出典 https://tokyo2020.jp

記事提供:しらべぇ

東京五輪のエンブレム問題が、炎上を続けている。104作品からコンペで選出されたアートディレクター佐野研二郎氏の作品は、ベルギーのデザイナーが類似性を指摘。

盗用を主張しているオリビエ・ドビ氏は、国際オリンピック委員会をベルギーの裁判所に提訴していることを明らかにした。

■模倣問題は、五輪ロゴ以外にも飛び火

ネットユーザーの注目は、佐野氏による別の仕事にも飛び火。サントリー「オールフリー」のキャンペーングッズであるトートバッグに、第三者のデザインを無断でトレースしたものが含まれていることも明らかになった。

佐野氏は30点中8点のデザインを取り下げ、自社サイトで謝罪を表明したが、「アートディレクターである佐野研二郎の管理のもと、制作業務をサポートする複数のデザイナーと共同で制作した」という表現が、責任逃れではないかという指摘もある。

これは、どういうことなのだろうか?

■アートディレクターとデザイナーの分業・協働

一般的にはなじみが薄いかもしれないが、広告デザインは、以下のような分業・指示系統でつくられている。

トートバッグをデザインした佐野氏の立場は、アートディレクター(AD)。デザイン案の企画やデザイナーへの指示、撮影がある場合にはカメラマン選定や進行管理などを統括する。

その指示のもと、実際のデザイン作業を行なうのがデザイナー。医療や建設などその他多くの仕事と同様に、広告デザインは「チームで進める」のが一般的だ。

もちろん、デザイナーに対する監督責任は免れない。しかし、佐野氏の謝罪・釈明は「責任逃れ」ではなく、通常のワークフローに沿ったものと言える。

また、五輪ロゴ発表からあまりにも早いタイミングで「佐野研二郎デザイン」と銘打ったキャンペーンが行なわれたため、佐野氏に注目が集まったが、本来、広告制作のプロジェクト全体を統括するのは、クリエイティブディレクター(CD)。

ADはCDの指示のもとで作業を進め、そのチェックを受ける。広告主への提案に責任をもつのもチームを率いるCDの役割だ。

■五輪ロゴ問題でもクリエイティブディレクターからの説明がない

CD・AD・Dは、いくつかの役割を1人で兼ねるケースも。佐野氏の場合、トートバッグではADを務め、五輪エンブレムのコンペは個人参加のためADとDを兼任したと発表している。

なお、東京五輪組織委員会のCDと「オールフリー」を担当するCDは、偶然にも同一人物。組織委のマーケティング専任代理店である電通の高崎卓馬氏だ。高崎氏は、エンブレムを選定した8名の審査委員の1人でもある。

佐野氏は、8月5日に組織委と共同で記者会見を開いたが、キャンペーンを統括するはずのCDからは現在まで公式な声明が発表されていない。

燃え続けるトラブルを収束させるためにも、責任者や審査委員の代表者から、なんらかのコメントが出されるべきではないだろうか。

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