記事提供:Social Trend News

日本の教育現場において性的なことは腫れものを扱うかのように存在しています。保健体育の時間では、教科書上で堅苦しく性教育を施され、ともすれば性的なこと=恥ずかしいことという方程式すら浮かび上がりそうな勢いです。

今回はそんな日本の性教育の在り方に一石を投じるべく立ち上がった一人の男性、麻王(まおう)氏にインタビュー。

麻王氏制作のアニメーション『ムケチン』は、氏の東京藝術大学の卒業制作として作られ、現在はYouTubeなどで見ることができます。

出典 YouTube

男性器を模して作られたかわいいキャラクターたちが、ポチンワールドの中で交流していくシリーズアニメーションで、ところどころ、性教育的要素も含まれています。

可愛らしい音楽と共に軽快に動くムケチンたち、こんな性教育がかつてあったでしょうか!?ムケチンの誕生と今後について、麻王さんに聞きました。

性を愛と笑いで包み込み、狙うはEテレ

―独特な世界観のムケチンですが、ムケチンを制作しようと思ったきっかけについて教えてください!

麻王さん(以下、麻):僕は制作のテーマとして「愛と笑い」というものを掲げています。昔から笑いがどれだけ大切かということを感じていて、一時期はお笑い芸人になりたかったんです。でも、映像制作を通じてでもお笑いは出来るって気付いたんです。

そこから、「性を、愛と笑いで受け止める」というテーマを思いつきました。性は恥ずかしいものではないということを笑いに転換することによって、すんなり受け入れられるようにしたかったんです。

―「愛と笑い」を伝えていくにあたって性をテーマに加えた理由を教えてください!

麻:日本の性教育に疑問を感じていたからです。ムケチンは、大人には笑いで受け入れて欲しいんですけど、子供が見ても可愛くて親しみやすいなって思えるように作っています。

小さい子にとってムケチンの存在が当たり前のものになってくれたら、性のあり方は多種多様で、恥ずかしいことではないということを自然と感じてくれるのではないかと思っています。

最終的にはEテレで流してほしいくらいですからね(笑)。

―実際の子供の反応はどういったものだったのでしょう!?

麻:卒展にあたってムケチンのフィギュアを作ったんですが、子供たちがそれで遊んでくれたのでやっぱり「可愛いなにか」として受け入れてくれてると感じました。アニメーションも楽しんで見てくれていたようです。

麻王さん制作のムケフィギュアたち

フィギュアで遊ぶ子供たち

自分とは違うものを受け入れる

―作品の中には色々なポチンが出てきますが、どんな意図があるんでしょうか?

麻:主人公のムケチン、かむってしまっているカムチン、オカマのカマチン、黒人のクロ、白人のシロなど性の多様性を表しているんですが、それにとどまらず、それぞれの悩みだとか人種のメタファーなども含んでいます。

人間社会含め広い視野で物事を見た時に、「自分とは違うものを受け入れよう」というメッセージを込めていて。そのためには愛で包むことが大切だよねっていうのが僕の考えなんです。またそれがテーマの「愛と笑い」に還っていくわけなんですけどね。

―ムケチンを卒業制作で作られてからしばらく経ちましたが、まだ完結していないんでしょうか?

麻:ムケチンはライフワークとして長期的に作っていきたいと考えています。今は短編集のようになっていますが、大きなストーリーの流れも作っていきたいですし、女性器のキャラクターなども登場予定です。

その中で、新たな悩みが生まれたり、ふれあいが生まれたりと展開していくと楽しいかなと思いますね。

―女性器のキャラクター…気になります!最後に、10年後の目標を教えてください。

麻:やっぱり愛と笑いを伝えていくっていうのが目標なのでそれがどこまで出来ているかっていうところですかね。仕事でも、アホなことをどんどんやっていきたいと思っています。

終始笑顔でインタビューに答えてくださった、そのおおらかなキャラクターは、みんなを笑顔にするエネルギーに満ち溢れていました。

“シモネタっぽいもの”の中に包まれた本質に気づけた時

大人たちは「チンポ」やら「パンチラ」やらと言うと、すぐに怒ったり目を背けたりしていきます。しかし、本当のアーティストはそういう、一瞬シモネタっぽいものの中に、本質を包みこませています。

その、中に包まれたものに気づけた時、私たちの世界は広がるのかもしれません。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス