頭痛のなかで、もっとも激しい痛みを持つといわれる「群発頭痛」。群発地震のように一定の時期に何度も集中して頭痛発作が起こることから、その名がつきました。偏頭痛のようにメジャーではないため、群発頭痛という病名に馴染みがない人も少なくないと思います。今回は群発頭痛について、経験をまじえてご紹介します。

別名「自殺頭痛」。人が経験し得る痛みのなかで最強クラス

心筋梗塞、尿路結石と並び、人間が経験し得るなかで最強の痛みのひとつとして数えられる群発頭痛。その激しい痛みから解放されるために、死すら頭をよぎってしまうことから「自殺頭痛」の異名を持っています。また、ハリー・ポッターシリーズでおなじみのダニエル・ラドクリフさんが群発頭痛を患っていることを告白しています。

決まった時期に発作が起こり、痛みが毎日のように続く

発作が起こる頻度は人によって異なりますが、半年から数年に一度のペースで起こり、強い痛みが毎日のように続きます。季節の変わり目に発作を起こす人が多く、明け方に発作が起こりやすいのだそう。また、群発期のあいだは飲酒や入浴が引き金となることも。痛みはきまって左右いずれかの片側だけに訪れ、15分から3時間ほど続いて消失します。

20代~40代の男性に多く、1000人に1人の割合で発症

群発頭痛を発症する人は20代から40代ぐらいまでの男性に多く、女性の3倍~7倍程度だと言われています。1000人に1人が発症すると言われていますが、なぜこのような強い痛みが起こってしまうのか、その原因ははっきりと解明されていません。

それは突然やってきた…群発頭痛体験談

※痛みの表現があるため、閲覧にはご注意ください。

はじめての痛みがやってきたのは夏の終わりの夕方でした。昼寝をしていた子どもの横でうとうとしていると、突然、目にするどい痛みが走りました。そのときの痛みを言葉にするならば、鋭利な刃物で目玉を後頭部まで貫かれ、さらにグリグリとえぐられているような痛みでした。

「目の奥の血管が切れたに違いない」。はじめてこの痛みを感じたとき、わたしは目に異常があるに違いないと、慌てて鏡の前に走りました。右の目から涙がこぼれ、真っ赤に充血していました。

さらに痛みはあっというまに顔中に拡がります。痛みのタイプは頭痛のそれではなく、歯医者で歯を削られるときの痛みによく似ていました。麻酔なしで目の奥をドリルで削られ、それが顔中に響いているような痛みでした。

立っていられなくなったわたしは、「アーッ!」と叫んだり、のた打ち回ったり、壁に頭を打ち付けたりしました。錯乱状態です。痛むほうの目からは涙が止まらず、「もうこのまま死んでしまうのかもしれない」と、激しい痛みに死すらよぎりました。痛いなら横になっていればいいのに、と思うかもしれません。しかし、痛みのあまりにじっとしていられないのです。

それから、近くの病院へ。ここでは対応できないと、病院から大きな病院へ救急搬送されました。しかし搬送されるころにはすっかり痛みは落ち着き、冷静さを取り戻していました。痛みがあったのは、およそ30分ほどだったと思います。

脳卒中や脳出血に見られるような兆候はなかったため、その日は特に検査をすることもなく帰宅。群発頭痛と診断されたのは、それから約一年後のことでした。

日常生活に支障をきたすことも…

このような激しい痛みが一定の期間続く群発頭痛。この群発期によって、日常生活に支障をきたしてしまう人は珍しくありません。死すらよぎるほどの痛みが、人によっては毎日数時間にわたって続くわけですから、群発期間中は仕事はおろか、日常生活すらままならないという人もいます。また、強い痛みに対する恐怖から、鬱を発症する人も。群発頭痛が日常生活に与える影響ははかりしれません。

市販の痛み止めでは効果がない。群発頭痛の治療方法は…

出典シノヅカヨーコ

痛みをおさえるために処方されている薬です。薬価は1錠960円と高く、3割負担でも何日にもわたって飲みつづけるとなると結構な負担に。後発もありますが、それでも薬価は500円ほど。

群発頭痛の主な治療には、酸素を吸入することで痛みを抑える方法と、薬物療法があります。痛み止めも市販されている一般的な頭痛薬では効かないことが多く、トリプタン系の片頭痛薬が処方されることが多いようです。また、痛みがやってくる時期が予想できるようになると、予防薬が効果をあげてくれることもあるのだそう。しかし効き目は人それぞれ。てきめんに効果がある人もいれば、効く薬になかなか巡り合えず、地獄の痛みのなか苦しんでいる人もいます。

群発頭痛が直接の原因で亡くなることはないそうです。しかし、定期的に訪れる痛みに鬱を発症したり、痛みを恐れ、悲観するあまりに死を選んでしまう人もいるといいます。それほど、恐ろしい激痛に襲われる病気です。もしも、群発頭痛のような痛みを感じた場合、頭痛外来や神経科など、専門の病院を受診することをおすすめします。

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家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らし。 育児、暮らしにまつわるネタを中心にライター業をしています。お酒とチョコレートが大好き。

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