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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
腫瘍には増殖が遅く他に転移しない良性腫瘍と、急激に増殖し他の臓器に転移する悪性腫瘍(=がん)とがあるといいます。原因としては化学物質やホルモン、遺伝、ウイルスなど、さまざまなものが考えられるとか。ここでは、そんな猫の腫瘍のうち、悪性腫瘍“がん”について症状や治療法について解説いただきました。

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がんの種類によって症状はさまざまですが、共通して見られる症状をピックアップ。ただ、この症状すべてが表れるわけではありません。

<猫のがん特有の症状>

・元気がなくなる。疲れやすい、遊ばなくなった、呼んでも返事がないなど
・食欲不振、以前より好き嫌いが激しくなった、食べる速度が遅くなったなど
・体重減少
・毛艶が悪い、バサバサして乱れている
・呼吸が早い、逆にゆっくりと深い息で呼吸しているなど
・あまり体に触らせてくれなくなった
・静かな場所を好んだり、性格の変化が見られるなど

治療前に行う3つの診断

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1:腫瘍の顔を確定する(例えばリンパ腫、肥満細胞腫、乳癌)

<問診&触診>
まず、問診と触診でそのしこりにいつ頃気が付いたのか、大きくなっているのか、何か症状があるのかを確認します。
最近気が付いて、急激に大きくなったのであれば悪性を疑われます。数年前から同じ大きさであれば良性の疑い、大きさ、硬さ、数、しこりの動きやすさなどを調べて進行度を分けてます。

<細胞診→生検>
次に、細胞診で細胞を調べ良悪の予測をしますが、ここで確定診断が難しい場合は、一部組織をとり生検(病理検査)を行い専門の病理診断医より腫瘍の名称と診断が下されます。中には、細胞診のみで確定診断できる腫瘍もありますが、ほとんどは生検が必要となります。これで、その腫瘍への対策が分かり、どんな治療が必要となるか見えてきます。

2:転移の有無
腫瘍を切除・完治しても、転移があるのに手術をすると、手術で体力が落ち全身状態が悪化を起こしたり、余命を縮める可能性があるので、癌と確定された場合には転移先と考えられる、肺、肝臓、脾臓、腎臓などの超音波検査やレントゲン、CTなど術前の検査が必要になります。残念ですが、転移が認められた場合は予後の悪い事が多いです。

3:全身状態の把握
癌を治すために、手術や抗がん剤、放射線などを使用します。全身状態が悪かったり、肝臓や腎臓の機能が落ちている時に進んで治療をすると、体力の低下で更に具合が悪化してしまうことがあります。治療以前に、その治療に耐えられるか、他に病気が存在しないかを血液検査、尿検査、X線検査、超音波検査などで調べます。

1~3の全ての行程を完了した後に、ようやく治療が始まります。

腫瘍治療の3大治療

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1:外科治療
・癌を完全に切除するもの
・癌が完全に切除できなくても、出血したり、ジクジクしている部分を取り除くためのもの
・腫瘍名の診断のため
…など。

2:抗がん剤(化学療法)
・癌の転移を抑えるために使用(外科治療と併せて)
・リンパ腫や白血病といった血液腫瘍にたいして(シコリではなく全身にくまなくあり外科治療ができないもの)
…など。

3:放射線療法
・外科治療後に取り残した部分への使用
・大きなシコリで放射線治療により、癌を小さくし、手術する方法、
・出血や自壊を緩和する作用
…など。

獣医師からのアドバイス

上記の3大治療をベースに、これらの組み合わせで治療を行います。その他に、サプリメントを組み合わせたり、活性化自己リンパ球移入療法や光線温熱療法などといった、他治療の選択肢もありますが、治療ができる施設が限られるので、お近くの獣医さんとよく相談して治療を決めていきましょう。

(監修:Doctors Me 獣医師)

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