認知症は日本でもイギリスでも世界中で深刻な病気である。認知症が進むと家族の顔も認識できない。家族側も辛くやりきれない介護の日々だ。イギリス、ノーリッチに住むブレンダ(82歳)は重度の認知症を患っており、娘の顔も認識できない。かろうじて夫の存在を認識できるだけだ。

ブレンダは目も見えない。反応もあまりないため家族としては心配だったが、今回アイルランドからひ孫を連れて、孫がブレンダに会いに来た。

「ひいおばあちゃん、はじめまして。ソフィーだよ。」

出典 http://www.mirror.co.uk

目は見えないが知らない人の声や存在を怖がるというブレンダなので、孫家族は初めて会わせるひ孫たち3人へのブレンダの反応が心配だったが、ソフィーはひいおばあちゃんの姿を見るやいなやベッドに走り寄り、歌を歌い出したのだ。

「正直、驚きました。おばあちゃんは初めての人にはこんな態度はとらないのに、ソフィーのことは見えなくてもひ孫とひいおばあちゃんとして繋がっているようです。ほとんどの家族を認識できないから本当に嬉しかったですよ。」ソフィーの母サラは言う。

ひいおばあちゃんを元気づけたひ孫たち

出典 http://www.mirror.co.uk

ブレンダはソフィー達家族がノーリッチに2日間滞在していた間、しょっちゅうソフィーの名前を口にしていたそうだ。ブレンダの娘であるキムは「私の母に娘がしてくれたことは本当に素晴らしいことでした。ひ孫の存在を認識できて、笑顔を見せてくれたんです。」

子供の純粋な魂がひいおばあちゃんの心に届いた

出典 http://www.mirror.co.uk

長年、認知症を患っている患者の介護をするというのは並大抵のことではないと思う。献身的に介護をしても、誰だか覚えていないだけでなく怯えたり、怒ったり、記憶が退行したり、介護する側は相当なストレスだ。しかし、どこかでまだ家族として繋がっているという希望も捨てたくはない。

ソフィーに反応したひいおばあちゃんを見てブレンダの娘、キムは「母とソフィーの間の家族の絆を感じた。」と話している。ソフィーがブレンダの顔を優しくなでながら、歌を歌っている動画がSNSに投稿され、これまで500万回以上再生されたという。

子供は特別なパワーを持っているに違いない

出典 http://www.mirror.co.uk

子供には不思議な能力があるとよく聞く。きっと大人よりも心が純粋な分、特別なパワーで大人も感じることができないことも敏感に感じ取ることができるのだろう。ソフィーが初めて会ったひいおばあちゃんを怖がることなく、愛情たっぷりに接したことで家族だけでなく、SNSを見た知らない人達にも感動を読んだ。

実は筆者の父も認知症とパーキンソン病を患っている。筆者家族が遠く離れた土地にいるため、毎日気が気でないのが正直な気持ちだ。一人で父の介護をしている母も相当なストレスがたまっており、非常に辛い日々を送っている。今度会う時には孫の顔を覚えているだろうか、筆者のこともわかるだろうか、果たしてそれはいつまで続くだろうか、そんな不安を感じずにはいられない。

記憶があやふやでも、顔が見えなくてもソフィーを認識できたブレンダの姿を見た周りの家族の感動は想像以上だっただろうと思われる。ブレンダの健康と介護をしている家族たちへ心からのエールを送りたい。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス