イギリスのチェシャーに生まれたメレディス・プランブ。小さい頃から視力はとても良かった。しかし、12歳の誕生日の2週間前に、悲劇が彼女を襲った。学校の科学の実験で、光を失ってしまったのだ。

「戦争以外にこんな酷い火傷は見たことがない」

出典 http://www.theguardian.com

クラスの科学の授業で、先生が科学実験の主導者として他の生徒をリードするように、とメレディスに指示したのがきっかけだった。すりこぎとすり鉢を渡された。黒、オレンジ、白の3種類のパウダーを計量するように言われ、先生の言われた通りにした。

そして、その3つのパウダーを混ぜた瞬間、爆発した。火花が散って、もの凄い音を聞いた。溶岩がメレディスの顔を直撃したのだ。

「あの時のことを今でも鮮明に覚えているわ。」そう話すメレディス。「不思議と痛みは感じなかったの。落ち付いていて、これは夢なんだって思ったわ。」しかし、暗闇の中でメレディスはクラスメイト達を恐怖に陥れていたことに気付かなかった。

自分の顔が、誰だか見分けがつかないほどに損傷してしまったと気付いたのは、先生が自分を抱えて廊下に走り出た時に、誰かが「誰なの、それは!?」と言ったのを聞いた時だった。

13歳~16歳まで40回以上の手術をした

出典 http://www.bbc.co.uk

病院に搬送されるも、医師達はメレディスの酷い火傷に対処しかねる様子だった。「こんな酷い火傷は戦争でしか見たことない。」そう言われたほどの酷さだった。

手術のために、バルセロナに飛び、そして更にヒューストンへと飛んだメレディス。40回以上もの手術をし、その度に視力が回復してはまた衰え、という繰り返しになった。そしてついに、メレディスの目から全ての光が消えてしまったのだ。

「二度と学校には戻らなかったわ。実験を指示した先生がどうなったのかもわからないまま。」学校側は非を認めたものの、裁判は時間がかかった。しかし、当時では1人の女性の怪我の損害賠償金としては、最高額とされる1億7千万円が支払われた。

視力を失ってから、うつとフラッシュバックに悩まされた

出典 http://www.gettyimages.co.jp

「普通、光を奪われた人は他の感覚が鋭くなるでしょう?でも私の場合はそうはならなかった。」不幸にも、光を失ったメレディスは、夜と朝の見分けが全くつかなくなった。体内時計も、効かなかった。感覚が研ぎ澄まされないまま、孤独だけがメレディスを襲った。

うつ病とフラッシュバックに悩まされた。「まだ目が見えていた頃、カーテンから朝の光が差し込んで目覚めたことを今でも覚えているわ。でも今は、自然と繋がりを持つことはできないの。」メレディスの言葉が胸に刺さる。

しかし、40代前半になってようやく目が見えないなりに、生き方を見つけなければと思えるようになったという。メレディスはカウンセラーになるトレーニングを受けた。「自分の視力がどうにもならないように、誰かの怪我を治すことはできないけど、怪我をした人がどうやってそれを乗り越えて行けばいいかっていうヘルプはできるわ。」

「娘の顔を見ることができたら、どんなに素晴らしいか。」

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メレディスには28歳になる娘がいるという。「娘の顔を見たい。それができたらどんなに素晴らしいかって思うわ。」残念ながらその願いは叶うことはない。

しかし、今は自分が苦難を乗り越えて来た分、他人の苦しみを助けになれればと思っているメレディス。「苦しい経験をした人達が、自分たちの光に向かって生きていけるようになればと思う。」メレディスのようなカウンセラーだからこそ、きっと同じような痛みを持つ人を救えるのだろう。

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