自分の子供のことを完璧にコントロールできればどんなに子育ては楽だろう。そして子供の考えていること、行動を予測できれば楽勝だ。しかしこの世にそんな楽な子育てはあるわけがない。我が子であっても、その言動に深く悩んでいる親もたくさんいる。そして毎日、子供に愛を持って対応していかねばならないのだ。それが親なのだから。

しかし、社会は時に冷たい。子供への理解と知識がない人達が一旦子供が愚図る場面に遭遇すれば「迷惑」としか思わない。そしてどういう事情でそうなっているのかもわかろうとせずに文句を言う。自分がまるで子供だった時がなかったかのように。

少し遠くから見て、「大変だな」ぐらいにしか感じないという人もいるだろう。社会では多分そういう人が大多数だ。だが、サラは家族でロンドンへの日帰り旅行をした帰りにある男性にひどい言葉を投げかけられたのだ。

サラ(28歳)は夫ベン(29歳)と3人の子供達とロンドンで楽しい1日を過ごした。子供を持っている筆者はじゅうぶん理解できる。ロンドンといえば大都市、どこへ行っても人込みで溢れている。楽しく1日を過ごしても帰りは大人でもクタクタになる。

それが小さい子供なら尚更だろう。公衆の面前で子供が愚図ることなど日常的だ。子供は疲れたら場所や時間を選ばない。別に周りに協力しろとは言わないが、周りの人のほんの少しの理解で親も救われる時があるのだ。

サラ一家はカフェで休憩していた。子供達が疲れているのはわかっていた。8歳のセオは一か所をぐるぐると回っていて、4歳のカイは床に座り込んで動こうとしなかった。どちらも誰かに危害を加える行動ではない。親としても疲れていた子供達をたしなめもしただろう。

しかし、カフェにいた50代の男がサラに向かって「おい!母親ならその変なガキを何とかしろ!」と怒鳴ったのだ。サラはすかさず「私の子供は変な子じゃないわ、自閉症なだけよ。疲れたからこういう態度なだけです!」大きなお世話にも関わらず、男は虐待とも言える言葉を浴びせ続けた。

サラは子供達の前で男が口汚く罵るのが我慢ならなかった

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「母親として全くなってない女だな!」男はそう叫んだ。サラは怒りと情けなさで涙が出た。すると男の妻らしき女性が現れ、男の言動を詫び言った。「この人、ちょっと足に連鎖球菌の病気があって、とても痛むの。」

サラは「だから何だというのだ。そんなのは言いわけに過ぎないではないか。」と思ったという。確かにその通りだ。自分の体が痛めば周りに当たり散らすのなど大人のくせに子供以下だ。

サラはこの経験を自閉症の子供を持つ親たちとシェアしたいと思い、今回メディアで語ることにした。自閉症の子供を持っていなくても、子供を持つ親ならきっと誰もが理解できる状況だ。カフェで半時間ほど一緒の空間にいたぐらいで、周りはサラの子供が自閉症なのかわかる由もないだろう。しかし大人ならもう少し理解があっていいのでは、と思うのだ。

社会はもっと理解を深めるべき

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筆者も車内で相当不快な思いをしたことがある。満員電車の中で、隣に座っていた大学生らしき女に、息子の足を引っ叩かれ、その後に「足が当たってるんですけど!」と文句を言われた。すぐに謝った筆者に対しその女は「さっきから足が当たってたんだけど。何回も!親なら注意するべきでしょう!?」と喰ってかかられた。

電車の座席で、息子の足が当たりそうになったことに気付いた時は必ず筆者は気をつけるようにしていた。通路側に息子の足を出せば、通る人達に迷惑だ。だから膝の上で真っ直ぐ座らせていた。ただ、知らずに当たってしまっていたのだろう。しかし満員電車だ。「仕方ない」と思える器の深さはないのか。筆者はムキになって怒る若い女に「あなたも子供ができればわかるでしょうよ。」と言った。

するとその女性は「子供なんか大嫌い!汚いし。私は子供なんか絶対欲しくないし母親になりません!」と言い返してきたのだ。それならそれでいいだろう、子供が嫌いなら別に女性だからって子供を持つ必要などどこにもない。しかし、それを口にすることが幼稚だし、周りの目もあるというのに女は筆者の息子の足を叩いてから文句を言ったのだ。これは虐待ではないだろうか。

面倒くさいので筆者は別に大ごとにはしなかったが、気に入らなければ普通に注意すればいいのだ。手を出すということは犯罪につながる。そしてサラが出会った男も同じだ。自分が子供だった頃のことを忘れてるのはいいが、もうすこし理解を示したらどうなのだと思う。

世の中確かに色んな人がいるが…

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わざわざ事を荒立てるほどのことでもないのに、こうやって大ごとにする人もいるのだ。しかも筆者が言い返したのが頭に来たのか、罵り始めたのだ。器の小ささが丸見えで非常にみっともない。やり取りを見ていた人達はみな、知らん顔をしていたが「大変ね~。」という視線を筆者に送ってきた。

自分の心根がどうあるかというのは、こういう時に非常によく現れる。この世の終わりのような怒り方をして、たかが子供なのにいちいち文句を言わないと気が済まない、しかもその文句も簡潔ではなく、ダラダラ言う人もいる。

公衆では、我が子の行動に気を付けるのは親として当然のことだ。しかし、自閉症の子供を持っている親でも、自閉症じゃない子供の親でも、日々子育てと葛藤しているのだ。周りから見て明らかに「これはダメだろ」という親もいる。そして実際に自分に迷惑がかかれば冷静にポイントを指摘するぐらいの大人でありたいと筆者は思っている。

少なくともサラの様に、全くの赤の他人に母親としてなってない、など言われる筋合いもない。筆者が出会った女や、この男のように自分本位の人間はどこにでもいるが知的な人間とは思えない。

人に「恥ずかしい親だ」と罵る前に、自分の口汚さや言動を見直すべきではないだろうか。そしてそんな恥ずかしい人間にだけはなりたくないと、いつも自分に言い聞かせているのである。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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