『別名エジソン発掘プロジェクト』
2014年、突出した能力はあるものの、不登校傾向にある子供たちの隠れた才能を引き出そうという『異才発掘プロジェクトROCKET』が東京大学先端科学研究センターと日本財団の共同でスタートしました。

「みんなと同じ」が求められる学校ではその才能を発揮するのが難しいお子さんもいます。

高い能力を持ちながら、学校へ行けない、友達とうまくなじめないお子さんに学校以外の学びの場所を作り、将来の日本をリードし、イノベーションをもたらす人材を養成することを目指す』ことがこのプロジェクトの目的です

Rocketとは?
R
oom Of Children with Kokorozashi and Extraordinary Tarents
の頭文字を取ったものです。訳すと「志とは並はずれた才能を持つ子供達たちの教室」となります。

2014年の応募は600人 そのほとんどが多動や学習障害、不登校の子供達

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2014年から始まった異才発掘プロジェクト。全国からは600人を超える応募がありました。その多くが多動、学習障害など、学校という集団になじめない発達障害や不登校の子供達でした。

文部科学省の調査によると、人とうまくかかわれないなどの発達障害の可能性のある子ども(小中学生)は6.5%に上ることがわかりました。その子供の全てが知的に遅れているわけではなく、中には非常に高いIQを持つ子もいます。コミュニケーションが苦手だったり、自分の好きなことにしか興味を持てないエジソンのような子供は学校教育から否定されてきました。そういった子供はその能力を生かす学習環境が今までありませんでした。

学習障害のAくんの場合

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前述の通りこのプロジェクトには600人以上の応募がありました。その中から一期生として選ばれたのはほんの一握りの15人の子供たち。いわゆる精鋭です。

その中の一人、Aくんは字が書けません。トム・クルーズと同じ学習障害を持っています。言語能力は非常に高いものの、文字になるととたんに理解できなくなります。いじめ、理解できない授業、6年の時には学校に行かなくなりました。

そんなAくんを助けたのが「絵」でした。中世の世界や戦闘機など、どんどんイメージが湧いてきて一日に100枚もの絵を描くこともありました。空間認知力が非常に高いお子さんで、平面の絵をたやすく3Dの立体絵に描くことができます。

画一的な日本の教育になじめないAくんのような子は「ダメな子」「弱い子」と見なされ、その子が子が持っているかもしれない才能は切り捨てられてきました。すべてに同じようにできないと「出来ない子」レッテルを貼られます。字が書けなくても、絵が描けることを褒めてくれた人はいたのでしょうか。

Aくんは学校では「友だちと興味の対象が合わず、学校ではバカだと思われていた」「6年間一人もともだちがいなかった」

しかし、東京大学先端科学技術研究センターの中邑教授はそういうお子さんを「ユニーク」と呼び、“ひと言で言うと、Aくんは変な少年です。我々のプロジェクトの中では”変”という言葉がいかにすばらしいか”と語っています。

異才というのは、20年30年後に彼らが何かを成し遂げたから異才と呼ばれるのであって、エジソンも子どものときは、変わっている子と言われていたのかもしれません。

出典 https://blog.benesse.ne.jp

ROCKETには教科書、時間制限がない
ROCKETでは教科書を使いません。教科書から学ぶのではなく、体験を通して学ぶ授業に重きをおいています。さらに時間制限がないことで、子供達は自由に自分の考えを形にすることができます。

好きなことに取り組みながら、心をつかむプレゼンも学ぶ
異才発掘プロジェクトROCKETの一期生のお子さんは、Aくんのように飛びぬけて絵がうまい子、相対性理論を熱く語る子、ひたすらボーリングセッターを組み立てる子、水が流れるのをずっと眺めている子など、その特異分野は様々です。”決して、有能な子どもを選抜して、一流高校や一流大学に入れるプロジェクトではない”そうです。

人と違ったことが好きでも「変」と言われない、好きなことに集中して取り組める環境の他に、ROCKETでは人との交渉力やプレゼン力も同時に学びます。

”『本当に自分のやりたいことをするには、論理を超えて人の心を動かさなくてはなりません。彼らが、将来協力者を得られるような教育も、ここでやっていこうと思っています。』”

これまで「人と自分は違う」と自信を無くしていた子たちも「自分はこれでいいんだ」「間違っていないんだ」と安心できることがその才能を伸ばす秘訣なのかもしれません。

それぞれの学び方があっていいと思うというのが、中邑教授のお考えです。凸凹のあるお子さんの凸をつぶさないように伸ばすことは大事ですが、現在の日本の教育を否定しているわけではないとおっしゃっています。

”ぼくらは今の日本の公教育を否定しているのではありません。むしろいいもの、素晴らしいものだと思っています。平均的な8割の子どもたちを、一斉にあれだけのレベルまで持っていける教師たちの力は本当にすごいですし、それはこのままキープされなくてはなりません。

ただ、能力の右端10%の子と左端10%の子も、その8割の子たちと一緒に抱え込んで、同じ教室で学習していくことには、無理があるのではないでしょうか。

私たちは子どもたちの教育の場を、もっと分けてもいいのではないかと思います。突き抜けてできる子は、興味分野の授業を大学で受けて伸ばせたり、飛び級できたりする。そんな学びの多様性が認められる社会の実現を、「ROCKET」はめざしています。”

出典 https://blog.benesse.ne.jp

まだこのプロジェクトは始まったばかりです。2015年、夏に2期生の応募が始まり、今現在その選考の最中だと思われます。このプロジェクトの成果によっては凸凹のあるお子さんに対する支援、教育の道筋も変わっていくかもしれません。

「普通」の80%ではなく、能力の右端10%、左端10%のいずれかに属する発達凸凹な子供を持つ母としても、ROCKETが新しい道筋を作る先駆者であってほしいと心から願ってやみません。

今後、ROCKETの子供たちはどんな大人になり、どんな社会を作っていくのでしょうか。今後5年にわたって活動が続けられるそうです。今後の子供達、プロジェクトROCKETの活動に期待したいと思います。

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Lucas このユーザーの他の記事を見る

発達障害(ADD・注意欠陥障害)の子供がいます。発達障害のことや料理、旅行のことなど自分の気になる諸々を記事にしていけたらと思っています。*海外の記事は意味が外れすぎない範疇で簡略・意訳してあります。

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