バー・サービスの灰皿交換の先には、奥の深いストーリーが続いているんです

バーでは、お客様の灰皿に吸い殻が2本たまったら交換するようにと教えられました。
ただ、これはあくまでも“原則と”なので、必ずしも常にこれが良いサービスとは限りません。

例えば、ヘビースモーカーだった頃の僕などは、ひっきりなしに灰皿交換に来られると、落ち着かないし逆に気を使いました。

なので、どのサービスが正解とかはなく、唯一あるとすれば、対応可能な範囲内においてお客様が望んでるものが正解ということになります。

また、サービスマンは灰皿交換しつつ、お飲物のグラスが空になってないか、食事が済んで下げて良い皿がないかなど、瞬時に卓上をチェックをします。

不用意にテーブルを覗きこむ不自然さを減らすため、灰皿交換という名目でお客様に接遇するきっかけをつくったりしているのです。

しかし、中には、空いた皿やグラスに目もくれず、灰皿交換だけに神経を注いでいるサービスマンも見かけることがあるけど、もったいないなと思います。

さらには、灰皿交換して戻ってくる途中に、なぜ隣のテーブル、さらにそのまた隣のテーブルまでチェックしながら戻ってこないのかと…。

3人がかりでやってるそのサービス、1人で充分できるってこと、意外に多いんですよ。

そうやって効率悪い動きして自分たちで店を忙しくして回らなくなってテンパって、挙句の果てにクレーム起きての連鎖で、人件費の割りに売上落ちて「もうヤんなっちゃうっ」てパターンですよね。

やめてとめてやめてとめてやめてとめて……!

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勿論、サービス技術には慣れや要領もあるけど、例えば「灰皿交換のついでにこうしたらいいよ」って、ちょっとアドバイスするだけで簡単にレベルアップできるようなことがいくらでもあるんですよ。

そんなの、コスト0円で簡単にできますからね。

そうやってスタッフに“気づくクセ”をつけてあげると、面白いようにお客様のレスポンスが良くなっていくから、感謝されることが増えてスタッフのモチベーションも上がる。
結果、辞める人が減って職場は熟練スタッフの比率が高くなる。

ってことは、それだけ少数精鋭で人件費も抑えられた上にクレームの発生も少なく、結束が強く健全な職場環境がつくられる。

善循環さえ起こしてしまえば、後は店長が遊んでても勝手にうまく回転していきます。

その回転がさらに加速していく頃には、肩の力が抜けた居心地の良い空間を創りだせています。

お客様にとっても、そしてスタッフにとってもね。車のギアや自然の法則と一緒ですよね。回転が速くなると軽~く楽~になっていくんですよ。

サービスってほんとは楽で楽しいもののはずなんですよ。そんなにギスギス、あくせくしなくっていい。 そういう手ごたえが常に実感できている環境では、スタッフに余裕と向上心がどんどん生まれ、もっといいサービスができないか、勝手に自分たちで考えるようになっています。

次はどうやってお客様をアッといわせて喜ばせようかと、ワクワクしてくるんですね。
たかが灰皿交換から、ここまで広げることができる。

ちょっとしたバタフライ・エフェクトです

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バタフライ・エフェクトとは、予測可能性:ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?に由来する。

最初はあんなに事務的だった“たかが灰皿交換”さえも洗練され創意工夫されてくるのです。灰皿交換のときに、テーブル観察ももちろんですが、例えばお客様のタバコの銘柄と箱の中まで見れるようになります。

一瞥してあらかじめタバコの残数を大まかに数えておいて、後々の吸い殻と引き算して残り3本あたりになったかなという頃に「そろそろタバコ買ってまいりましょうか?」と、お声かけができます。

まあ、これが気が利くとか良いサービスとかはわかりませんよ。だって、お客様が望んだものが正解だから。でも、サービスを楽しむゲームセンスはあった方がいいです。

たかが灰皿交換でさえ、売上やホスピタリティに繋げることができるって、ちょっと面白くないですか?何が正しくて何がダメなさービスか、頭で考えるより、どんなサービスが楽しめるかをどんどんアウトプットしていく…。

そうやって楽しみながらサービスを創造していった方が、色んなバタフライエフェクトが起きてくると思います。

今まで事務的にこなしていたそのサービス、ちょっとより道しながらじっくりやってみてください。案外と奥が深いですよ。

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Mother Treeの事務局・運営・企画をしています。
マザーツリーでは、「愛される“心”のつくりかた」をコンセプトに、自分の心と身体に向き合う場として、様々なセミナーやワークショップ、イベントを提供しています。

その他、カラダ調律師、フェイスデザイナーとして個人でも活動中。
カラダ調律、フェイスデザインとは、お客様のカラダに負担をかけずに極僅かな力とタッチで、数値ではなく見た目の『形』そのものを劇的に、また瞬間的に変化させるこれまでの常識を超えたまったく新しいボディデザインメソッド。
オールハンドで肌に軽く触れるだけで、小顔で美しいフェイスラインを創りあげる『フェイスデザイン』や、カラダの可動域をひろげ疲れや痛みをケアします。

現在、年内書籍出版に向け執筆中

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