無防備な姿で寝ているペットは、本当に可愛くて癒されますよね。でも、不自然にただ目を瞑っているだけの時はストレスを感じている場合もあるそうです。


辛い経験で付いてしまった恐怖心。

以前、別の記事でも書いた事がありますが、我が家では、ペットショップで売れ残ってしまった犬を迎えた事がありました。

我が家には既に愛犬がおりましたし、2頭目を飼うつもりはありませんでした。我が家の愛犬自体、犬と遊ぶのが苦手というのもあったからです。なので、愛犬とまずショップで対面させてみました。

そして、愛犬の苦手なしつこいタイプの性格ではないか、性格的にはどういった感じかをスタッフにしっかり確認した上で大丈夫そうだと判断し、実際に一緒に生活してみて相性が駄目なら、その時は責任を持って里親を探してあげよう、そう決めて救済した犬でした。

何故そこまで?と思うかも知れませんが、その犬は私達が救済した時には既に生後半年を過ぎており、ほとんど叩き売りのような驚く程の価格になっていたんです。
その犬は生後1ヶ月の入荷した頃から見ていました。可愛いミックス犬です。毎回何故か我が家をずっと目で追っていて、気になっていたコでした。

なかなか売れないと思いながらいたんですが、驚くような価格に下がり、
(この後も売れなかったらどうなるの?)
そう心配になるような状況でした。

ワクチンも狂犬病予防接種もとっくに終えたそのコは、ドアの付いたケースから出され、誰でも触れる床置きのケージに移されていましたが、更にまた置き場所が移動されていたんです。

そして、他のいろんな犬と何度も一緒に入れて置かれていましたが、同室の犬はすぐに売れてしまい、とうとう叩き売りのような価格になって1匹で置かれていました。

床に置かれるようになってから、何度かスタッフさんにそのコの話を伺った事がありましたが、その度に寝たふりを始めるんです。それが何だか気になって、寝た振りをする面白いコだな程度に思っていました。

お店としても売りたかったのだろうと思いますが、気になる人にはケージから出して抱っこしながら健康状態や性格の説明などをしていましたが、自分の話が始まるとすぐに目を瞑るんです・・・。

これは、我が家に連れて来た時も同様でした。私が膝に乗せてあげると途端に目を瞑るんです。寝ているのか?とも思いますが、微動だにもせず時々うっすら目を開けて様子を見ているんですね。

この時々薄めを開けて様子を見るのはショップにいた時もやっていて、不思議だったのですが、最近になってこのしぐさの時には、犬が強いストレスや恐怖を感じている時で、
「敵意はありません!」と訴えているのだと知り、何だか悲しくなりました。

目をつぶる - 恐怖を感じたときの表情

出典 http://funnydog.fc2web.com

目をそらす、目を合わせない ⇒こわいな。見ないふりしちゃお。

目をつぶる⇒こわっ!

出典 http://www2.plala.or.jp

売れ残った犬なりに自分の状況を理解しているのかも。

他にも、ソファーにいる時に誰かが近づくと、途端にくるっとお腹を見せて『服従のポーズ』も良くやっていました。イタズラもしていないし、誰も𠮟ってはいません。でも必ず。
必死にお腹を見せ、ソファーから転がり落ちてしまう事もしょっちゅうでした。

そしてこのポーズも、ショップでケージに、床に置かれた頃から誰かが近づくと良くやっていました。

今思うと必死に
「従います。敵意はありません!」と、そのコなりにアピールしていたんでしょうね・・・。


ショップでは、契約後引き取りに行く数日間、不特定多数の客に触られる床のケージから奥の部屋へ移動してくれていましたが、そこに移動になった途端、酷い下痢で血便まで出ていたそうです。

これも、かなりのストレスから来るものですが、恐らく店頭から奥へ移された事で
『自分はもう、終わりなんだ』と思ったのかも知れません。

ただし相手に噛み付かれないように尻尾と耳を畳(たた)み込んで腹を見せているときは「降参」を意味します。尻尾や耳に緊張が見られるときは「恐怖による腹見せ」で、逆に緊張が見られないときは「安心による腹見せ」と考えてください。

出典 http://www.koinuno-heya.com

ペットショップで成長してしまうということ。

そのコと出会うずっと前に、家族として迎えた我が家の愛犬は飼い始めた当時2ヶ月でした。お散歩デビュー前で躾も一通りは自分達でやり、外の世界やいろんなものに子犬の頃から慣れさせたり、歯の生え変わりの時もきちんと処置してあげたので歯並びもきれいです。

