ハワイ諸島オアフ島に住む写真家、ダイアナ・キムさん(30才)。彼女がプロジェクトの一環でホームレスの人たちを題材に写真を収めはじめたのは2003年の事。

ダイアナが初めてホームレスを題材に写真プロジェクトを始めたのは彼女が大学1年の時でした。両親の離婚や生活環境で苦労して育ったダイアナは、ホームレスの人々が抱える経済的問題や心の葛藤に共感する何かを覚えたのです。

ホームレスプロジェクトを行い続けて9年、衝撃の瞬間が訪れます。それは生き別れた父との再会。

いつものようにホームレスの人たちの写真を撮るダイアナ。そして彼女はある1人の存在に気づきます。痩せこけ、顔つきも体つきも変わってしまっていましたが、それはダイアナが5歳の時に生き別れた実の父親だったのです。

ダイアナの人生の軸となった”写真”。ダイアナが写真家になろうと決めたのは、生き別れた父親の影響からでした。写真スタジオを営んでいた父親は、ダイアナが5歳の時に母親と離婚、そして家を出ていったのです。

両親の離婚後、ダイアナの人生は一気に底辺まで落ちていきました。彼女は親族や友人の家を転々とする生活を余儀なくされ、時には公園、車で寝泊まりするという過酷な生活を数年間送ってきました。

彼女は、生き抜くために大変な苦労をしてきたのです。その過去があってこそ始まったホームレスプロジェクト。まさかその中で父親と再会するなんて、誰が想像できたでしょう。

彼女が父親だと認識した時、ダイアナは話しかける事をとても躊躇しました。何故なら父親は、信じられないほど痩せこけ、そして重度の統合失調症に苦しんでいたのです。どう話しかければよいのかわからず苦しむダイアナ、しかし彼女は決意しました。

"私は最終的には、交差点の角に佇む父に歩み寄って声をかけました。でも、彼は振り向くことも返事をすることもなかったわ。だから、私は何とかかれが私を見て、娘だと気付いてもらうため彼の正面に立ったの。そしたらあるホームレス女性が私のところに来て

「彼はいつもそこに立ってるのよ、邪魔するんじゃないよ」
って言ったの。”

私は、その女性に対して、そして世界に対して叫びたかった”彼は私の父親なのよ!”って。でも、叫んだところでこの状況は何も変わらないから、私は叫ぶ代わりに彼女に対して面と向かってこう言ったの。

”I have to try(やらなきゃいけないのよ)”

ダイアナは、何とか父親の生活を変えようと、ほぼ一年半を共に過ごしました。「写真は単に画像の作成に関するものだけではありません 。それは世界を経験し、私が惹かれる人や物との関係を共有する為の、言わば私の”窓”なのです。

写真は、レンズを通して見たその瞬間や、私の気持ちを捉える事ができます。私の父がホームレスになるずっと前、私の目標は、街に住んでいるホームレスの人たちを再び人間らしい生活に戻す事でした。彼らはそれぞれの過去や歴史を持っている、そして私は私自身の経験を共有することによって、それが新たな視点を与えるのに役立つことを願っています。」とダイアナは語りました。

しかし、長年のホームレス生活と統合失調症による影響は、ダイアナに大きな試練を与えたのです。

彼女からの支援の申し出を頑なに拒否する父親。

"もはや回数も数えることが出来ないほど、私は、幾度も路上で父の隣に座り、彼の将来を考えていました。私は、ただそこに座って、静かに祈っていました。ただ奇跡を求めて、彼が私の援助を受け入れることだけを望みました。

彼は、全ての治療を受けることを拒否し、薬の服用も拒否し、食べる事も拒否し、入浴することも拒否し、そして新しい服に着替える事も拒否しました。彼が良くなるかどうかすら、定かではありませんでした。私は、彼が路上で死んでしまうのではないかと思ったこともありました。”

そしてある日、ダイアナのもとにかかってきた1本の電話。なんと父親が心臓発作で倒れたのです。

彼女のもとにかかってきた突然の電話は、路上で生活を共にする他のホームレスの人からでした。ダイアナの父親が心臓発作で倒れ、ダイアナに助けを求めてきたのです。父親は即座に病院に運ばれ、治療を受けることが出来ました。

この入院をきっかけに、父親の生活は大きな変貌を遂げることになったのです。

更生プログラムを経て、パートタイムの仕事も見つける事が出来た父親。彼の人生は娘の救済により再出発したのです。

「私は、私自身が成長する機会として、この精神的な挑戦を受け入れ続けることを学びました。ホームレスの父親と過ごした2年間で、私は、今まで私の生涯を通して見ていた父よりももっと彼を知ることが出来ました。

当初父に何の希望も見いだせず、絶望感で諦めようとしたこともありました。しかし、希望は常に何らかの形で戻って、諦めず続けることができました。

人生そのものが贈り物なのです
。私は彼が生きている事、そして良い方向に向かっている事を本当に嬉しく思います。

私たちが今持っている全ての物に対して感謝
の気持ちでいっぱいです。」そうダイアナは語ります。年々自殺者の数が増す日本。今自分が持っている物に感謝できると、その数も減っていくのではないでしょうか。

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