことは、自分でやればいい』と、個人的な研究所(堀場無線研究所)を作ることを決意。これが我が国初の学生ベンチャーの誕生である。

出典 http://www.nippon-shacho.com

『自分のやりたいことは、自分でやればいい』

口で言うのは容易いことです。学生ベンチャーというと、どこか浮ついたような響きがありますが、何かをゼロから創り出すということほど苦難の道はありません。
堀場氏の生き方は、堀場製作所の社是やこの言葉をはじめいくつかの実に明快で端的な言葉で表されています。

イヤならやめろ!

― 特に若いうちは、興味が漠然としていて、見極めが難しいと思うのですが、何か見極めの秘訣のようなものはありますか。

一言でいうと、「イヤならやめろ!」ということですね。イヤなものはやめて、好きなことをトコトンやってみたらいい。そうすれば、「自分の人生は、これでいこう!」っていうものが見えてくると思います。  だけど、そこで注意してもらいたいのが、簡単にイヤと言わないこと。心の底からイヤと言えるほど、本当にトコトンそれをやったのか。世の中には食わず嫌いも蔓延しています。本物だけを見極めていくことが大事です。

出典 http://www.nippon-shacho.com

イヤならやめろ!』

見出し画像にも使わせていただきましたが、実に分かりやすい考え方です。但し、心の底からイヤと言えるほどトコトンやれと続けます。
どんなに好きなことでも、やっている内には必ずどこかで壁にぶつかります。でも、トコトンやれば答えは必ず出るものだと、堀場氏の言葉の裏から聞こえてきます。

寝ても覚めてもこれが無くなれば死んでしまう

― 最後に、これからベンチャーを興したいと思っている若者にメッセージを下さい。

ベンチャーを興す条件としては、その仕事が好きで好きでたまらないということ。寝ても覚めても私はこれが無くなれば死んでしまうというくらい好きなことでなかったら、たぶん失敗する。お金儲けは、二の次。大事なのは、三度の飯も忘れるくらい没頭できるものを探すことです。

出典 http://www.nippon-shacho.com

イヤなことはやめて、好きなことをやれ、という教えにおいて一番大切なことは、

好きなことを見つけること

です。しかも中途半端な好きではなくて『寝ても覚めてもこれが無くなれば死んでしまう』ほどに好きなことををです。そうでなければ失敗するとは、即ちそれさえ見つかれば、半分は成功したようなものだと堀場氏の言葉は示唆します。

世の中のために、何がしたいのか

がんで入退院を繰り返していたが、今年6月上旬、本社で開かれた年1回の経営戦略会議に入院先の病院から車いすで姿をみせた。国内外のグループ会社幹部約60人を前に「世の中のために自分に何ができるのか、何がしたいのかを追求してほしい」と力強い声で語ったという。一人ひとりの「やる気」を引き出そうとする愛情も、最後まで尽きることはなかった。

出典 http://www.sankei.com

堀場氏は2015年7月14日に他界されました。次の言葉はそのわずか1ケ月前の会議の席上で話されたものです。

『世の中のために自分に何ができるのか、何がしたいのかを追求してほしい』

場当たり的な教義はいくつも聞いてきました。時代が変われば言うことも変わるのです。それが当たり前で、むしろ変われない者は敗れ去るのみ、という考え方もある意味事実なのかも知れません。

しかし、「やりたいことをやれ」と最後の最後までぶれないメッセージを送り続ける生き方に、私は心からの憧れを感じます。

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花咲 未来 このユーザーの他の記事を見る

心にいつも熱い想いが詰まっている「夢多きアラフィフ」です。子育ても給料を運ぶ以外はほぼお役ご免になりましたので、これからの自分はどう生きるかを模索しながら、第二の青春を生きています。『アオハルはいつも間違える』ので、記事には誤字脱字のなりように気をつけます(^^;;

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