「夫が出張で家を空ける時でも、私は彼のスーツケースに服をつめて何日にこれを着てね、って言っておくの。そうしたら離れてても繋がってる感じがするから。」結婚して35年間、ペアルックで常に過ごしてきたのは、ナンシーとドナルド夫妻だ。

「余りの生地で私の服を作ったのがきっかけ」

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お互い初めて会った時からずっと一緒にいるというナンシーとドナルド。「彼に会った時、いつもスーツにネクタイ姿だったの。結構フォーマルな格好をしていて、夏の暑い日でもジャケットを脱ごうとしなかったのよ。溶けるんじゃないかと思ったわ。」

そこでナンシーはアイデアを思いついた。自分が半袖のシャツをプレゼントしたらどうだろう。着てくれるだろうか。ドナルドはもちろん、大好きなナンシーからのプレゼントを気に入った。以来、ナンシーはドナルドの服を作るようになったのだ。

ドナルドの服を作った余り生地で自分のも作った

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いつも同じファブリック専門店に行くというナンシー。ドナルドのシャツを作った時にどうしても生地が余ってしまうので、自分用にも作ってみたらペアルックでなかなか面白かった。「それ以来、ずっと同じ生地で服を作ってるのよ。」

毎日35年間、夫と同じ柄の服を着ている妻。二人が出かけると、すれ違う人達から褒められたり笑われたりと反応は色々だ。しかし二人は全く気にしない。

「ドナルドが、シャツだけじゃなくて私のズボンやスカートも作ったらどうって提案してきたの。だからジャケットやコートなんかもお揃いで作るようになったわ。」そんな夫妻のクローゼットは、今やペアルックで溢れているという。

最初は週末だけだったが、やがて毎日に

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市販の服をもう買いに行かなくても十分なペアルックが揃っているとナンシーは言う。「もちろん、季節や状況に合わせて作ってあるわ。私は女性らしい服が好きだからいつも古風なデザインのを作るわね。流行なんてどうでもいいし。」

海外では、ペアルックで歩いているカップルは非常に珍しいので目立つこと間違いないだろう。好奇の眼差しを向けてしまう気持ちも理解できる。しかしナンシーは言う。「私達は結婚してから離れたことがないのよ。夫の出張以外いつも一緒。」

「よく、結婚してる夫婦が同じ色のトップを偶然選んでしまったら、どちらかが着替えるって聞くけどなんか悲しいわ。そんなぐらいで個性が失われると思ってるのかしら。洋服は性格を左右しないわ。夫と同じ服を着ていても、自分っていう中身をしっかり持っていれば別に気にならないって私は思うわ。」

「服だけじゃなくて食べ物も同じ」

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一緒にいることが何より好きだというナンシーとドナルド。羨ましい限りだ。「服だけじゃなくて食事も全く同じものを食べるのよ。そうしたら服に付くシミまで一緒よ!(笑)」

「犯罪番組とかドラマを見ていて、よく言うセリフあるでしょう。あなたが最後に見た彼はどんな服装をしていましたか?って。私達、お互いを指差してコレ!!って言うの。(笑)」新しい服が必要なら二人でファブリック専門店に足を運び、二人で好きなデザインや色の生地を決める。

いつも一緒にいて、一緒に決めることが何より自然のナンシーとドナルド。最初に出会った時からそういう気持ちがぴったり来たというのは、やはり運命の二人なのだろう。

日本でも今時ペアルックのカップルを見ると、周りがなんだか恥ずかしいような気持ちになってしまうのだが、そういう他人の気持ちを跳ね返すほど夫婦の深い絆が洋服を通して表れているのは、ちょっと感動すると思う筆者である。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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