記事提供:長谷川豊 公式ブログ

お馴染みの夕刊紙、日刊ゲンダイさんの力の入った記事。

撮影ヘリは救助の邪魔…決壊映像で視聴率稼ぎに走ったTV局

これはその通りだったと思います。

実際に現場を走り回っていた私の目から見ても、今回はちょっと騒ぎ過ぎというか、あまりにも過熱しすぎていて見ていて心配になったほどです。

もちろん、ネット上で言われているように、「視聴率稼ぎのために、自衛隊のヘリの邪魔になった!」の後半部分、「自衛隊の邪魔に~」は誤解です。

我々マスメディアの撮影ヘリにはある一定の規制があり(高度制限など)、自衛隊のヘリの救出作業の邪魔になるようには出来ていません。

映像を確認する限り、以前よりもかなりしっかりとした映像が撮れているのは、カメラの解像度が上がったためです。

以前よりも近づいているわけでもありませんし、さすがに視聴率のために救出作業の邪魔はしていないはずです。少なくとも、私が現場にいるときは、間違いなくそれはしていませんでした。全局で。

が、ご指摘の通り、「視聴率が欲しいので騒いでいた」というのは確かに否定しきれません。

救助の映像や決壊映像に力を入れ過ぎ、全体像をとらえられなかった、というご指摘は、私も見ていて感じたところです。あと、リポートのテンションが全体的に高すぎ、はしゃいでいるように見えてしまったのは残念なところです。

緊急の事態の時は、出来るだけ落ち着いてリポートするのがセオリーです。もちろん、上げていこう!と現場でなった時や、実際はそれほどの状態でもないときは無理にテンションを上げたリポートを撮ったりします。

それは、そのままの絵では力がなく、数字が期待できない時です。今回は、絵が十分に強いので、あのテンションでは見ている方々が疲れてしまった可能性があるかもしれません。

ただ、1つご理解いただきたいのは、沢山のヘリを飛ばしているのは視聴者のみなさんから見るとはしゃいで視聴率稼ぎに走っているように見えるでしょうが、現実問題として、テレビ局のヘリによって、救助を待つ人々の姿をとらえるきっかけになる時があります。

あのような特別に事態が緊急の時には、「目は多い方がいい」ことは間違いなく、多くのヘリを飛ばすこと自体には、私は問題は感じません。

私は現場に出ている時代、実際に災害現場は何十回と取材してきましたが、今思えば、一番まずいことをしていたなぁ…と感じるのは、むしろヘリなどよりも、コンビニの「買占め行為」の方でしょうか。

私たちは大きな災害があった時などに、各情報番組で取材に向かいます。

例えば、フジテレビでも報道局から、夕方のニュースに、夜のニュース。そして、そのヘルプ部隊。情報局からめざましのチームが出て、とくダネのチームが出て、日曜日のミスターサンデーのチームが出て…。

みんな、4人から5人でチームを編成して取材にあたるんですが、そのメンバーが全員、3食、食べます。そして、熱中症などにならないように、水分を十分に補給します。フジテレビだけでそれです。

これが、テレビだけで、日テレさんとTBSさんとテレ朝さんとテレ東さんと、それよりももっと多くの人数を引き連れたNHKさんが来ます。それに、新聞各社が来ます。大手新聞社は全社来ますし、地元紙も当然来ます。

それらが、災害現場近くのコンビニに群がります。そして、会社の経費であるのをいいことに、おにぎりやパンなどをほとんど買い占めます。

取材活動のために必要なものとはいえ、地元に物資が不足しているときに、果たして適切なのか、少々疑問に感じる時もありました。

聞いたところによると、大きな事件が一度起きると、その地元は一気に景気が良くなるそうです。

みんなでコンビニやレストランに行く。みんなでホテルに泊まる。みんなで夜、飲みに出かけたりする。

その一帯に大量のお金がばらまかれるんだそうです。なので、地元の方々からは、意外なもので結構ウェルカムされることも多いです。

タクシーの運転手さんなど、事件が起きてしばらくたって落ち着いた後に事後取材に行くと、悪気はないのでしょうが「また事件でも起きてくれないかと思うよ」と語ってくれたこともありました。それくらい売り上げが跳ね上がるそうです。

余りに地元に迷惑な場合は、代表取材などの何らかの報道規制も必要なのかもしれませんが、自由な報道と取材が許されている日本では、なかなかそれらの規制は現実的ではないでしょう。

メディアが一斉に事件現場や災害にたかる姿は、「メディアスクラム」と言って非難されがちですが、実際に現場から見た範囲では、いい面と悪い面が両面あるように思います。

しかし、ずいぶんな大雨でした。被害にあわれた方が1日も早く日常に戻られることを祈ります。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス