誰が解決できる!?イタリアの移民問題。

今でも毎日、数百人単位でアフリカより移民が違法船で押し寄せてきているイタリア。

2015年4月に起きたイタリア領最南端のランペドゥーサ島沖の移民船沈没事故では800人以上もの尊い命が失われ、国際的にも大きく取り上げられたので記憶に残っている方も多いかもしれません。

出典 http://www.gettyimages.co.jp

意外と近い、イタリア領最南端の島ランペドゥーザ島とアフリカ大陸。チュニジアの海岸からは113kmという距離です。

劣悪な環境で、安全の為の乗船制限人数は無視、乗れるだけギュウギュウに押し込められて流れてくるため、残念ながら到着までに亡くなってしまったり病気になってしまう移民の数も半端ありません。犯罪組織が船を手配し、移民から多額の金額を巻き上げているという報道もあります。

彼らが故郷を追われた理由は様々なようです。貧困、恐怖政治などが主な原因のようですが、実はイタリアも経済危機が叫ばれ始め長いので、イタリアに来たからと言って、彼らの生活が良くなる保障は全くなく、むしろ、人道的支援の為に彼らを保護してあげる場所すらパンク状態の状況が続いています。また、最近はギリシャにも移民船が漂着するようになりましたが、ギリシャも自国の立て直しで、移民問題を解決するどころではありません。また最近は、この移民船にテロリストが混じって違法入国し、イタリア国内でテロ活動をするのではないか、といった問題も懸念されています。

現在、イタリア政府はシェンゲン条約に基づき、移民を他のユーロ圏内の国々でも受け入れてもらえるように交渉していますが、フランスとの国境などで、移民の入国を拒否する動きがあるため、国境で移民が足止めとなり、テントを張っての寝泊りを強いられている状況が続いています。

「人道支援」とは言え、やはりどの国も正直関わりたくない問題なのでしょう。結局は漂流するイタリアの負担となっているのが現状です。

バングラデッシュ人、A君の体験。

私が通っていた、外国人向けのイタリア語講座で知り合ったバングラデッシュ人のA君。

20歳になったばかりの、まだあどけない表情が残る、とても人懐っこい笑顔が特徴の彼は14歳のときに家を出ます。家族に4人目の子供が生まれたばかりだったそうですが、貧困の為家計は大変苦しく、長男の彼が出稼ぎの為に家を離れることになったそうです。知り合いを訪ね、まずはインドで大工として仕事をした後、ツテを頼ってトルコに不法入国。この不法入国の際、偽の書類や移動手段を手配する犯罪組織にお金を払ったんだと教えてくれました。そしてトルコでしばらく働いた後、「ヨーロッパではいい暮らしができるらしい」と職場の仲間より誘われ、イタリアに船で不法入国したそうです。

イタリアに漂流後、パスポートも所持していなかった為、警察と移民センターとバングラデッシュの領事館のサポートを受けながらイタリア国内でパスポートを発行してもらい、各種の手続きも済ませ、今は移民センターが斡旋してくれたアパートに住み、仕事をしているA君。

先日、町でばったり会ったA君は、仕事が暇になる冬に、今まで働いて少しずつ貯めたお金でバングラデッシュに家族に会いに行こうと思っていると教えてくれました。ちゃんとパスポートを持って飛行機に乗るなんて、生まれて初めての体験だから待ち遠しいよ!と、とても素敵な笑顔で話してくれました。

移民を助けるのか、見放すのか?

2011年に公開された「Terraferma(テッラフェルマ)」という映画をご紹介します。

舞台は南イタリアのランペドゥーザ島に近いリノーザ島という、バカンス客が多く訪れる風光明媚な島。漁師が海に漂流している移民のボートを見つけ、彼らを保護しますが、もちろん彼らは不法入国。目の前で溺れている移民を助けると、法に反してしまいます。違法と言えども、見殺しにしないといけないのか?それとも、海で溺れている者は助けるべきという、海の男としての信念を貫くべきなのか?そんな登場人物の葛藤が、見ている私達にも伝わり、移民問題を深く考えさせられる映画です。

出典 YouTube

先にご紹介したA君は、ただ少しラッキーだっただけかもしれません。

住み慣れた祖国を離れなければいけない、というのは理由が何であれ、とてもつらい決断だと思います。そんな辛い決断をし、生死を賭けて船で流れてきた移民たち。今もイタリアと他国で足止めになっている彼らの今後の人生は、どうなるのでしょうか・・・

「アフリカに近いから」「漂流してきた彼らを保護したんだから」という理由だけでは、もう対処できなくなりつつある移民問題。国際社会が協力し解決すべき問題なのでしょうが、それもなかなか進まないようです。祖国を離れた移民たちが、一刻も早く落ち着いた生活を送れるよう、国境でのテント暮らしから解放される日が来ますように・・・

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