イタリア-フィレンツェで時々見かける派手なTAXIの正体は?

イタリアのフィレンツェ。ルネッサンス期そのままの風景が残る街並みを走る派手なTAXIがあります。

それはスーパーTAXIドライバーのカテリーナおばさん(カテリーナ・ベッランディさん)のTAXIです。

派手なTAXIに、派手な格好をしたこのカテリーナおばさんはフィレンツェの英雄です。なぜなら、フィレンツェにあるイタリア有数の小児病院で治療を受けるためイタリア全国から来た病気の子供たちを必要な時に病院まで送ってくれるのです。もちろんTAXI代は無料です。

カテリーナおばさんのTAXIの中はぬいぐるみ、音楽、シャボン玉など…子供たちを楽しませるためのものがたくさんあります。それは全て病気、特に小児ガンと闘う子供たちのためのものです。

カテリーナおばさんがこの仕事を始めたのにはこうした理由がありました…。

カテリーナおばさんの辛い過去

カテリーナさんは自分の最愛の男性を肺がんで失ってしまいます。カテリーナさんのパートナーだったその男性はTAXIの運転手でした。

彼の死後、カテリーナさんは彼の人生そのものともいえる彼のTAXIを受け継ぎます。

TAXIドライバーとして働き始めたカテリーナさんは、いろいろなお客さんとお客さんの人生に出会うことになります。

ある日、カテリーナさんはある家族をTAXIに乗せました。その両親は最愛の息子を脳にできた悪性腫瘍で亡くしたばかりでした。そして、その両親は小児ガンの研究のために寄付と支援をしていることをカテリーナさんは知ったのです。

それがみんなの英雄“カテリーナおばさん”誕生のきっかけになったようです。

最愛の人を病気で失う辛さ、悲しみを知っているカテリーナさん。そんな彼女も“カテリーナおばさん”となって、病と闘う子供たちを支援していくことを決意します。


病気と闘う子供たちは“スーパーヒーロー”

病気と闘う子供たちを“スーパーヒーロー”と呼ぶカテリーナおばさん。

「私にとって病気の子供たちはスーパーヒーローなの。彼らは諦めず、闘って、必ず勝つわ。だから“スーパーヒーロー”なのよ。」


病気と闘う子供たちへの気遣いも欠かしません。

「スーパーヒーローたちを迎えに行く前にパン屋に寄ってスキャッチャータ(フィレンツェの塩味のきいたパン)を買っていくの。化学療法をしている子供たちには塩辛いものが食べやすかったりするからね。」


その日の治療が終わり病院を出た後も、家に帰る前にショッピングに行ったり、美容院に行ったり…。行先は乗車した子供たちが決めるそうです。

カテリーナおばさんは病気の子供たちとその家族、みんなの英雄

治療を受けるために小児病院へ向かう子供たちとその親たちはいったいどういった気持ちでしょうか。決して楽しくはないと思います。しかし、カテリーナおばさんの運転するTAXIに乗ることによって、もすかすると少しでも励まされたり、気持ちが楽になったりするのかもしれません。

病気と闘う子供たちのために、今日もフィレンツェの町を派手なTAXIで行くカテリーナおばさん。彼女こそ、フィレンツェの英雄です。

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2004年よりイタリアはフィレンツェに住んでいます。
イタリア人の夫と黒猫1匹との生活。
日本語講師としてイタリア人に日本語を教えています。
魅力的なイタリア、不思議なイタリア、海外から見た魅力的な日本、不思議な日本を中心にお伝えしていきます。

普段のイタリア生活についてはアメブロに書いています。
http://ameblo.jp/firenzefungo/

トスカーナ、フィレンツェ観光に関してFirenze in Tascaというトスカーナ、フィレンツェ個人旅行サポート会社のサイトにて記事を執筆中。
http://firenzeintasca.com/

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