そんな感じで飼育していたので、ショップの中だけで半年以上も過ごした犬の実態を知った時はやはりショックでした。

まず、当然ですが外の世界を一切知りません。ワクチンは終了しているので外に出す事は出来ます。
しかし、実際には歩けませんでした。

何しろ、物心はついてしまっている訳ですから、見るもの全てが恐怖だったようです。外に出した途端、地面に這いつくばってしまい、ぶるぶると震えているばかりで歩けないんです。

ショップではこういった大きな犬を『お散歩がすぐに出来る』として販売している場合がありますが、実際には外への恐怖心から、慣らすまでに時間を要します。うちのそのコの場合は一般の歩道などは1週間程度は震えて足がすくんでいました。

その為、お散歩のトレーニングは人の少ない公園へ行き、愛犬に誘導させて行いましたが、始めは出掛けるのも一苦労でした。
まず、首輪やハーネス、リードを着ける事にももの凄い抵抗をするんです。

これは性格や犬種など個体差はあると思いますが、何しろショップの外の全てに恐怖を感じていたらしく、こちらも予想以上で、ショップで成長してしまっただけの犬の現実を見たという思いでした。

それから、歯もとっくに生え変わりを始めていましたが、抜けていない歯がそのままな所に新しい歯が伸びてしまっていたり、その影響で顎も片方が潰れてしまっていたりと、身体的にもいろいろ影響は出ていましたね。

考えてみたら、ショップではただ餌をあげているだけ・・・。
病気の治療はしてくれますが、躾や個体の成長に合わせた健康管理まではしない訳です。

ショップで売れなかったペットはどうなるのか?

実際にショップでどうしても売れなかったペットはどうなってしまうのでしょうか?
ショップの経営体制や方針などによっても様々なようです。

自社でもブリーディングする施設などを持っている場合は、純血種のペットは繁殖に使う場合もあるようです。
またはブリーダーへの販売などもされているようです。

それから、最近多いのは里親募集や譲渡会に出されるペットも、ショップで売れず救済されたペットも増えているようですね。
うちも無理だと判断した時には、里親募集のサイトを利用させて頂きました。

そして、健康上の問題があるペットなどは殺処分されるというのも、現実なのだそうです。

心に問題を抱えた犬は多頭飼いは難しい?※補足有り

我が家は約1ヶ月で、そのコの里親を探す決意をしました。決めたのは私です。夫は1年見てみようと言っていましたが、そんな先では2頭とも駄目になる、まだ1歳にならないうちに里親を探してあげるのがそのコの為でもあると判断したのは私でした。

理由は、そのコが次第にうちの愛犬、つまり先住犬の居場所を奪い始めた事でした。

一緒に遊ばせるようになると、吠えて脅かしたり、怯えたところで次は前足でポンポンと叩いて部屋から追い払ってしまうんです。注意してケージに入れる、という事を躾としてやってみましたが、これは基本治りませんでした。

外でも、歩けるようになったのは良いですが、すると今度は愛犬の散歩の楽しみである親しい人達に率先して抱きついてしまいます。仕方なく愛犬が他の人の所へ行こうとすると、すかさず今度はそっちへ先廻り、という具合で、外でも家でも愛犬の楽しい時間が奪われてしまいました。

しかも、ペットショップに後日相談に伺ってみると、そのコはしつこい性格だという事をその時に初めて聞かされたのです。
売りたかったのだろうと思いますが、これには流石に疑問を感じましたね。

知人で、かなり大きくなった捨て犬を保護した方がおり、飼っている方がいましたが、やはり周囲の注意を引こうという行動は同じだという話をしていました。

辛い経験から自然に身に付いてしまった行動なのか、どんどん目つきも変わってしまうし、愛犬も元気が無くなってしまい、1頭で育てて貰う環境が合っていると考え、里親を探したのです。

今は、先住犬もいないご家庭で、1頭で大事にされています。
何度か会いに行っていましたが、顔が全く変わってしまい、生き生きと愛らしく成長しています。

《補足》
我が家に一時いたコについて、最近夫と気づいた事ですが、もしかしたら我が家に飼われた事を理解していなかったんじゃないかと思います。

あのコは、決まって同じ空間に他の犬と2頭で入れられており、どの犬と一緒になっても決まって他の犬が売れてしまい、とうとう最後の1匹になるまで残っていたわけです。
もしかしたら、あのコにとって他の犬と同じ空間にいるという事は、
『また自分だけ選ばれないかも知れない』という不安になる条件になってしまったのではないかと考えたんです。
先住犬であった我が家の愛犬を追い払う行動を始めたり、人と見ると誰にでも先に飛びついて注意を引こうとしていた一連の行動は、その気持ちから来る行動では無かったのかと。

