記事提供:長谷川豊 公式ブログ

大阪、高槻の事件。

まさに昨日、最後の目撃現場となった京阪寝屋川駅、さらに平田さんの遺体遺棄現場となった駐車場などを回ったところだったので、まずは容疑者逮捕の一報に安どしている。

もちろん、この容疑者の言(げん)を信じれば、共犯者が存在するというのだから、警察は遠慮せずに厳しい追及をお願いしたい。

確かに、あの犯行を完全に単独でするのは、不可能ではないとはいえ、容易ではない。共犯者がいる可能性は十分にあるだろう。何とか、完全究明まで頑張ってほしい。

(※あくまで警察は単独犯行ではないかとみて捜査中である)

ところで遺体遺棄現場に赴き、感じたことがある。

私がキャスターを務める『ニュースリアル』では、カメラマンさんにお願いをしてかなり広い絵で押さえてもらったのだが、とにかく、周囲は本当に田んぼや細い路地があるだけで…

誤解を恐れず表現するならば、遺体を遺棄する現場としては、犯罪者にとっては「悪くない場所」と考えたのかもしれないということだ。周囲に目撃者などは、ほぼ確認できない場所であろう。

が、およそ70メートルか80メートル先のプレハブの建物の、偶然にも2階部分に、防犯カメラが設置してあった。

木曜日の報道ステーションでもそのカメラ映像が紹介されていたのだが、あの防犯カメラ、遺体遺棄現場から視認することはほぼ不可能だった。

犯人たちもあのような場所に…しかも、偶然にも遺体遺棄の現場を押さえることができる角度でカメラが設置してあったとは想像もしなかったのではないか?

偶然とはいえ、今回の犯罪、追及の最大の決め手になったのは、間違いなく「防犯カメラ」だと言えるだろう。

現場を取材すると、実際に警察の動きは、かなり「防犯カメラ」を意識したものだった。

寝屋川駅前から、遺体遺棄現場までの道路。その途中にあるガソリンスタンドなどに聞き込みをすると、事件直後には警察が防犯カメラ映像を取りに来ていた。そのカメラには遺体を遺棄しに行っている白のワンボックスタイプの車が映されていたという。

ナンバープレートの解析も、今の技術なら容易とは言えないまでも十分にできるらしい。警察は、早い段階で、今回逮捕した容疑者の身元をすでに確認していたであろうと想像できる。

先日の8月15日に放送されたNHKのスペシャルも見たのだが、当時撮影された「白黒映像」を全部カラーに戻して「あえて今、色を付けて見る戦時中映像」という特集だった。シンプルな企画であるにもかかわらず、かなりの衝撃を受けるものだった。

白黒では決して気づかなかった、原爆投下直後の焼けただれた人間の姿などが余すところなく映り込んでいた。赤黒く焼けた人間が、そのまま死ぬに死にきれずに苦悶の表情をしている姿は、それだけで十分に戦争や原爆の悲惨さを物語っているものだった。

映像解析の技術は本当に進んできている。防犯カメラもどんどん進化している。

私は、日本でも、アメリカのニューヨーク並みに防犯カメラを設置していっていいのではないか、とかねてから考えている人間だ。こういうことを主張すると、必ずテレビなどでは…

「なんだか見られてるみたいでやです~」「監視されてるみたいで気分が悪くて~」

誰も、あなたには注目などしていませんが?と突っ込みを入れたくなる「町の中の声」が次々と紹介されるのだが、そもそも「防犯カメラ」とは、読んで字のごとく、

「犯」罪を「防」ぐため

のものである。平和ボケも素晴らしいとは思うが、この大阪の事件のように、事実、人を人と思わないような犯罪者は世界に存在している。日本にも数少ないとはいえ存在する。

中学生の男の子と女の子を、死なないことが分かる範囲で30か所以上、ナイフで刻み続けた犯人だ。顔面も、殴られまくった跡が確認されている。

平田さんに関しては、最終的な死因がテープでぐるぐる巻きにして窒息死させたことが分かっているので、おそらく、死ぬまでは泣き叫び、血まみれにしているのを

楽しんでいた可能性

がある。と言うより、ほぼそうなのだろう。延々、苦しまされ続けた挙句、粘着テープで窒息させられているのだが、恐ろしいのはその粘着テープである。すでに報道されている通りだが

指紋が検出されていないのだ。

お分かりだろうか?

中学生の男の子や女の子を、30か所以上切り刻み、殴り続けていたぶり、窒息させたにもかかわらず、その粘着テープには指紋が付かないように、わざわざ手袋をして顔に巻き付けているのだ。つまり、その犯人は…

冷静だったと想定できるのだ。

粘着テープは、確実に指紋の残るアイテムの一つだ。それを分かったうえでやっているのである。そんな人間が、今回逮捕された容疑者(車の保有者)の話を信じるのであれば、まだ捕まっていないのである。

いや、防犯カメラがなければ、今回の車の保有者も、そのまま逃げていた可能性すらあるのだ。

犯罪を防ぐことは日常を生きる市民の安全のために、必要最低限のものである。

その考え方をもとに、ニューヨークでは、ワンブロックごとに防犯カメラを設置し、マンハッタンだけで、私が取材をした2011年段階で6万台を超すカメラを行政が設置している。市民たちは、一様にその防犯カメラ設置に好意的だった。

そして、実際に、ニューヨークからは犯罪は激減。今やニューヨークは、全米一の安全な街として多くの観光客や生活者に安心を与えている。

「監視している」

のは、犯罪者を監視しているのだし、何よりも、ずっと監視しているわけではなく、単純に「何かあった時に証拠映像」として使用できるようにしているだけなのだ。これは冤罪を防ぐ意味でも大変に効果的なものだ。

何も通常に生きている一般市民を監視し続けているものでもなんでもない。と、言うか、普通のおばちゃんなんて、誰も見てない。自意識過剰もいいところだ。

今回の事件、犯人逮捕が遅れれば、第2・第3の事件に発展していた可能性が十分にあったものとも考えられる。日本中につけろとは言わないが、行政の判断で、大都市圏内だけでも、街中に防犯カメラを丁寧に設置していったらどうだろうか。

犯罪の一つの抑止力になるのではないか。検討してみてもいいのではないかと思った。

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