国立大学附属病院が赤字になった理由

国立大学附属病院の2014年度決算が合算で84億円の赤字になったことが発表されました。主な理由は消費税が5%⇒8%の3%にアップになり、購入物品や設備にかかる税負担の増加によるものとされています。

14年度の診療報酬改定では、この消費税アップを踏まえて外来の初診料、再診料が上げられていましたが、収入の多くを手術や入院で担う大病院ではその恩恵をあまり受けることが出来ず、また購入する物資や設備額も大規模になってしまうため、消費税アップの影響を消化しきれなかったのだ、という言い分です。

病院も何かモノを買えば消費税を払いますが、診察料に消費税は付きませんので払う一方なのだということですね。確かにさもありなむです、が、巷の意見はそう甘くはないようです。

必ずしも努力していないということはないかも知れませんが、医療の収支と医療の質の追求という二つの軸はどうしても相反してしまう面があることは否めません。

医療の品質を高めようとすれば、常に最新機器を導入すべきですし、最先端の医療を提供する為にはやはり研究や学会での学びに時間を取る必要が出てきます。これには当然コストが掛かりますので収益にはマイナスに作用します。また、患者様のことを考えてしっかり診断をしようとすれば外来に時間を要することになり、効率的に沢山の患者様を診るという方向とは逆になりますので、即ちこちらも収益としてはマイナスに振れてしまうわけです。

最高レベルの医療を求められる国立大学病院はこのジレンマと常に戦っているのです。

国立だけの問題じゃない!医療の明日の問題だ!

それでも国立大病院の場合は、赤字は「交付金」で埋めるというウルトラC(古い!)がありますので、簡単には経営破たんしないセーフティ機能が働きますが、私立病院の場合はそうはいきません。事実病院の数は毎年ジリジリと減っており、1987年を1とした場合、2013年は総数として0.85と15%減少しています。対して人口自体は大きく変わっておらず、むしろ高齢化によって患者数は増加の一途を辿っています。

アンバランスは大きくなる一方です。

どうする日本?

単純計算をしましょう。

国立病院の合計で3%の税負担の増加が及ぼしたマイナス影響額は171億円だったそうです。つまり消費税が10%になる1年半後までに経営改革が進まず今のままであったとすれば、他に何の贅沢をしなくても更に114億円の赤字が増え、トータルの赤字は84億円+114億円の198億円、すなわち200億円に膨れ上がることになります。

これを交付金で補てんする、つまり税金を使うことになります。税金を上げたことによるマイナスを税金で埋めると言う、何とも面倒なことをしないとならないわけです。

これは本当に無駄ですから(この還流の為に余計な事務コストが多分数%は出てしまうと思われます)絶対にやめるべきです。いや、やめましょう。

そのために、どうする日本?です。

答えは「病人を減らすこと」、それしかない!

ここに挙げた千葉県・木更津市と神奈川県・横浜市の取り組みは「健康ポイント」という取り組みの例です。つまり病気にならないための「予防行動」に対してポイントを付与して賞品を出そうという試みです。

そもそも自分の健康のことですから、自分で意識して守ってもらわなければ仕方がないのですが、日本には皆保険制度があり誰でも安価で等しく医療を受けることが出来るが故に、病院に行くという垣根がとても低い現状があります。例えばちょっと調子が悪いと言うレベルでも、ドラッグストアで薬を買うよりも、とりあえず病院で診てもらって薬を処方してもらった方が安心だし安いし、という感覚です。これを病院に行かない方が「得」であると頭を切り替えてもらおうというのです。

木更津市の例は各種健康診断を受けたり予防教室に出席するとポイントが貯まり、ポイントを応じて賞品が当たるという仕組み、横浜市の例は歩いた歩数でポイントが貯まり、同じくポイントに応じて商品が当たるという仕組みです。

見ていただければ分かる通り、どちらも募集の告知ひとつをとってもちょっととっつき憎いことと、参加メリットの魅力がもう一歩の感が否めません。

けれども他にも多数の事例が出てきました。

この「健幸ポイント」は展開次第では面白くなりそうに思います。

参加(教室参加等)、努力(交通手段の変更等)、結果(体重減少等)という様々なポイント機会と、何より24,000円分の商品券(ポンタのポイント)というのは相当に参加意欲を高めてくれそうです。

それでもやはりそこは自治体の仕事らしく、各市のホームページに行くと「健幸ポイント」完全に埋もれてしまっており恐らく並みの素人では(恐らくこの制度を使うべき人には尚更)探せないです。予算もあるのだと思いますが、募集人数も絞っているらしく、今のところは知っている人が知っていればいいと言うことのようです。

日本の医療を救う答えは「病人を減らす」以外にはありえません。
これらの取り組みはまだ社会実験段階なのだと思いますが、答えは見えています。
石橋を叩いている内に壊してしまわないように、迅速な展開をしてくださることを期待したいと思います。この事業の成功の鍵は間違いなくスピードだと思います。

各市のご担当の皆様、『日本の医療を支える』意気込みで、是非、頑張ってください!

この記事を書いたユーザー

花咲 未来 このユーザーの他の記事を見る

心にいつも熱い想いが詰まっている「夢多きアラフィフ」です。子育ても給料を運ぶ以外はほぼお役ご免になりましたので、これからの自分はどう生きるかを模索しながら、第二の青春を生きています。『アオハルはいつも間違える』ので、記事には誤字脱字のなりように気をつけます(^^;;

権利侵害申告はこちら