我が家にいる時には、どんなに抱っこしてあげても頬ずりしても、身体の手入れをしてあげようとも全く心を許す事はなく、甘えたり懐いてくれる事もありませんでした。知らない振りをするように目を瞑って時々薄めを開けて様子を見ているだけ。
今飼われているお宅へ、お見合いで初めて連れて行った日だけはホッとしたのか、初めて私の膝で熟睡してくれたんです。
きっと、やっと自分の家が出来ると思ったのでしょう。我が家はあのコにとってペットショップの延長だったのかも知れません。

里親を募集した時に応募して下さった方は十数組、その中で多頭飼いの方は半数以上に上っていました。
あのコの心の傷を考えると、つくづく犬を飼っていないお宅へ渡す事が出来て良かったと思います。

ペットショップの問題

ペットブームはまだまだ続いており、ペットショップもまだ伸びているようですが、売れないペットの処遇を考えると、自分の経験も考えて何とかしたい問題だと思います。

多くのペットショップは、売れにくくなった月例のペットもちゃんと家族を探そうと努力しているのは見ますが、躾も外の世界も知らず狭い空間で育っているだけ、というのはやはり命あるものとしては酷だと感じています。

商品として繁殖させ、どうしても売れなかったら処分もある・・・。売れたとしても、重要な成長過程において狭いケージに閉じ込められたままの犬は、外に出てから精神にも身体上にも影響が出る事も多いのです。

うちが救済したコも発育は遅れていましたが、幸い里親の元に行った今は通常の犬としての遅れた生活を取り戻しています。

ペットショップで育ってしまった犬を受け入れる心得

そのペットショップの管理や経営方針、または店舗ごとのスタッフさんの対応にもよるのですが、ほとんどは狭い空間で身体が育っているだけです。
一番心配なのは身体的な問題です。

健康ではないという事ではありません。犬種や個体差にもよりますが、月齢によっては上で書いたように歯の生え変わりのタイミングを外していて上手く整っていなかったり、運動量が圧倒的に足りていない事で筋肉の発育が遅れてしまうなどもあります。

それから、ある程度の恐怖心が芽生えてしまうと、普通に散歩が出来るまで時間を要する事もあります。

散歩は性格によってはすぐに慣れる犬もいるでしょうが、トイレやその他の躾なども、1からと考えて迎える事が重要です。

ただ、捨て犬など飼い主に放棄されたり虐待を受けていた犬のようにトラウマを抱えている心配は少なく、間違った飼い方による癖はついていない為、そういった犬を里親制度で迎える自信の無い人でも、飼いやすいと思います。

ショップで成長し過ぎた犬を迎えるメリットは??

勿論、メリットもあります。

1〜2ヶ月のまだワクチンが終わっていない子犬を迎えて、稀に死亡してしまう例だってあります。子犬特有の病気などもあり、そういった経験のある人には、身体が発育していない時期の子犬は逆に不安な場合もあります。

そんな人には、ある程度成長した犬の方が安心感もあるでしょうし、離乳食も既に終了してドライフードに切り替えが出来ているので、そういった飼いやすさはあります。

うちにいたコは、恐怖心や自分の居場所を主張する行動は強かったですが、覚える能力は非常に高い犬でした。
覚えていくのが楽しかったようで、マテやオスワリなどは早い時期にマスターしましたし、歯がかゆい時に噛んでいい玩具もすぐに覚え、イタズラはせずにちゃんとそれを取りに行って噛んでいました。

外が怖いものではないと理解してからは、ちゃんと先住犬の真似をして背筋を伸ばして歩いていましたよ。
最低限の躾と散歩の楽しさだけでも、我が家で教えられて良かったと思っています。

あのコが初めての犬で、1頭だけだったら、先住犬の居場所を取る事が無かったら、勿論今も我が家にはいた筈です。

《成長した犬のメリット》
◎幼犬特有の病気、感染症の心配が軽減される。
◎ワクチンが終了しているので外に安心して出せる。
◎子犬に比べてかなり安価である。

成長したペットを販売しているショップを覗いてみる

多くのショップでは、成長したペットもある程度まではちゃんと販売しています。小さな子犬より成長したペットが安心するという方は覗いてみて下さい。

こういったペット達も行く行くは譲渡会や里親募集などの対象になるので、その前に救済するというのも命を救う一つのやり方です。
勿論、飼いたいという方の選択肢としてです。

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