記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
先日、亡くなった女優・川島なお美さんを襲った、「胆管がん」。一体どのようながんなのでしょうか?

胆管はどこにあるの? 原因は? 予防・治療法は? 誰もが気になるこの病気について、医師に詳しく聞いてきました。

Q1. 胆管がんとは、一体どんながん?

胆管は、肝臓で作られる消化液である「胆汁」の、肝臓から十二指腸までの通り道です。肝臓の中を走る肝内胆管と、肝臓の外に出ている肝外胆管に分けられ、肝内胆管にできたがんは、肝臓にできたがんとして肝臓がんの一種として取り扱われます。胆管がんは、胆管の内側の表面の粘膜にできる悪性腫瘍なのです。

肝臓で作られた胆汁は、肝外胆管を通って十二指腸に流れ、消化を助けます。胆管は細い管であるため、肝外胆管にがんができると、その流れをせき止めてしまいます。そのため、消化に関わる様々な働きに影響が出てきます。また、肝内胆管にがんができた場合は、初期は症状が出にくいことがあり、気がついた時には進行している場合が多く、早期発見が難しいとされています。

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Q2. 胆管がんの原因は?

・胆管の形質的異常
食生活や生活習慣の乱れ

などが考えられるでしょう。

膵胆管合流異常(すいたんかんごうりゅういじょう)といい、胆管と十二指腸の合流部に生まれつき異常がある場合、刺激の強い膵液(すいえき)が胆管に常時流れ込み、それががんの原因となる可能性があります。

また、原発性硬化性胆管炎という、胆管に原因不明の慢性炎症を起こす病気があり、約10%の確率で胆管がんを合併しています。

肝内胆管は、肝臓の内部にあるため、アルコールを多量に摂取することは、がん発生の原因の1つであると考えられています。また、食生活の乱れや、アルコール多飲により、肝臓に脂肪がたまった状態である、脂肪肝になりやすく、肝硬変や肝臓癌、そして胆管がんに進行していく可能性もあるでしょう。

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Q3. 胆管がんを患うと、どのような症状があらわれる?

・黄疸(おうだん)
・白色便
・茶色尿
皮膚掻痒(ひふそうようしょう)
・腹痛(右脇腹)

などが挙げられます。

黄疸とは、皮膚や目の白い部分が黄色くなることです。胆管の内部にがんができることで、胆管の内部が狭くなり、肝臓でできた胆汁が流れにくくなります。流れにくくなった胆管内は、圧力が上がり、胆汁が胆管から肝臓側へ逆流し、血管の中に入るようになります。その結果、血液の中のビリルビンという濃度が上がるため、黄疸が現れます。

胆汁の逆流が 進行し、胆汁が腸へ流れてこない状態になると、便の色が白色、またはクリーム色に変化します。また、胆汁が尿の中に排泄されるようになると、尿の色が茶色のような濃い色になります。また、血液中に胆汁の物質の1つである、胆汁酸が流れることで皮膚の掻痒(そうよう)があらわれます。

また、がんが進行すると出る症状としては、

・全身倦怠感
・発熱
・食欲不振
・体重減少

などが挙げられます。

Q4. 川島なお美さんが行った「民間療法」とは?

民間療法とは、民間で見いだされ伝承されてきた方法によって行う治療法であり、医学的には実証できていないものです。がん患者さんは、病院での治療の他に、身体の免疫を上げるように、様々な民間療法も併用されている方も多くいます。

川島なお美さんは、1年半前に胆のうを摘出する手術を受けられていましたが、その後は化学療法などの治療は行わず、民間療法をされていたようです。一部報道では、「ごしんじょう療法」を受けられていたと言われています。これは、純金の金棒で身体をこすり、邪気を払うというものでした。

自身の免疫力を上げ、少しでもがん細胞の増殖を抑えるように努め、また、腸内洗浄や乳酸菌のサプリメントを摂取するなどもしていたようです。

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Q5. 胆管がんの治療には他にどのようなものがあるのでしょうか。

下記の方法があります。

・手術療法
胆管のがん細胞を摘出することですが、その部位や大きさなど、がんの広がりに応じて、安全で適切な切除を試みます。

・化学療法
化学療法とは、がん細胞に作用する抗がん剤を定期的に点滴することによって、がんを小さくするように試みるものです。吐き気、倦怠感や食欲不振などの副作用が出現する可能性が高いです。

・放射線療法
放射線療法は、手術が不可能であり、他に転移がない状態の患者さんに対して、癌の抑制を目的としての適応となります。しかし、有効性に関しては十分は検討がされていないのが現状です。

Q6. 胆管がんになった場合の生存率は?完治は可能?

胆管がんは、発見時の進行具合、手術ができる状態であるかどうかで、その後の生存率や、治療後の状態(予後)が変わってきます。肝内胆管がんになった場合は特に症状が出にくく、早期発見が難しいため、がんができた部位が肝臓に近い部位であるほど、予後が悪くなります。

手術により、がんを切除できたとしても、再発のリスクはあるため、定期的な検診が必要になります。5年生存率は、手術ができた人でも約30%、手術ができなかった場合は1%以下と言われています。

医師から最後に一言

胆管がんは、早期発見が難しいがんの1つです。胆管の生まれつき、形態異常の可能性は低いため、私たちは、自身の食生活、生活習慣を振り返り、なるべく体調の変化に気づくことが、早期発見、治療へとつながっていきます。

また、治療が開始された後は、再発や転移などにも十分に気をつけ、自身の状態を見ていくことになります。健康体でいるためには、何事にも自身の身体の状態、生活習慣を省みることが重要です。

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