この可愛く美しい花の咲く鉢には、たくさんの命が詰まっています。この鉢植えの中の土に入っているのは、殺処分された動物達の遺骨。動物達の遺骨を細かく砕き、肥料として土に混ぜ、新しい命である花を咲かせる、そうする事で「もっと長く生きたかった」という思いを叶えてあげたいという気持ちで行われています。そして、この花が枯れた後には、土に還してあげる事ができる…殺処分の事を知った高校生達が、自ら考え行動し、今も後輩達に受け継がれて行われている「命の花プロジェクト」です。

愛護センターへの見学がきっかけだった

青森県立三本木農業高の動物科学科の生徒達が行っているこのプロジェクト、始めるきっかけになったのは、2012年の青森県動物愛護センターへの見学だったそうです。

ガラス張りの建物で、思いのほか明るい雰囲気の場所だ。広大なドッグランがあり、動物とのふれあいを楽しむプログラムも用意されている。かわいらしい犬や猫が展示され、引き取りを希望する人には講習会などを受けてもらった上で譲渡する。手数料は1頭3千円。

出典 http://www.huffingtonpost.jp

 だがそこから車で10分ほどの山の中にある「管理施設」は一転、門に閉ざされ、ひっそりと建っている。
 中に入るとすぐ、動物たちの声が聞こえてくる。奇声、悲鳴、叫び声。死が迫っていることを察知しているのか、助けてくれ!と訴えるような鳴き声が耳から離れない。おりのすみでは小さなチワワが震えていた。

出典 http://www.huffingtonpost.jp

殺処分された動物の骨が事業廃棄物になるなんて・・

青森県では、年間2,000頭以上の犬や猫の殺処分が行われています。生徒達が見学に行ったその日も、殺処分は行われていました。

殺処分されてゆく動物達の姿を見る事はもちろん、殺処分された動物たちの骨の入った袋が積み上げられ、事業廃棄物として処分されるという現実に、生徒達は大きなショックを受けました。

「人間の骨はお墓に入れてもらえるが、動物の骨はゴミとして扱われるのだそうだ。そのことをその時初めて知り、自然に涙が浮かんできた。『知らなかった。こんなに骨が細いなんて。知らなかった。骨がゴミになるなんて』高校生だからできる精一杯のことを、何かしなくては! と思った」

出典 http://www.amazon.co.jp

高校生の自分たちにも何かできることはないか。そう考えた生徒が発案したのが、骨を土に混ぜ、花を咲かせるというものだった。花を多くの人に届けることで、殺処分のことを広めることができる。ごみになって終わるのではなく、植物になってもう一度生まれ変わることができる、と考えた。

出典 http://www.huffingtonpost.jp

「骨をごみにしたくない。単純にその思いだけで始まりました」

出典 http://toyokeizai.net

「骨をごみにしたくない」

「みなさん、犬の骨で花を育てるなんて、たぶん、ビックリされたと思います。
でも、私たちは、骨を砕くという作業を、涙を流しながら行ないました。
辛くて、悔しくてたまりませんでした。
でもいちばん苦しんだのは、処分されたペットたちです。
だから……、殺処分の現状を何とかつたえたいと思って、骨を砕きました」

出典 https://www.youtube.com

引き取った遺骨にレンガを叩きつけて細かくしてゆく作業は、このプロジェクトの中でも一番辛い作業だといいます。それでも、れんがで細かく砕くという事を選択したのには、生徒達の強い気持ちがあるのです。

「機械だとかわいそうだということで、たどり着いたのがれんがだった」と日野沢教諭は振り返る。

出典 http://www.sankei.com

ごめんね、つらかっったよねと言いながら・・・

骨を砕くことに対しては 痛い思いがして「ごめんね・・・つらかったよね。また、痛い思いをさせてごめんね」と 涙をこぼしながら 骨を細かく 砕いたのでした。

出典 http://ameblo.jp

遺骨の中からは、燃え残った鑑札や、首輪やリードの金具などが出てきて、その動物達が誰かの家族だった事を思い出させます。

辛い気持ちを抑えながらも、細かく、細かく、遺骨を砕いてゆきます。

丁寧に砕いた遺骨を新しい命に代えて

完全に遺骨が粉状になったら、これを肥料として土に混ぜ、花を植えます。そうして咲いた花を、生徒達は殺処分の現実を知ってもらうために、地元の人たちに配っているのです。

しかし、当初は「動物の骨が入っているのは気持ちが悪い」「教育現場としてはいかがなものか」など、少なからず批判があった。それでも、殺処分を少しでも減らすために、自分たちができることをやろうと決意に揺るぎはなかった。生徒たちの命と向き合う真摯(しんし)な姿勢が次第に地域などにも受け入れられていった。

出典 http://www.sankei.com

この活動で、青森県の殺処分数は少しづつ減少傾向にあるといいます。

SNSの普及などで、今まで知る機会のなかった殺処分の事や、パピーミル(劣悪な環境で強制的に子供を産ませ続ける悪質なブリーダー)の問題など、我々が知る事ができる様になり、問題意識を持っている人も多いでしょう。

しかし残念ながら、ペットショップで買わず保護動物の里親になるというだけで、殺処分が0になるわけではありません。もちろんそれは大変素晴らしい選択肢ですが、悲しい事に里親になった人が「やっぱり無理」といって保護団体に戻してきたり、引き取ったペットを保健所に持ち込んだりという事例は、決して少なくはないのです。

助ける人もいれば、捨てる人もいる

そしてあまり広まっていないけれど、殺処分されている動物の大部分は、飼い主自身の持ち込みであるという現実もあるのです。
保健所に持ち込む理由の中には「予想よりも大きくなってしまった」「懐かない」「散歩が面倒」「外に出してたら子供を産んでしまった」「旅行に行くから」「妊娠した」「凶暴で噛む」「引っ越し先がペット禁止」など、人間の身勝手なものが多数あります。どれも、動物達が命を絶たれても良い理由にはなりません。

新しく家族を迎えるという事、その命に最後まで責任を持つという事、動物と暮らすというのはそういう事なのです。しかし、動物と暮らす一人一人の意識を変えてゆく事が殺処分0に繋がってゆくとはいえ、動物と暮らす飼い主や、これから飼おうという人々にそれを伝える事は、なかなか簡単ではありません。このプロジェクトは、そんな一人一人へ思いを届ける事ができる、素晴らしいプロジェクトなのではないでしょうか。

「もし飼い主が最後まで彼らを愛し最後まで面倒を見てくれていたらこんな施設いらないんです。こんな施設無駄なんです。だから皆さんこうなる前に、皆さんに何が出来るか考えてください。」(職員さんの言葉)

愛玩動物研究室の1人の女子生徒が言った。
殺処分は減ってもまた捨てる人がいる。助ける人もいれば、捨てる人もいる。動物を飼うということはどういうことなのか飼い主に意識してほしい。
この言葉にすべてが凝縮されている。

出典 http://kininaruuwasa.blog.so-net.ne.jp

出典 YouTube

「命の花」に関して、譲っていただきたい、欲しい、どこで売っているのですかなどの問合せが多数あります。命の花プロジェクトは私たちの活動にご理解いただき、鉢上げなど一緒に活動した人にお分けしております。販売や譲渡は目的ではありませんので、ご理解のほどよろしくお願いします。

出典 http://www.sanbongi-ah.asn.ed.jp

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