ADHDは進化の過程で生まれてきた能力?

ADHD(注意欠陥多動障害)。この人口の約5%が持つというこの症状は、一般的には集中力が続かなかったり注意散漫になったりと、現代社会ではどちらかというとネガティブな印象を持たれやすいもの。

けれども、狩猟採集型の生活では、ADHDのように衝動的に行動したほうが生存能力が高いらしいのです。そして現在、この症状が進化の過程で生まれてきた能力なのではないか、という仮説が注目を集めています。

ケニアでの驚きの研究結果

その仮説の根拠となっているのは、ケニアで狩猟採集型の生活をしている民族の調査結果。なんと、ADHDに関連する遺伝子を持っている人のほうが栄養状態が良い傾向があり、反対に、そうでない人は体重が軽い傾向にあったという。

つまりこの研究結果から、ADHDは生存率を高める要因のひとつなのではないかということができるのです。この説はニューヨークのリチャード・フリードマン博士が主張しているもの。

ここにADHDは進化による変化のひとつなのではないか、というこの説が成り成り立つのです。けれども、狩猟採集ではなく定住して農業などを営むように人類の社会が変わって、それでADHDの能力が不要になってしまったのではないか、と博士は述べています。

その変化の結果、現在の社会では「障害」と見なされるようになってしまった、ということなのかもしれません。

環境によって「能力」と「障害」が入れ替わる

環境が次々と変わっていく放浪生活では、新規性を求める動的な傾向の方が生存には適しています。けれども逆に、持続や専念が必要な活動が求められている現代社会にはこのような特徴は適応を困難にします。

つまり、生活を営む環境によって、求められる能力が異なってくるということ。ある環境では優れた「能力」だと考えられるものが、別の環境では「障害」とみなされる、ということもありうるのです。

もし、あなたが今の環境に不自由さを感じているのなら、それはもしかしたら、あなたの「能力」が環境とマッチしていないためなのかもしれませんね。

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