「救急隊員が私の顔を見た時、あぁ、もう娘は逝ってしまったんだなって悟りました。覚えてることは、床に崩れ落ちたことだけ。気が狂いそうでした。」去年、11月に最愛の娘、フェーンを亡くした母ドーン(24歳)は、今ようやく人前であの日の出来事を語れるようになったという。

フェーンは乳幼児突然死症候群で、生まれてから7週間と5日後、空へ旅立った。

ドーンとアンディは理想的な家族像を築いていた

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2011年にドーンとアンディ(30歳)は出会った。翌年、2月に長男のフリンを授かった。3人は、スコットランドの田園風景が美しい田舎町に引っ越した。そして2014年9月、娘のフェーンが生まれた。

難産だったが4680グラムで無事に出産

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妊娠時、ドーンの羊水量が増え過ぎたため、体内でフェーンが成長し過ぎてしまい出産は困難だった。しかし、フェーンは健康体で生まれてきてくれた。翌日、無事に帰宅できた。「1男1女で、これで完璧な家族になった、って思いました。」

フェーンが生まれたのをきっかけに、きちんとした家族になろうとアンディと決め、二人は結婚式を挙げることにした。ウエディングドレスを選ぶ間、ドーンは娘を、自分の母に見てもらっていた。しかし、愚図って仕方なかった。

ドーンに抱いてもらうとすぐに泣きやむフェーン。抱っこしている時以外は本当によく愚図るので、いつも抱いて過ごしていたという。

フェーンが生まれてからの7週間と5日間は至福の時だった

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娘が息をしていないー気付くと同時にドーンは叫んでいた。夫がすぐに駆け付け、人工呼吸を試みた。救急車を呼び、息子のフリンを隣の家の人に預かってもらった。

救急隊員が到着して蘇生を試みるも、既に手遅れの状態だった。フェーンは、乳幼児突然死症候群で息を引き取ったのだ。

乳幼児突然死症候群(にゅうようじとつぜんししょうこうぐん、SIDS:sudden infant death syndrome(シッズ))とは、何の予兆もないままに、主に1歳未満の健康にみえた乳児に、突然死をもたらす疾患である。英語で「ゆりかごの死」という意味でコット・デス(cot death)、クリブ・デス(crib death)ともいう。

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床に崩れ落ちたドーンを、いつの間にか来ていた母が必死で抱え起こそうとした。医師もその場にいた。薬を飲むようにドーンに言った。何が何だかもうわからなかった。「どうして?」「なぜ、私の娘なの?」「嘘でしょ!?」現実の出来事を受け入れられなかった。

生まれたばかりの我が子の死に直面しなければならない辛さ

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ドーンとアンディはフェーンの葬儀の手配に気持ちを引き裂かれる思いだった。「土葬にするか、火葬するか。娘を冷たい地面に寝かせるのは嫌でした。でも火葬するのも辛かった。」

そしてドーンは、エセックス州のある会社が遺灰をリングにしてくれることをパンフレットで知った。

フェーンの遺灰は、まるで空に浮かぶたくさんの星のよう

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リングのベースとなるクリスタルは好きな色が選べたが、ドーンは青にした。「娘の誕生石がサファイアだったんです。だからこの色にしました。」まるで、青い空にたくさんの星が散りばめられたかのような素晴らしいデザインに仕上がった。

ドーンは母にはネックレスを、養父にはペーパーウェイトをオーダーした。「このリングを着けていると、娘の近くにいるような気持ちになるんです。」ドーンは、息子のフリンに、いつも妹は星になったのだと話しているという。

二人は結婚式を決行することに

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空に逝ったフェーンもきっと願ってくれているだろうと思い、ドーンとアンディは予定通り結婚式を挙げた。そしてこの特別な日に、天国にいる最愛の娘に向けて風船を飛ばした。

ウエディングドレスのデザインは天使の羽根だった

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「どうして今の今まで気付かなかったんだろう」ドーンが選んだウエディングドレスには、天使の羽がデザインされていた。「私がドレスを選んでいた時、フェーンが激しく愚図ったのは何かを伝えようとしていたのか。」しかし、その答えは知る由もない。

娘の死は、ある意味運命的な出来事だったのか。そうも思ったという。娘が本当に天使になってしまう日が来るなんて誰に想像できただろう。

フェーンを突然死で失った家族は、Scotish Cot Death Trustというチャリティ団体からの厚いサポートを受けた。「Rory's Starっていう本をもらったんです。それを娘の名前のFern's Starに変えて、毎晩息子に読み聞かせてるんです。」

そしてドーンとアンディは、自分達と同じように突然死で子供を失った人達と連絡を取るようになった。ジェニーという女性と出会った。彼女も同じ原因で最愛の子供を亡くしており、話をすることで気持ちが少し楽になったという。「子供の死を乗り越えているのは私達だけじゃない。辛いのは他の人も同じなんだ。」そう思うことで励まされた。

今、ドーンのお腹には新しい命が

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同じ経験をした他の家族もサポートしたい。そう思い、ドーンとアンディは寄付金を募った。今で1000ポンド(約20万円)貯まったという。

そして、ドーンのお腹には今新しい命が育っている。「21週目なんです。女の子だってわかりました。きっと空からフェーンが妹を見守ってくれてます。」12月27日が予定日だという。

クリスマスベイビーとなる3番目の子供の誕生を待ち遠しく思う家族。しかし、辛く苦しいフェーンの死を乗り越えてこそ、今があるのだとドーンは言う。どうか無事に出産を終え、ベイビーが健康に育っていってほしい。

この家族の幸せを心から願ってやまない筆者である。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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