被害総額 約560億円!「オレオレ詐欺」など、特殊詐欺被害が史上最悪を記録

「あ、母さん?オレだよオレ」

そんなセリフから言葉巧みに現金やキャッシュカードを騙し取る「オレオレ詐欺」。1990年代後半に発生し、20年近く経った現在でもその勢いは健在です。オレオレ詐欺などを含む特殊詐欺の2014年被害総額は史上最悪を記録しました。

その額559億4354万円。一日あたりでは約1億5000万となり、大卒サラリーマンの生涯賃金の約半分が一日で騙し取られていることになります。

そんなオレオレ詐欺よりヤバイ詐欺が現れた・・・?

国民生活センターによると、昨年10月からマイナンバー制度関連の相談が全国の消費生活センターに寄せられている。相談者の多くは高齢者。(詐欺グループから電話などで)「番号の手続きをしないと刑事問題になる」「番号の管理が必要なので、任せてほしい」などと言われたという。

出典 http://www.nikkei.com

そもそも「マイナンバー」って?

「社会保障・税番号制度」、通称「マイナンバー制度」とは、日本に住民票を持つ一人ひとりに12桁の番号を付与するというもの。2016年1月からの運用開始に向け、今年の10月から、各個人へマイナンバーの通知がされます。

今まで各省庁や地方自治体でバラバラに管理していた個人情報が、一人一つのマイナンバーにひも付くことで、サービスの効率化が進むとされています。例えば、転居や年金の申請で必要な書類が減る。役所窓口での待ち時間が減る。確定申告が簡単になるなどです。

アメリカでは「ナンバー詐欺」の被害額が2兆円を突破

色々と便利そうなマイナンバー。アメリカや韓国、スウェーデンなど、諸外国でも同様の番号制度は以前から導入されています。

例えばアメリカでは「Social Security Number(社会保障番号)」という一人一つの番号が、行政はもちろん、銀行やクレジットカードなどの金融機関のほか、携帯・電気ガス・運転免許など、様々なサービスの顧客番号と結び付いています。

番号制導入から80年以上の歴史を持つアメリカですが、未だ解決できていない問題が、ナンバーを用いたなりすまし詐欺です。

この社会保障番号の犯罪への悪用の例は数限りなく存在する。例えば、とある女子高生が卒業を控え、はじめて自分のクレジットカードを作ろうとした。しかし、どうしても作れない。カード会社から申請を拒否されるのだ。

調べてみると、なんと、彼女には借金が150万ドル(1億8,000万円)もあったことが発覚。借金は、クレジットカードなど、42もの口座で作られていて、もちろん彼女自身には全く身に覚えのないものだった。そう、この口座は、どこかで盗み出された彼女の社会保障番号を悪用して作られたものだったのだ。

出典 http://news.mynavi.jp

なんでも同国司法省の統計によれば、2006年から3年間のなりすまし被害額は約173億ドル。日本円に換算して約2兆700億円にのぼるのだとか。ちなみに東京五輪の2013〜2020年までの8年間の経済効果は約3兆円だと言いますから、詐欺被害の大きさが伺えます。

日本では「間接マイナンバー詐欺」が出現中

アメリカの例は、漏洩した番号を直接使って詐欺を働く、いわば“直接マイナンバー詐欺”。それ以外に、番号は使わず、間接的にマイナンバー制度を利用した詐欺も日本で出現し始めています。

1.流出してます詐欺

「あなたのマイナンバーの情報が流出しており、犯罪に使われる可能性があります」と脅す手法だ。この場合は役所の事務員や警察官のふりをして実際に家におしかけ、「流出を止めるためにすぐに動きますので、銀行の通帳と印鑑、暗証番号をお預けください」と迫るという。

出典 http://gendai.ismedia.jp

マイナンバーが実際に流出していなくても、「マイナンバー」という言葉を使うだけで成立するのが、間接マイナンバー詐欺の怖いところです。

様々な個人情報が紐づいたマイナンバーが流出すれば焦るのは当然。その心理をうまく突いた詐欺といえるでしょう。

2.マイナンバー・スパムメール

URLをクリックすると、マイナンバー取得に必要ですと言って、名前や住所、口座情報などを聞き出すものと考えられます。

差出人名が「クイーン」でなく、URLがもう少し巧妙であれば、疑わずクリックする人も多くなりそうです。

3.「例の件」詐欺

名古屋中警察署は、「マイナンバーのおかげで、例の件が漏えいしてしまった」と言って脅迫を繰り返していた詐欺集団を逮捕した。逮捕されたのは難波舞男(なんばまいお)ら3人。

3人は、市内の医療法人の理事長あてに親展を送りつけて「マイナンバーで、あなたの情報が漏えいしている。ここで書くことはできないが、あなたの『例の件』がすべて発覚している。これが表沙汰になったら、病院経営にも影響がある」と脅迫をした。

被害にあったのは、市内の医療法人の理事長で、警察が把握しているだけで3人あり、それぞれ500万円以上の金額で、合計2000万円に及ぶ。警察はまだ余罪があるとみて調査している。

3人は「医師は世間体を気にするので脅迫しやすかった」と語っているという。

出典 http://www.mynumber-shakaihokenroumushi.com

名古屋の社労士さんが想定した架空の事件ですが、ここで重要なのは、マイナンバーが実際に漏洩していなくても、このような脅しが効果を持ちうるということです。

2016年の制度開始時点では行政分野の利用のみにとどまるマイナンバーですが、2018年からは、診療履歴や口座情報など、幅広い民間分野での利用が検討されています。他人には知られたくない病歴や借金歴、副業など、「例の件」がダダ漏れになってしまう危険性が指摘されており、このような脅しも十分なリアリティを持ちうるのです。

マイナンバーは家族にすら知られてはいけない?

これらの直接・間接マイナンバー詐欺は、プロの犯罪組織だけでなく、実は家族や友人など、身近な人によって行われる可能性があります。先述のアメリカでの詐欺はその好例です。

「アメリカのなりすまし詐欺の被害者の30%以上が、家族や親密な友人、同僚などに騙されているのです。ちょっとしたおカネ欲しさに子供が親の番号を盗んでクレジットカードを作り、借金を膨らませてしまうなんてこともよくあります」

出典 http://gendai.ismedia.jp

普段身近にいる人であれば、マイナンバー以外にも本人に関する情報を多く知っているので、なりすましも容易にできます。「例の件詐欺」なども非常にやりやすいでしょう。マイナンバーは、親しい人や家族の間ですら漏らせない極秘個人情報と言えそうです。

今年の10月から詐欺が本格化する

10月から各世帯へマイナンバーの通知が届くようになれば、間接マイナンバー詐欺が一気に増加するでしょう。2018年以降に民間分野での活用が進めば、直接マイナンバー詐欺も出てくることが予想されます。

将来的には、
「あ、母さん?オレだよオレ。マイナンバー○○○○のタカシだよ」
なんて電話がかかってくるかもしれません。

下の川柳のようなことにならないよう、今から詐欺の手口を学び、マイナンバー導入に備えましょう。

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kawano164 このユーザーの他の記事を見る

既婚アラサー男子。世の中の気になることを、ちょっと違う角度から深掘りしてお届けできたらと思っています。

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