記事提供:カラパイア

2015年8月15日、ニューヨークタイムズが、アマゾンの劣悪な職場環境を暴露した。“勝者がすべてを得る”文化であるこの職場の裏で、従業員は互いに汚い手を使って相手を負かすようけしかけられていることがわかった。

懲罰的な酷使のせいで、従業員はガンになったり、流産したりすることもある。悪魔のような会社の歯車に、打ちのめされて、ぼろぼろになって捨てられる。元従業員がホームレスになったほうがましと言うのも不思議ではない。

従業員の扱いがひどい企業はアマゾンに限らない。ここでは従業員の扱いがひどいと指摘されている10の世界的企業を見ていくことにしよう。

10. ファミリーダラー(アメリカの百均ショップ)サービス残業に過酷な労働

大不況以来、ファミリーダラー、ダラージェネラル、ダラーツリーなど、1ドルショップが爆発的に増えた。どうしてこんなに低価格でビジネスが成り立つのか?それは従業員を酷使してしているからだ。

1938年の公正労働基準法以来、企業は時間給従業員にきちんと時給を支払い、残業したら、その半分を払わなくてはならなくなった。その結果、1ドルストアに限らず、ほとんどの企業が従業員の労働時間を週40時間に制限せざるをえなくなった。

対策として、正社員を管理職に昇進させて、固定給料を支払う代わりに、長時間働かせてこき使い、結局は昇進前となにも変わらない状況に陥らせることにしたのだ。

責任が重くなるばかりか管理職とは名ばかりで、実際は重労働を課せられ、労働時間も長くなった。2013年、14人のファミリーダラーの“管理職”たちが、床磨きや荷物の棚上げ作業を残業代なしで週60時間以上やらされたとして、会社を訴えた。

ある原告は、週のうち3日は店で睡眠をとることを余儀なくされ、指をざっくり切ってしまったのに、自分のシフト時間が終わるまで治療することを許されなかった原告もいた。

万引きにはあくまで立ち向かえというファミリーダラーの方針もショッキングだ。必然的に従業員に身の危険が及ぶことになるが、万引き犯とやりあって負傷したある従業員が、もう重労働はできないからという理由で契約を打ち切られた例もあった。

9. ターゲット(米大手スーパーマーケットチェーン)徹底的な労働組合つぶしに洗脳

リベラル派の間では概ね評判がいい会社で、世界でもっとも道徳的な会社のひとつと宣伝し、親しみやすく、迅速で、楽しい企業ということになっている。これはあくまで、あなたがこの会社の組合員でなければの話だ。

この5年間、ターゲット・コーポレーションは、たびたび非合法な手を使って、従業員を組合に加入させないよう仕向けてきた。全店で、従業員は強制的に研修と称したアンチ組合の宣伝を見させられる。さらに、組合委員に対する密かな脅しが続くこともある。

ニューヨークのバリーストリームにある店では、組合加入の是非を問う投票が行われようとしていたが、ターゲットはここを7ヶ月も封鎖し、従業員を無給のまま停職にした。

店のリニューアルのためというのが会社の言い分だったが、組合びいきの従業員を解雇する都合のいい言い訳として閉鎖したと言われている。組合投票の前には、管理職たちが従業員に対して非合法な脅しや尋問を行っていたこともわかった。

8. マイクロソフト(米大手コンピューター会社)裏切り、密告、陰険な中傷でむしばまれた企業

従業員全員を最高から最悪までランクづけし、最悪を排除するという、スタック・ランキングシステムがマイクロソフトを崩壊に追いやるところだった。

このシステムは、一番成績が悪いとランクづけされた従業員は解雇され、最高ランクの従業員には法外に高い報酬が与えらえる。過酷なようだが、役に立たない従業員を排除するには効果的だ。

だが、実際には、この制度のおかげでマイクロソフトは、陰口や激しい社内競争が渦巻くパラノイアの巣窟になってしまった。この制度の問題は、微妙な評価を許さないことだ。

あなたの評価は、平均以上、平均、解雇寸前のどれかしかない。それほど、“優秀”でもない人は、即解雇ということになってしまう。しかも、人事評価は管理職の主観で行われるため、クビにならないためには、水面下で常に同僚たちをおとしめるしかない。

マイクロソフト社内では、この制度のおかげで多くの従業員が実際の業務よりもストレスにさらされ、嫌気がさして会社を去った。その証拠に、マイクロソフトは2013年にこの制度を廃止した。

7. H&M(スウェーデンのファストファッションアパレルメーカー)搾取的労働に不当解雇

多くの企業がその労働力を安価な国から調達している。これはその国を経済的に潤わせ、仕事の場を提供するという利点がある。だがその一方で、大手服飾メーカーのH&Mの場合、子供たちが劣悪な環境で働かされる結果になっている。

