記事提供:長谷川豊 公式ブログ

大阪都構想のなれの果ての姿をお伝えしておきたい。

何度か触れているが、私は大阪で毎週金曜日に夕方のニュースを担当している。この4月からキャスター就任に当たり、特に5月17日のいわゆる「大阪都構想」の住民投票にはとても高い関心と期待を寄せていた。

賛成になったとしても反対になったとしても、これだけの住民が「しっかりと勉強を」し、「誠意をもって参加」できる機会など、日本ではそうそうなかったのだ。

音頭を取った橋下大阪市長も素晴らしかったし、懸命に闘った柳本大阪市議をはじめとした反対派も立派だったと思う、と住民投票の直後に総括した。

その理由はただ1点だ。お互い、しっかりと主張し合ったからだ。

賛成派は「大阪を発展させたい!そのためには意思決定機関がスムーズでスピーディな対応をすることが不可欠なはずだ!」として2重行政になっていると指摘した大阪市を解体し、広域行政の意思決定機関を大阪「都」に集約させる…そう主張したのだった。

反対派は、「慣れ親しんだ大阪市をわざわざ解体する必要はない。コストも大きくかかるじゃないか!」とし、その代わりに、大阪府・大阪市・堺市が中心となって運営する「大阪会議」という会議を提案した。

乱暴に市の解体などを行わなくとも、この会議で大阪の未来について進めていけばいいはずだ、と、そう主張したのだった。

結果は皆さんもご存じの通りだ。

僅差で反対派の勝利。橋下大阪市長は政界からの引退を表明し、大阪会議の開催に賛同。これで大阪は、一丸となって進み始めるものか、と期待された。

私もキャスターの一員として、当然、その第1回会議となった7月24日、現場へと駆けつけたのだった。

結論から言おう。そこに会議などは存在しなかった。

そこにあったのは、大阪都構想のなれの果ての姿。ただの惨状が広がっていた。

そもそも、会議の進行システム自体が、全然詰められていない。大阪自民党府議団などは、イライラした挙句、途中で突然、意思決定の仕方を自分たちの都合のよいように変更しよう!と提案をはじめ、会場からは失笑が漏れる始末だった。

そんなこと、出来るわけないだろう。それは、さすがに傍から見ていても当然のことだった。

なんだこれは?

一体何人の大阪市民が、忙しい中住民説明会に足を運び、一体何人の大阪市民が真剣にメディアを見て、大阪の未来のために住民投票に参加しようとしたのか?

焦点は一つだ。

橋下氏や維新側としては、「2重行政の解消」を大名目に掲げている以上、そこを譲ることは出来ない。当然だ。そこを譲ってしまってはもはや維新が維新たりえない。

しかし、自民党側は…いや、正確に言おう。自民と一口に言っても、中央と「大阪自民」とは隔たりがある。なので、「大阪自民としては」と言おう。その「大阪自民」としては

「無駄な2重行政などない」

と言いたいのだ。実際にそう主張してきたのだ。そして、多数を獲得した経緯もある。なので、2重行政に関しては、お互いに言いたいこともあるのだろう。それは理解できる。しかし、下記ニュースが、先ほど、産経新聞より配信された。

【大阪会議】わずか2回目で流会“空中分解”堺市長と自民、共産の欠席で定足数満たさず

なんだこれは?目を疑った。会議の開催を訴え、会議の運営の中心を担わなければいけない自民党が

欠席…?

よく見ると、共産党も欠席している。公明党は参加しているようだが、そもそも、自民も共産も欠席なので、定員に満たなかったらしい。なんだこれは?なんなんだ?これは?

他の記事をよく読むと、大阪自民党議員たちは「橋下氏や維新が大阪会議の進行を邪魔している!」と声高に被害者ぶって勝手に欠席したらしい。いったい何言ってるんだ?この連中は?

価値観が違う人間が集っているのだ。

会議が円滑に進行しないのは当たり前のことだ。

そんなことを言うのなら、大阪都構想の「邪魔をした」のは、5月17日前の大阪自民党だという論理も成り立ってしまう。政治の世界に与党と野党が存在するのは、あまりにも当たり前の話だ。それらを踏まえた上で、

「大阪会議で全部解決できる」

と言っていたじゃないか。橋下氏は「絶対に出来ない」と言っていたが、それでも「出来る!」と言い続けていたじゃないか。その大阪自民党を大阪市民たちは信じ、「じゃあ、無駄なコストが省けるのであれば…」と、反対票を投じた人も少なくないのだ。

つまり、大阪自民党には、「大阪会議」を円滑に進め、大阪を前進させる「義務」がある。その大阪自民党が

欠席だ?

一体何を考えているのか?しかも、ご丁寧に、被害者面か?被害者面したいのは、出来もしない会議を「対案だ」と吹聴され、それを信じた大阪市民じゃないのか?

私は常々、「民主党はもう解体すべきである」と主張している。その理由は単純で、「ウソをついた」からだ。

あれをやる!あのお金を出す!聞こえのいいことばかりを言って、あげく、そのほとんどをしなかった。それは「ウソ」というのだ。ウソツキを政治家にしておくのは、国にとって損害である。

我々メディアの人間、とりわけ、キー局や準キー局の人間は『公平で公正』な報道を求められている。

自民にも維新にも、公明にも共産にも、はっきりと告げておくぞ?

我々はあなた方に『公平』な報道などするつもりはない。我々は、放送法に基づき、「視聴者に対して公平で公正な」報道をするのだ。

私がテレビ大阪のニュースキャスターを務めている以上、私は「大阪府民」の未来のためにならないと判断する政治集団がいるのであれば、それは

遠慮なく叩きのめす。

文句があるなら、いつでも私のニュースに出て来い。いくらでも主張させてやる。もちろん、私が反論しない保証はないだけだ。確認しておくが、

頑張って、努力して、それでもなかなかうまくいかなくて…

そういう会議を否定する気はない。大阪のために進もうとする意志があるなら、それは否定しない。繰り返すが、与党と野党は存在するのだ。ケンカするのは、それはしょうがない。

が、「欠席」はするな。

少なくとも、運営側の人間が欠席してどうするんだ。話が進まないというよりも、話が「始まらない」だろうが。

大阪自民は「大阪会議で、話し合いで解決できる」と主張したはずだ。出来ないのか?だとしたら、民主党と同じ、ウソつき集団なのか?

どう判断するのかは、まだ見極めたい。ただ、11月22日には、大阪では知事と市長のW選挙がある。早晩、見極める必要はあるだろう。

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