親として、子どもをきちんとしつけなきゃと思って頑張っているママ。
子どもが悪いことをした時は、一所懸命叱っているのに、同じことをしてもパパはちっとも叱ってくれない。
子どもがいつも言う。
「パパはやさしいから好き~。ママは怒ってばっかりで嫌い~~~」

「私だって叱りたくないよ。でもあなたが困るから叱ってるんでしょ!」って怒鳴りたいのを我慢していたら、涙が出てきた。
「なんで、私ばかり、こんな損な役回りをしなきゃいけないの?」
「子どもがかわいいのは私も同じなのに、まるでパパだけが、子どもから愛されているみたいじゃない!」
「子どものお弁当を作っているのも、子どもが汚した服を洗濯しているのも、子どもの食べこぼしを掃除しているのも全部私じゃないの!」
「なんで、ただ一緒に遊んでいるだけのパパになついて、こんなに世話をしている私が、子どもから嫌いって言われなきゃならないのよ!」


本当にママって損な役回りですよね。
でもね、こんな損な役割りができるのは、子どもとの強い絆があるからこそなんです。
叱っても子どもとの絆は切れないって自信がなきゃ叱れないんです。

ママにはお腹の中からの強い絆があるんです。でも、パパにはありません。
極端なことを言うと、子どもが確実に自分の子かどうかさえ、パパにはわからないのです。それくらい、パパと子どもの絆って、言ってみれば薄いんです。
だから、パパは一緒に生活していきながら、子どもとの絆を作っていくしかないんですね。

子どもを叱らない甘いパパは、子どもがただただかわいいというだけでなく、まだ子どもとの絆が十分にできていると感じられないのかもしれません。
だから、怖くて叱れないのかもしれないのです。もちろん、パパはそんな風に意識はしていないでしょうけど。


私は、3歳から6歳までの子どもを預かる仕事をしていて、叱ることは大切だと思っているので、必要な時はしっかり叱ります。
でも、新しく入園してきた子どもをすぐに叱ることはありません。まずは褒めて自信を持たせます。
なぜなら、その子とは当然ですけど、まだ十分な絆がないからです。

1か月くらいその子を観察します。
強く叱っても平気な子もいれば、強く叱られると落ち込んで、それを引きずってしまう子もいます。
それが、わかるまでは、叱るのも恐る恐るです。小出しに叱って反応を見ながら、その子に合った叱り方を探るのです。
そうして、その子に合った叱り方が分かったら、ようやく日々の生活の中で叱っていけるのです。


パパにも子どもを観察し、絆を作る時間をあげましょう。
いろいろな出来事の中で、子どもがどう反応するかを何度も何度も見続けないと、子どもの性格や特性はわからないものです。
わが子と言えども自分とは違う人間、朝早く出かけて、夜遅く帰ってくるようなパパには、なかなかわからないでしょう。長い時間が必要です。

子どもも、ママとの絆が深いから「嫌い~」なんて言えるのです。
言っても絶対自分を見捨てないという自信があるからです。言い方を変えれば、それくらい強い絆を感じているということです。

叱り役が損だと感じたら、このことを思い出してください。
叱り役は、強い絆を持ったママだからこそできる大事な役割なのです。

この記事を書いたユーザー

平川裕貴(ひらかわゆうき) このユーザーの他の記事を見る

元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを神戸と大阪に開校。外国人講師による子ども英語教育の先駆的存在。

1995年、阪神淡路大震災に遭遇、教室・自宅とも多大な被害を受ける。
震災から得た教訓も活かし、2006年、インターナショナルプリスクール(英語の幼稚園型スクール)を設立、英語教育と人間教育に取り組む。現在3歳から6歳までの子どもを、幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルに育てている。

長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱。スクール経営の傍ら、これまでに得た教訓や知恵や知識を伝えるべく執筆活動を開始。
幼児教育研究家。文筆家。コラムライター。英語講師。マナー講師。

ウレぴあ総研『ハピママ』や『IT Mama』に、子育てや英語関連の記事執筆。
フジテレビ『ほんまでっかTV』 に子ども教育評論家として出演。

著書『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾン)
『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)

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