今年始め、ヒューマン・ライツ・ウォッチが、H&MやGAPが使っているカンボジアの縫製工場を査察し、3分の1近くの工場が違法に子どもたちを働かせていることがわかった。大勢が突発的に失神したりすることは日常茶飯事。

より良い給料を求めて、月にたったの160ドルの給料を要求して従業員たちが騒ぎ、政府が暴力で集会を鎮圧したこともあり、とても子供がいられるような場所ではない。

H&Mは、危険な搾取工場に仕事を外注して服を作ってきた。2010年、彼らが使っているバングラディシュの工場が全焼し、21人が死んだ。

工場建屋の火災安全装置が肝心なときに役に立たなかったせいと考えられたが、火事の数ヶ月前、H&Mはこの工場にはなにも問題はないという監査報告書を出していた。

6. ユーロディズニー(フランス、パリにあるディズニーランド)異常なほど高い事故率

2003年、パリのディスニーランドの従業員が職場を毛嫌いしているという噂が表面化した。それから数年後、事態はますます悪くなった。

2010年の報告によると、ユーロディズニーは、自殺、嫌がらせ、恐ろしいほど高い事故率でどうしようもなく分裂した企業だということが示されたのだ。

記事によると、チケット売りからグーフィやドナルドに扮した人に至るまですべての従業員が週6日勤務が義務づけられていて、たとえ高度なスキルを要求される仕事でも給与は最低賃金ぎりぎり、嫌がらせも横行しているという。

しかし、これは序の口で、異常なほど高い事故発生率にはかなわない。パリのディズニーランドは、年間1500件の労災事故にみまわれている。ざっと従業員10人にひとりが被害にあっている割合だ。

これは建設現場の事故よりも多く、労災発生率で悪名高い職場ということになる。

ユーロディズニーは、職場状況の改善を約束したが、それでも悲惨な事故報道はなくならなかった。2013年12月には、ひとりの従業員が園内でガソリンをかぶって火をつけ、自殺しようとした。

5. ウォルマート(米大手スーパーマーケットチェーン)頭打ちの賃金、食糧切符頼み

ウォルマートはアメリカでよくたたかれる企業だ。質の悪い商品を売り、ほかの同業者を業界から追い落とし、環境保護局(EPA)によって環境犯罪で有罪を言い渡され、さらに、従業員にはわずかな給料しか払わずに莫大な税金逃れをしていると言われている。

長年、ウォルマートのビジネスモデルは、従業員にできるだけ給料を払わないということだった。2013年、従業員が年間2万5000ドル以上の賃金を要求して大規模なデモを起こした。

同じ年、下院によってウォルマート1店舗で、低賃金を理由にした食糧切符(低所得者向けに政府が発行する食券)や公的支援などのコストで年間100万ドルがかかっていることがわかった。ウォルマートは全米で5000店舗もあるため、深刻な問題になり始めている。

幸いなことに、この会社に深く根差した低賃金指向の文化は、変わりつつある。2015年、ウォルマートは10万人分の従業員の賃金を突然上げた。

それでもまだ、世間の最低水準には及ばないが、正しい方向に踏み出したことは確かだ。にもかかわらず、この動きは賃上げを逃して退職した元従業員を怒らせた。

4. メリルリンチ(米大手金融機関)新人を奴隷のように働かせる

多くの人が高給の仕事に就く夢を抱いている。銀行家たちはマスコミでたたかれているにもかかわらず、投資の先導者は途方もない報酬を得て、その生活は、エネルギッシュで華々しい。

しかし、この業界に足を踏み入れるのなら、それなりの覚悟をするべきだろう。銀行はどうやら力の限りを尽くして、新人を神経衰弱にするためにあらゆることを行っているようだからだ。

これは、極端なダーウィン的クレイジーな生き残り文化の考え方だ。ロンドンのシティでは、新人はいじめを受けながら一日16~20時間働き、精神的にボロボロになっていく。

9時~5時勤務というと聞こえはいいが、朝9時から仕事を始めて、翌朝の5時に仕事を終えるケースもある。タクシードライバーたちは、こんな徹夜組を家に送り、そのまま待っていてシャワーを浴びて着替えた彼らをまた職場に送るという話もあるという。

その最たる企業がメリルリンチだ。2013年、21時間労働を3日続けた新人が死んだのだ。死因は癲癇だったが、検死官は過労が致命的な発作の引き金になったことに注目した。病気が銀行業務と結びついた例はこれが初めてではない。

