ユースホステルといえば、やはり安いというイメージがあります。また部屋は個室がほとんどなく大人数でシェアをする。ロビーやラウンジなどにいけばいろいろな人との出会いがあって、世界中の人とソーシャルメディアではなく「生」でつながることができるところが魅力といえるでしょう。

香港の石硤尾(Shek Kip Mei)という場所は1954年に香港最初の公営住宅ができたところです。老朽化に伴い建て替えが行われているのですが「美荷楼(Mei Ho House)」という建物だけはそのまま残して、ユースホステルおよび博物館として生まれ変わりました。

出典写真提供:Hong Kong Youth Hostels Association

改修前

出典筆者撮影

改修後

部屋ですが、個室があり、そこはもう普通のビジネスホテルと同じ感じです。しかもそれなりの広さがありゆったりと使えます。大部屋は、2段ベッドで何人もの人と一緒に部屋をシェアしますが、理路整然とベッドがならべられていて、かつ清潔感がありました。2つの部屋は、ユースホステルのイメージを根底から覆されるような部屋でした。空調も完備ですし、シャワー、トイレもきれいで言うことありません。女性でも安心して泊まれます。
もちろんランドリーや台所も完備していますが、それをみると「あぁ、ここはビジネスホテルじゃなくユースなんだ」と再認識させてくれます。

出典筆者撮影

ステレオタイプのユースホステルのイメージとはまるで違う部屋です

出典筆者撮影

2段ベッドもモダンな感じ

出典筆者撮影

小ぎれいな台所と電子レンジ

博物館ですが、ここは香港最初の公営住宅だったということで保存が決まりました。理由は1953年12月25日のクリスマスこの周辺で大火が発生し40人が死亡、6万人弱が家を焼失するという大惨事となりました。当然、家を無くした人が多かったので香港政庁は公営住宅の建設を決断します。初期の住民に『男たちの挽歌』や『レッドクリフ』で有名な世界的映画監督のジョン・ウーが幼少期に住んでいました。実は彼は台湾に移民する予定だったのですが、大火で全てを失いこの公営住宅に入ったのです。もし、火災がなかったら世界的監督にはならなかったかもしれません。

出典Hong Kong Youth Hostels Association

昔の公営住宅の内部のようす

博物館は入場無料で、当時の生活様子を描いたものになっています。昔はイギリスの植民地だったですから、公営住宅といってもそれほど充実した施設を持つ住宅ではありません。例えば、台所はなし(住民はドアの外で七輪などを使って調理していました)、1フロアあたり62世帯あるのですがトイレは共同で、男女3個ずつのトイレをシェアするという過酷な環境でした。世界的にみると日本の住宅事情も小さくて大変ですが、香港もひどかったというのを理解することができる博物館です。

出典筆者撮影

当時の部屋の様子を再現したもの

きれいな宿泊施設に泊まれて、かつ香港の住宅の歴史をしることができるというユニークはユースホステルを体験するのも違った香港の楽しみ方かもしれませんね。近くには、香港の秋葉原と呼ばれる深水埗(Sham Shui Po)と呼ばれる地区があり、コンピューター関係の商品が日本より安く購入できるところがあるので、そちらに立ち寄ることもできます。

★YHA Mei Ho House Youth Hostel
住所:Block 41, Shek Kip Mei Estate, 70 Berwick Street, Sham Shui Po,Kowloon, Hong Kong
電話:+852 3728 3500
ウェブサイト:www.yha.org.hk
※博物館も同じ敷地内にあり

この記事を書いたユーザー

nobu takeda このユーザーの他の記事を見る

メディア業界で約20年の経験を持つフリーランス・ジャーナリストです。政治経済からスポーツ、グルメ、エンタメまで広くカバー。香港との関わりは2001年から。10年前からライフスタイル・ブランドLiucia(www.liucia.com)を共同で立ち上げ、経営もしています。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス