うのたろうです。
年のころは青年と呼ばれるほどですが、具体的な年齢はふせさせてください。ちょいとある方面から命を狙われているので。
普段はライターという職業につき、冴えない顔をしています。そして毎日PCのまえでキーボードを打つという地味な作業をしています。至って普通の男です。

しかし、これはいわば仮の姿。ぼくがおこなっていることは決してただ文章を書くことなんかじゃありません。

え?
いっている意味がわからないって?
きいたことがありませんか? 「ライター」という特殊能力を。


特殊能力ライター――それはぼくの職業ではなく、ぼくの裡(うち)に秘められた光のエネルギー。だから本当のスペルは「writer」じゃなくて「lighter」――「裡に光を宿した者」という意味になります。


世界にはライターという光の特殊能力者がぼくのほかにもたくさんいます。
そういった人たちはKey Board(世界の鍵となる主要人物)と呼ばれ、裡に秘められた光を、PC(Parsonal Command(o)=個人の特殊攻撃部隊員がおこなう独自判断による実行命令)によって具現化し全世界に発信しているのです。

そして世界を平和に導く。手段は心に訴えかけるという方法で。

だってほら、文章を読んだとき、ほっとしたり笑ったり、もしくは泣いたり、怒りを覚えたりするでしょう?

これはぼくらライターの能力者たちが、その力をつかい心に訴えかけているからにほかなりません。そう、人の心を自在に操る能力。それがぼくらライターの本当の能力なのです――

というわけで。
お薬だしときますねー。
1680円でーす。脳みそにぐりぐり塗りこんでくださーい。3時間おきに。一日8回。

はい。
厨二病です。

なに、ライターって?

光を宿し者?
世界の鍵となる主要人物?
パーソナル・コマンド?
なにコマンドとコマンドーかけてるの?

ボクハ、バカカ。
バカカ、ボクハ。
ハーズーカーシーイー。

と。
まあ、そんなバカな設定からお話しいたしました。
今日のネタは「厨二病」。ちまたでよくきく思春期特有の精神疾患。これがいったいどんなものなのか?

もうすでに半分以上、ネタバレしちゃっていますが詳しく見ていきましょう……

厨二病について

厨二病の読み方は「ちゅうにびょう」。
この厨二病(中二病)には大きくわけて3つのタイプがあります。

ちなみに。
先ほどぼくが発症した厨二病は最初期の段階のものでもっともメジャーな症状です。思春期の少年少女が患う恥ずかしい妄想癖。それが厨二病の基本です。

もっともこれはただ恥ずかしいだけじゃありません。子どもから大人になるためのだいじな工程。いわば通過儀礼のようなものでもあります。子どもはこういったさまざまな妄想をすることを経て、心身ともに成長し立派な大人になっていくのです。
いわば自分という「個」を形成していく段階において必要な成長過程の一部だというわけです。

それにしてもぼくはどこで個の形成を間違って、こんな感じになってしまったのでしょうか?

厨二病の語源は?

厨二病という言葉の始まりは、伊集院光のラジオ番組。『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)のなかのコーナー『かかったかな?と思ったら中二病』というものです。

このコーナーはリスナーが疑わしい症例をラジオに投稿し、それを番組内で鑑定したのち「中二病認定」していくといった趣旨のもの。そのコーナーのおもしろさがネットなどから広がり「厨二病」という言葉が世間に定着しました。

では、そんな厨二病。先ほどお話しした3タイプとは、どんなものなのでしょうか?

その①「邪気眼系」

邪気眼系(じゃきがんけい)と呼ばれるものは厨二病でも一番メジャーな症例です。
これは冒頭でぼくが説明したような、めんどくせー……というよりかったりい設定を自分につけたがる症状といわばわかりやすいでしょうか?

こういった妄想のほかにも包帯、眼帯、革手袋、チョーカー、十字架、堕天使の羽、黒×赤などに心ひかれるという症状もあらわれます。

またこの妄想にオリジナリティはほとんどなく、たいていはそのときにハマっているアニメや漫画からの流用、アレンジがほとんどです。

女性の場合は、脳内彼氏(2.5次元)を生みだす場合もあります。設定はとてつもなく痛々しく、22歳エリート医師(過去に伝説の不良だったが今はその過去を隠しているためやさしい、しかし私がチンピラにさらわれたりしてピンチになると、ついついそのころのケンカっぱやさが顔をだしてしまう)などといった感じで、頭をかかえながら畳をゴロゴロしちゃうような妄想を平気でします。

ちなみに、ぼくは気持ちがたかぶると左腕に封印している最凶にして最強の暗黒ライターの黒い十字光(クロス・ライター・ダークネス)が暴走してしまうので、それを抑えるのに苦労しています。だって、こいつが目覚めると、ぼくがぼくでいられなくなってしまうから。そうなると、もうきみのまえにはいられなくなってしまうから……

まあ、こんな感じです。
めんどくせー設定付きの「おれ、最強」。これが邪気眼系の厨二病の症状です。

その②「DQN系」

DQN系(どきゅんけい)――これも厨二病の一種だといわれています。ドキュンというのはあのドキュン。ようするに反社会的なことがカッコイイと思う、田舎のマイルドヤンキーというやつです。

最近はザイル系などとも呼ばれています。服装は黒×金のセットアップジャージ。クロックスかキティサンダルを履いて尻ポケットにはパチモンのルイ・ヴィトンのモノグラム。車高を低くしてコンソールパネルに白い毛玉をおいたBbで深夜のドン・キホーテにあらわれるような感じといえばわかりやすいでしょうか。

もっとも、このタイプの厨二病は上記のように大人になっても治らない場合が多々あります。発症時期はやはり中学校2年生ということがほとんどです。反抗期と重なっているので、そのついでに厨二病を併発してしまうという患者が毎年一定数います。

発祥の経緯は、どこの学校にもひとりはいる悪い先輩。
彼らを遠くから見ての憧れがどこでどう間違ったのか、おかしな形で具現化されたものがこのDQN系厨二病です。ですので、実際に本人はワルではありません。ワルに憧れているのです。

そのため、ケンカはしません。したこともありません。でも最強なので威張ります。周囲をむやみに威圧します。だっておれは問題児。ルールなんて、くそくらえ。先コーなんて怖くねーです。やべえ、マッポだ、このあいだのアレがバレたのかもしれない(駅のトイレで壁を殴ったこと、壁は無傷)。

まあ、こんなことを考えだしたらそれは立派な厨二病です。

その③「サブカル系」

サブカル系(さぶかるけい)も立派な厨二病です。
しかもこのサブカル系というのは非常にやっかいで、一度患うと根治するのがとても難しい、最悪の厨二病です。

特徴はスターバックスの窓ぎわでわざわざそこでやる必要のないレポートを書く大学生といえば想像しやすいでしょうか。テーブルには毎度新作のナンチャラフラペチーノ。そしてずらりとならぶ多数のアップル製品。ちょっとゴツめのヘッドフォンがつながっているiPhone。そこから流れているのはアングラ系のジャパニーズ・ポップ・バンド。ジャンルはロックということのようですが、がちゃがちゃしたのはダサくて嫌い。それよりも好みの音は、インディーズ・ロック。張りのない、なよっちい声で長文ワードを早口でつぶやくだけの流行テンプレート音楽です。

これも上記のように二十歳をすぎてもなかなか抜けられない厨二病です。へたをすれば一生つきあっていかなければいけない可能性まででてきてしまいます。

これも発祥経緯は、そういった先人を遠くから見ての憧れ
やはり時期は中学2年生ころでしょう。お金のない中学生にとっては、ガラスの外から眺めるスターバックスのお客さんがとてもカッコよく見えるのです。

そしてその憧れがどこでどう間違ってしまったのか、独自の解釈を経ておかしな形で具現化されてしまいます。

その結果が、コーヒー大好き。お酒詳しい。音楽だってメジャーなものはチョーだせー。それよりも、もっとおまえら本物を聴け(といっても本物がなにかは知らない)。なんていううえから目線の厨二病モンスターが誕生します。

このタイプの厨二病患者ははっきりいってDQN系よりもやっかいです。っていうか、むかつきます、心底。「自分は普通とは違う」という選民意識の塊で中身のないにわか知識を振りかざし、到底理解できない価値観を押しつけてきます。

こういったタイプの厨二病はへたをすれば社会人になっても症状が出続ける場合もあるので注意が必要です。

まとめ

と、まあ。
これが厨二病と厨二病患者の症状です。

彼らへの対処法は、はっきりいってありません。
生温かい目で見るか、絡まれないように気をつけるかという消極的な自衛手段をとるしかありません。

だって「おれ、最強」の人たちにはなにをいっても暖簾で釘ですから。話にならない人とは会話が成立しませんし、会話ができないとなるとコミュニケーションによる更生など不可能ですものね。

したがってこればかりは、本人が恥ずかしさにジタバタしてしまうまで見守るしかありません。へたをすればずっと続く病気かもしれませんけれどね。

唯一できる手段といえば、われわれ大人が間接的にでもカッコイイ背中を見せてあげることだと個人的には思っています。

自分には特殊能力なんてない。選ばれた人間でもない。
社会の一部としてのみ存在し、街という舞台のぱっとしないキャストを演じる。
そこには自分のほかにもぱっとしない人たちがたくさんいて、いろいろな考え方を持った人があたりまえのようにぼくとおなじく生活している。

みんな違って、みんないい。
もちろんさまざまなしがらみやルールのなかでね。

ぼくはそう、名もないただの「ぼく」だけど、それはほかの誰でもない。

それでいいじゃないか。
この左手に封印したクロス・ライター・ダークネスの力には、ぼくはもうたよらない。
Lighterとしてのぼくの役目はもう終わった。世界は光で満ちている。

だからもう、ぼくはこれから普通の人とおなじようにPC(Parsonal Computer)のまえで、ただの道具としてのキーボードを打つ冴えない生活を送る。

そう、文字を書くひとりのWriterとして。

だけど、文章を見たときにはふっと思いだしてほしい。
もし、きみがぼくの文章を読んで笑ったり、泣いたり、ほっとしたり、怒りを覚えたりしたときだけでいい。そのときには、ぼくがLighterの力を使っているかもしれないからね。

というわけで……

お薬だしておきますねー。
脳みそにぐりぐり塗りこんでください。一日最低10回以上。
はい、次の患者さーん。どーぞー。

厨二病。
うのたろうでした。


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