2012年、南カリフォルニア大学の研究者が、24人の新人投資銀行家の生活に10年間密着した結果を発表した。例外なく、全員に深刻なストレス系の疾病が進んでいたという。

3. アップル(米大手コンピューター会社)危険な環境で働く海外工場の子どもたち

アップルは米国内ではブラック企業として有名だ。2013年にこの会社の病んだ体質が明るみとなったが、事態はさらに悪くなっている。

2014年12月、BBCの覆面調査で、アップル製品を外注している中国の工場の従業員がとんでもない環境で働いていることが判明した。従業員たちは週60時間の労働を強要され、18日連続で休憩もなしで働かされることもあったという。

夜のシフトも断れず、どんなに疲れていても仕事中は腰を下ろしてもいけない。寝泊りする寮は過密状態で、ほとんど眠れないという。

出典 YouTube

アップル側は倫理的な方法で錫鉱石を調達していると言っているが、さらに調べると、インドネシアの鉱山工場の劣悪で危険な環境で、子どもたちが働いていることがわかった。

地滑りや山崩れでたびたび死亡事故が起こり、12歳くらいの子どもたちは恐怖に怯えながら暮らしている。アップルは、現場での変革を推進させるために、これらの鉱山から鉱石を買っていただけだとコメントしたそうだ。

2. シアーズ(米中流階級向けデパート)火災と虐待の搾取工場

百貨店のシアーズは、賃金の安い海外工場の労働力を使っているが、2012年末、商品を外注しているバングラディシュ工場で火災が起き、112人が死んだことが明るみに出た。

さらにさかのぼること2003年、シアーズとJCペニーが外注しているサモアの工場で劣悪な労働環境が発覚した。

ベトナム人や中国人がほとんどの労働者たちは、借金のかたに工場に連れてこられ、給料はカットされ、9ヶ月働いて500ドル(月給6500円程度)しか受け取ることができない。

食事も貧しく、251人の労働者が一食わずか1キロのチキンを分け合って生きて行かなくてはならない。労働者が文句を言うと、管理職は電力を切り、危険なレベルまで温度を上げる。

さらに悪いことに、労働者たちをおとなしくさせるために、習慣的に虐待が行なわれていたことがわかった。2000年11月、工場長が従業員の取り締まり方を正当化するために、ベトナム人女性の針子を見せしめにした。

彼女は仕事場から同僚たちの前に引きずってこられて、プラスチックのパイプで目をえぐり取られたのだ。こうしたことが暴露されたとき、JCペニーは関係者に金銭的な埋め合わせをすると発表したが、シアーズは一銭も払おうとしなかった。

1. D.J.ホートン(イギリス鶏肉会社)現代の奴隷商人

2015年8月、ダリル・ホートンとジャックリーン・ジャッジは、現代の奴隷売買犯罪でイギリス史上初めて法廷に引き出された人間となった。チキンを扱う会社のオーナーとして、ふたりは不潔と恐怖にまみれた軽蔑すべき帝国を統括していた。

彼らの筆頭元締め、エディカス・マンケヴィシャスが、借金を抱えてイギリスにやってきたリトアニア人を雇った。

こうした担保つきの労働者は、ローンを返すためにかなりの低賃金で働かなくてはならないが、賃金が安すぎて返済ができず、実質奴隷のようにならざるをえない。

こうした労働者たちは、シラミがわくような劣悪な宿舎に押し込められ、飢えと暴力に苛まれ、闘犬に脅かされていた。

仕事はさらに悪い。シーズン中は、何千羽もいるチキンを素手でケージの中に追い込まなくてはならない。マンケヴィシャスの監督のもと、労働者たちは最低賃金をはるかに下回った給金で何週間も働かされ、風呂や着替え、食事の時間はないに等しい。

寝るのは、次の仕事場へ向かうバンの中だけ。怪我をしてもなにも手当もしてもらえず、肋骨を折ったある男は、治療を拒否され、呼吸がおかしいいことに気づいて自分で救急車を呼んだという。

非番のときも、労働者たちは激しい心理的・肉体的脅威にさらされる。なんの理由もなく殴られ、コーヒーカップを洗うのを忘れたというだけで、わずかな給料が減らされた。拷問すれすれの虐待が、イギリスの静かなケントの片田舎で起きていたのだ。

出典 YouTube

警察が介入したが、マンケヴィシャスはリトアニアに逃亡し、ダリルとジャックリーンも罰せられることはなかった。この事件が発覚したとき、地元のメディアがふたりを被害者として扱ってしまったのだ。

下劣極まりない恐怖の王国で苦しみをなめた現代の奴隷たちは、残念ながらいまだに一銭も賠償金を払ってもらっていない。

出典:listverse

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