外国人観光客が増えてきている日本。筆者の住むイタリアからも最近はよく日本へ旅行に行くという人を見かけます。以前に比べると、イタリア人にとって日本はもうそれほど遠い国ではなくなってきているようです。

でも、イタリアの文化と日本の文化の間には大きな違いがあります。日本人にとっては“当たり前”のことで、普段、考えてもみないことでも、日本文化を知らない外国人にとっては“当たり前”ではないことがたくさんあります。

また、イタリアで日本語講師として働く筆者。生徒さんたちの中にはこれから日本へ行く人がたくさんいるわけですが、そうした生徒さんたちに「日本で注意してね!」と説明する日本でのマナーがいくつかあります。

時間を守る、列に並ぶ、家には土足で入らない…などはもう広く知られていることなのであまり言う必要もないのですが、大きな問題ではないけれど、日本へ出発する前に知っておいたほうがいいと筆者が思う日本のマナーのいくつかをご紹介したいと思います。

~温泉でのマナー~

やはり、日本へ行ったら温泉に入りたいというイタリア人は多いですし、普段はシャワーで済ますイタリア人ですが、せっかく日本へ行くのですから、ホテルやステイ先で湯船につかってリラックスしてもらえればと思います。

しかし、日本のお風呂に関するマナーはあまり知られていません。

1.タトゥー

温泉にしろ家でのお風呂にしろ、湯船につかる前には体を洗うことや、タオルを湯船につけてはいけないという初歩的なことももちろん説明します。

そして、温泉などの大衆浴場の場合、タトゥーのある人は入れない場合があることも説明します。

小さいものから、大きいものまで、オシャレでタトゥーを入れているイタリア人にはたくさんいます。鯉や般若、龍などのタトゥーは芸術的だと、わざわざ日本のヤクザを連想させるようなタトゥーを入れるイタリア人もいるくらいです。

タトゥーがある人は一度、温泉施設のスタッフに訪ねてみたほうがいいとアドバイスしています。

そのアドバイスを実行した生徒さんの中には「温泉施設の人がタトゥーを隠す絆創膏みたいなものをくれて、それを貼って温泉に入れた。」という人もいました。

2.お風呂から上がったらタオルで体を拭く

イタリアでは(その他の欧米の国でも同じだと思いますが)、シャワーから出た後、バスタオルで体を拭くのではなく、バスローブをまといバスローブに水を吸収させる人が多いです。

筆者のイタリア人夫も例外ではありません。彼はいつもシャワーから出るとバスタオルは使わず、バスローブを使います。

そんな夫がまだ日本のことをよく知らなかったときのこと。筆者と筆者の両親、そして夫とで温泉旅館へ行きました。もちろん筆者は母と、夫は父と温泉へ入ったのですが、温泉から出てきた父が私に「浴衣を着る前に体をタオルで拭くことを説明しておいたほうがいい。」と言ってきたのです。

最初はどうして夫が体を拭く前に浴衣を着てしまったのか分からなかったのですが、よく考えてみれば、彼にとって浴衣はバスローブ代わりだったのですね。

しかし、まさか体を拭かずに浴衣を着てしまうとは、浴衣をバスローブ代わりに使ってしまうとは思ってもみなかったので、ビックリしたのでした。

濡れた体のまま浴衣を羽織ってしまったので、もちろん浴衣はびしょびしょ。温泉に入る前にちゃんと説明すべきだったなと思った出来事でした。

~食事のマナー~

国が変われば食文化も変わります。食文化が変われば、食事の際のマナーも変わります。

日本人がスパゲティーをすすって、音をたてて食べるとイタリア人にイヤな顔をされるのは有名な話ですよね。でも、イタリア人も日本料理を食べるとき、日本人からするとイヤな顔をしたくなるような行動を取ることもあります。もちろん、それはイタリアでは普通のことで、相手を不愉快にさせるために故意にしているのではないのですが…。

1.茶碗を持つ

日本ではごはんのお茶碗にしろ、汁物の碗にしろ、手に取って食べるのがマナーです。しかし、イタリアでは(その他の欧米の国でも同じだと思いますが)皿を手に取って食事をすることはありません。むしろ、皿を手に取って持ち上げて食べるというのはイタリアではマナー違反。ですから、イタリアでイタリア人と日本食を食べに行くと、みんな茶碗を持たずに、テーブルに置いたままでご飯を食べるのです。

日本人の私からすると、悪気はないことは分かっていても、大変だらしなく見えてしまいます。

2.箸渡しはしてはいけない

イタリアで日本食レストランにイタリア人と行ったとき、意外と多くの人がするのが“箸渡し”。箸と箸で食べ物を渡すことです。

日本で“箸渡し”は、火葬の後、遺骨を拾う際にする動作のため縁起が悪いとされています。小さいころ、箸渡しをしようとして、怒られた経験のある日本人は多いのではないでしょうか。

でも、イタリア人たちはそんな風習をしりませんから、友達同士で日本食レストランへ行って、箸渡しをしてしまう人が多いのです。

知り合いのイタリア人に「それは日本ではしてはいけないことなんだよ。理由はね…」と説明すると、みんな次回からは絶対にしませんけどね。

3.緑茶には砂糖を入れない

最近の健康志向、日本ブームも手伝って、今では多くのイタリア人に知られている日本の緑茶。

私が日本から持ってきた緑茶を入れてイタリア人に出したとき、ビックリしたことがあります。それは「砂糖ある?」と聞かれたこと。

イタリア人にとってお茶といえば“紅茶”という考えがあるようで、砂糖を入れて飲むのが当たり前と思っている人がいるのです。普段紅茶に砂糖を入れて飲む人は緑茶にも砂糖を入れたいようですね。

イタリアでもお茶をペットボトルで売っていて、そのお茶の種類の中には“グリーンティー”もあるのですが、“砂糖入り”です。

日本では緑茶には砂糖を入れないと説明し、砂糖なしで飲ませてみると。「苦くて飲めない。」という人もいました。

緑茶に砂糖…日本人の私からすると想像しただけで気持ち悪くなるんですけどね。

~まとめ~

いかがでしたでしょうか?日本に住んでいると考えてもみないような当たり前のことが、外国人にとっては当たり前ではない、不思議なことだったりするのですね。

“郷に入っては郷に従え”というのは、日本人が海外へ行った時だけでなく、外国人が日本へ来た時も同じだと思います。

だからこそ、海外に住む日本人として、日本へ行く外国人がいたら日本へ発つ前に教えてあげたいことですね。

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2004年よりイタリアはフィレンツェに住んでいます。
イタリア人の夫と黒猫1匹との生活。
日本語講師としてイタリア人に日本語を教えています。
魅力的なイタリア、不思議なイタリア、海外から見た魅力的な日本、不思議な日本を中心にお伝えしていきます。

普段のイタリア生活についてはアメブロに書いています。
http://ameblo.jp/firenzefungo/

トスカーナ、フィレンツェ観光に関してFirenze in Tascaというトスカーナ、フィレンツェ個人旅行サポート会社のサイトにて記事を執筆中。
http://firenzeintasca.com/

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