靴を一切履かない人を実際に見たことがあるだろうか。筆者はある。実はこの記事の本人に偶然バスで乗り合わせたのだ。その時、ふと足元を見て彼女が裸足なのに気付き、改めて彼女を下から上まで見てしまった。

普通の格好をした女性。友人らしき女性と話している。が、足元は裸足だ。とてつもない違和感があった。「あの人はいったいどういう人なんだろう。靴はどこに?」そんな風に思いながらバスを降りた記憶がある。

この記事を読んで、その女性が何故、靴を履かないのか理由がわかった。そして筆者と同じように「おや?」と思って女性を見る人も少なくないこともわかった。2児の母であるそんな彼女の靴を履かない理由とはー?

「初めて裸足で外を歩いた時、強烈な感覚を味わったわ。」

出典 http://www.theguardian.com

イギリスの南ヨークシャー州に住むビーが、5年前裸足生活をすると決めたのは単なる偶然だったと言う。「2010年の春、ハーフマラソンのトレーニングをしていて、関節を痛めたりよく怪我をしていたの。」

ジョギングの度に関節を痛めていたというビーは、ふと裸足で走ってみようかと思いついた。骨には靴を履かない方がいいということを何かで知っていたからだ。

「裸足から直接伝わる地面の感覚にビリビリした。」

出典 http://www.popsugar.com

思いきって裸足で外に出た。走ってみたら関節は痛まなかった。その代わりに足の裏の皮膚が痛かった。とりあえず2週間試してみようと思った。そしたら足の裏の皮膚も強くなるだろうと。

それからは、どこにでも裸足で行った。お店、パブ、ギャラリー、クライアントとのミーティング。裸足で歩くことの痛みが無くなったが、足の感覚がとても敏感になった。そして毎回、色んな場所を歩くのが楽しみになったという。

「特に横断歩道のあの白いペンキの部分を歩くのが好き!」

出典 http://www.finlandforum.org

足の裏から直に伝わる感覚が何とも爽快だという。「横断歩道の白のペンキの部分なんか、すごく気持ちいのよ!」裸足で生活するようになってから、どんな道でも「地面を踏み締めて生きてる」という感覚がするようになったとビーは語る。

そして2週間後、久しぶりに靴を履いてみた。しかし、窮屈なだけだった。だからもうこれからは靴を履かずに生活することにした。「すごく自由になった気分よ。まるで世界と繋がってるって感じでワクワクするわ。」

ピークディストリクトという国立公園で有名な場所にもよく行くビーだが、「岩のゴツゴツしたところを歩くのが気持ちいいわ」という。

友人たちはそんなビーを心配した

出典 http://www.lushome.com

友人たちには理解しがたいことだったのだろう。そしてビーが怪我をするんじゃないかと心配した。「でも私は裸足でいる方がハッピーなの。」一応、かかりつけの医師にも相談したビーだが、医師からは「特に反対する医学的理由はない」と言われたという。

元々、靴を履くことがあまり好きじゃなかった。裸足生活をするようになってからは、持っていた靴を友人やホームレスにあげた。在宅ワーカーなので、会社に行く必要もない。クライアントとの打ち合わせには裸足で行くが、理由を説明すれば誰も気にしないということだ。

「仕事をちゃんとしていたら、裸足だろうが何だろうが関係ないもの。」住んでる街の人の反応で一番多いのは、「あら、あなた、靴履いてないわよ。知ってる?」と言われることだそうだ。

「ジョークで返そうかと思うこともよくあるわ。」

出典 http://www.reddingnews.info

「靴、履いてないの気付いてる!?」って言われたら「あら!ほんとだ!何か忘れてると思ったら!って言おうかなとも思うけど、普通に説明してるわ。私にはこれが心地よくてハッピーなのよ、って。」

確かに筆者も彼女が裸足でバスに乗って来た時に、「靴はどうしたのだろう。」と疑問に思った。服装はきちんとしてるのに、靴だけ履いてないなんて。「忘れてる!?まさか!」そんな思いがふと頭をよぎったのだ。

「何人かは、そんな勇気自分も欲しい、って言うわね。」

出典 http://www.care2.com

裸足で生活ー怖いけどきっと慣れたら気持ちいいだろうと思うのは確かだ。しかし、私達は外で靴を履く習慣に慣れてしまっているので、裸足だと裸で歩いているような気持ちになるだろうと思う。

でも、ビーのように「裸足で生活できたらなー」と思う人もやはりいるのだ。しないだけで。ビーは言う。「考えてみて。家でもホリデー先でも、まず先にすることって靴を脱ぐことなのよ。私はその延長線上で生活してるだけよ。」

「もちろん、切ったりすることもあるわ。」

出典 http://www.gettyimages.co.jp

ガラスの破片で怪我をすることもあるが、大したことにはなったことはないという。「犬のウンチだって踏むこともあるわよ。でも草で拭いて後で水で洗えばいいだけよ。」

しかし、バーやレストランなど、特定の場所では入場を拒否されることもある。そんな時には、ごまかし程度に足先に、紐のついたリボンを付けるのだそうだ。「サンダルに見えるみたいで、これだけ誰も文句言わないわ。」

パートナーは最初、ドン引きした

出典 http://www.gettyimages.co.jp

「初めてパートナーに出会った時は、このサンダルもどきを履いてたと思う。でも私が普段は裸足で生活してるって言ったらドン引きしたわ。普通の人はやっぱり驚くでしょうね。」でもすぐに理解を示してくれたという。

ただ、ホリデーでアメリカに行った時も、ギャラリーでは入場を断られ、9.11のメモリアル記念館でも「リスペクトが足りない」と言って、裸足では入らせてもらえなかったために、ビーチサンダルを買った。

「今までずっと裸足で生活して、逆にそれに慣れてたから、サンダル履いて変に感じたわ。」

7歳と9歳の2児の母でもあるビー

出典 http://www.gettyimages.co.jp

子供の母親という立場から考えると「果たして裸足の生活は子供の躾けにいいのだろうか?」と思う人も少なくないようだ。ある日、タウンセンターで児童福祉のスタッフに呼び止められて色々質問されたという。

「なんだか怖かったわ。でも彼らからしたら子供の安全を考えるのが当然だものね。一応私の子供達は靴を履いて学校に行ってるわ。将来、裸足で生活したいって言えば、それはリスペクトするわ。」

イギリスの寒い冬でも、裸足での生活を貫いているビー。「ヒートテックのレギンスを履いてるから大丈夫!」冬はチャレンジだというが、もう裸足生活5年目だ。「きっと一生裸足で生活するわ。その方が私には合ってるもの。」

今度、街中で彼女を見かけても、もう驚かない筆者だ。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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