断捨離という言葉が定着し始めてからもう随分経ちます。本や雑誌、ネット記事やテレビ番組に影響されて断捨離の必要性を感じて、クローゼット、靴箱、キッチン、オフィス等々の断捨離に取り組み、身軽になった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

その後、結局また物が増えて元の木阿弥という方もいるかも知れませんが、同時に断捨離でシンプルライフに目覚め、物を増やさないように日々努力しているという方も多いはず。

私自身、必要のないものはほぼ捨ててしまっているため、今は断捨離しようにも、大して出てくるものはありません。

そんな、既に断捨離を行い、シンプルライフを送っているという方に、フランスで流行っている「Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)」についてお伝えしたいと思います。

出典 http://www.zerowastehome.com

ゴミ・ゼロのシンプルライフを送るベア・ジョンソンさん宅

フランスでは近年「Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)」という言葉がよく聞かれるようになっています。社会問題を取り扱うルポルタージュ番組ではもちろんのこと、ドラマの中で登場人物が「私、今ZéroDéchet(ゴミ・ゼロ)やってるから」なんて発言したりするのも聞きました。フランスの流行の一つと言っても過言ではありません。

家庭内でゴミを、極限であるゼロにまで減らすことを意識する人たちが、フランスでは増えてきているのです。

火付け役となったのが、サンフランシスコ在住のフランス人女性ベア・ジョンソンの著作『Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)』です。

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ベア・ジョンソンさんの著作『Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)』

彼女は徹底してゴミにつながるものを家庭内に持ち込まないようにしています。四人家族の彼女の家で排出されるゴミの量(リサイクルゴミを除く)は、なんと年間で1リットルの瓶に収まるほどの量になっています。そのわずかなゴミは、記念品のように、フランスのテレビ番組で何度も紹介されています。それほど驚異的に少ないのです。

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ベア・ジョンソンさんの家族4人が1年間に出したゴミの量

日本でも、スーパーにエコバッグを持参していくのはもはや常識となっています。しかし彼女の場合は、まず量り売りで購入可能なスーパーマーケットを選び、買い物時にはエコバッグのみならず、複数の瓶やらガラス容器、木綿の袋などを持ち込みます。

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野菜や豆を直接袋に入れて購入

彼女は、持参したそれらの容器や袋に直接食材を入れ、パッケージなしで食材を買います。オレンジジュースでもクッキーでも、お肉でさえ包装ゼロで購入します。インタビューでは、パン袋は枕カバーで代用していると言っていました。

そして、例えばホウレン草であれば、わざわざビニール袋に入っているようなものはもちろん論外。また、テープでほうれん草の茎を巻いて売っているだけでも、テープがゴミとなるので買いません。仕方がないからテープが付いていても買う、のではなく、テープが付いているので買わない、という選択をします。

断捨離の「断」とは「入ってくる要らない物を断つ」意味だそうですが、ベア・ジョンソンの場合は、要らない物が付随してくるような物までもを徹底的に断っているのです。

おそらく、本当に買いたかった野菜が、パッケージがついているせいで購入できない、ということもあるでしょう。それでも、それをRefuse(断る)できる意志の強さが、彼女を「Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)」生活の成功へと導いています。

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ベア・ジョンソンさんの食料棚

こういう買い方をしていたら、食費が高くついてかなわないのではないか、と思うかも知れませんが、驚くことに彼女の場合は、「Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)」を始めたことで、40パーセントの節約につながったと、その著作の中で述べています。必要な物のみを買うようになって、無駄が出なくなったのでしょう。

ベア・ジョンソンの住むサンフランシスコは2020年までにゼロ・ウェイスト(ゴミ・ゼロ)を達成することを目標に、街全体でゴミ削減に取り組んでいます。袋や容器を持ち込みできるスーパーの存在も、サンフランシスコならでは、という背景があるかと思います。

それでは、日本では彼女のように、食材のパッケージを減らすということは不可能なのでしょうか。

実際問題、日本のスーパーマーケットは、基本的に全てが包装済、しかもその多くが過剰包装で、その包装を断ることが非常に難しい場所かと思います。

私は、「Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)」を目指す方には、野菜や肉・魚だけでも、大手のスーパーではなく、地域の商店街の八百屋さん、お肉屋さん、お魚屋さんへ行くことをお勧めしています。お豆腐屋さんもいいですね。そこでお店の人と顔見知りになって、買うのがコツだと思います。

直接「これとあれを下さい」と言って買える八百屋さんやお肉屋さんでは、未包装のことも多いですし、包装が要らないということも言いやすいのです。お店の人と仲良くなって、次回は容器持参で来ても良いかどうかを話してみてはいかがでしょうか。

シンプルライフを更に追求してみたい、という方であれば、ちょっとした買い物の仕方でゴミが減らせることを、楽しいと感じてもらえるのではないかと思います。

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商店街の人と仲良くなれば、包装は避けられる!?

国は違いますが、私もフランスで、サンフランシスコのようなシステムのお店は近くになく、スーパーに持参の容器を持ち込む勇気はありませんでした。その代わりに、近所のマルシェ(市場)を活用しています。

マルシェは個人同士のやりとりなので、「あ、袋いらないの」を繰り返し、ビニール袋などをもらわないように気を付けることができますし、卵パックを持っていけば卵をそこに入れてくれます。時には「あら、あなたもZéro Déchet(ゴミ・ゼロ)の番組見たの?」などと言って、更なる情報を頂けることもあります。

スーパーで買い物をする時にも、できる限り包装のないもの、あるいは最低限の包装がされているものを確認するようになって、家庭のゴミも驚くほど減ってきました。

なかなかゴミ・ゼロまで持っていくことは難しいですが、ゴミの量は配慮さえすればどんどん減っていきます。環境にも優しいですが、何より、精神的に気持ちの良いことです。

フランスではテレビやブログなどで、ゴミ・ゼロ生活が多く紹介されています。
断捨離に成功したという方、是非「Zéro Déchet(ゴミ・ゼロ)」生活で、更に無駄の省かれた生活を過ごしてみませんか。

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フランス在住。美味しい物、オーガニック商品、エコ製品が大好きです。

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