【1】オリンピックのエンブレム盗作疑惑

2020年に開催予定の「東京オリンピック」について、大騒ぎになっている事を知らない方は少ないだろう。例の「エンブレム盗作問題」だ。
佐野研二郎氏という多摩美大卒・博報堂出身のデザイナーが、盗作では?と思われるデザインを多数発表し、その中に五輪エンブレムも含まれている…とされる問題だ。外国でも取り上げられ、物議を醸している。

組織委員会が開いた会見に佐野氏が出てこない、その会見の内容も不評である、不透明な選考委員会が存続している、身内で固めた談合とも取れる流れがある、誰も責任を取ろうとしていない…等々の多数の疑惑・問題が存在し、解決の見通しはハッキリしない。
また、税金などを使用し、既に印刷物を作成してしまったという事例もあり、金銭的な問題も浮上している。

しかし、上記の問題とは趣を異にした、「不運にも、事故に巻き込まれた」という表現しか思いつかない、とても気の毒な会社がある。


【2】風評被害を喰らった会社

上記ページによると「佐野氏の会社設立より2年以上も前に、既に存在していた」という事らしい。後から設立した会社の騒ぎに巻き込まれるとは、何とも気の毒な話だ。仕事に関係無い電話等、悪質なイタズラは止めて欲しいと思う。

しかし、ここまで名前がソックリだと、何かあった時に誤解を産みかねないだろう。それは、設立前に推測できる事だ。なのに佐野氏は、なぜ会社を設立できたのだろうか?




【3】法律では、許される事が多い

結論を先に言うと、商号の登記(会社名などを役所に届け出ること)に関する制限は、かなり緩いものである…というところだろうか。

これまで、商業登記制度については、紛らわしい商号(会社の名称)を排斥するため、同一市町村において他人が登記した商号について、同種の営業について登記することが禁止されていました(類似商号規制)。しかし、この規制は、企業活動の広域化につれ、その合理性が低下していると指摘されていました。また、「同種の営業」を登記事項である「会社の目的」で判断していたため、登記実務において語句の使用が厳格で審査に時間と手間がかかると指摘されていました。
 新会社法では、類似商号規制を廃止するとともに、「会社の目的」の柔軟な記載が認められます。

出典 http://www.chusho.meti.go.jp

中小企業庁のHPより。かつては「紛らわしい会社名」などは規制の対象だったが、法律が変更され、かつての規制は無くなった。

既存の他の会社と商号及び本店の所在場所を同一とする内容の設立の登記は,することができません(商業登記法(昭和38年法律第125号)第27条)。例えば,「ホウム株式会社」と「ホウム合資会社」,あるいは「ホウム株式会社」と「株式会社ホウム」は,同一の商号には当たりませんので,上記の制限は受けません。
 同一の商号の他の会社が存在するかどうかは,管轄の法務局に設置されている商号調査端末等によって調査することができます。

出典 http://www.moj.go.jp

こちらは、法務省HPより。全く同じものはNGだが、それ以外はかなり緩いと読める。(強調は作者によるもの)

会社法では,類似商号の禁止制度が廃止されましたので,商号と本店の所在地とがともに同一でなければ,商号が既存の会社と同一又は類似のものであっても,登記することが可能です。
 ただし,不正の目的をもって,他の会社と誤認させる商号を使用することは禁止されています(会社法第8条)。

出典 http://www.moj.go.jp

これも法務省HPより。この記述からも、会社名を登記する際の制限は緩いと読める。しかし、何でもOKというワケでは無いですよ…という事が分かる。

筆者なりに上記内容をザックリ纏めると、(1)かなり似ていても、全く同じでなければ、基本的にはOK。(2)しかし、何でもOKという事ではなく、不正目的や、法律で禁じられているモノ等はNG。(3)詳しくは、法務局などで検索する事ができるので、応相談。…といったところだろうか。これら以外にもルールは存在するので、これから会社を創ろうと考えている方は、法務局などの専門機関で調査・相談するのが無難だろう。



【4】終わりに

このエンブレム問題は、まだまだ解決しそうに無い。これからも報道が続いていく事だろう。そちらに関しては、注目する人は多いと思う。
しかし、何かする時には、自分で調べてから行動する様にしないと、大阪のミスターデザインさんの様に、風評被害の被害者を生む事になる。筆者自身にも同じ事が言えるので、慎重に動いていきたいと思う。



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