イタリア在11年、イタリア人の夫との結婚生活8年半の筆者。イタリア人との国際結婚でイタリアに住み「あーーーー!やってしまったーーーー!」という日本人独特の失敗があります。それは…夫を人前で“けなす”ということ。

他人から夫を誉められれば、日本人の筆者としては「そんなことないんですよ。○○はできないし、××はダメだし…」と、謙虚でいるために身内である夫をけなしてしまいます。冗談として受け取ってもらえる場合もあれば、いつもそう言っていると「夫婦関係は大丈夫だろうか?」と思われることも…。

それよりも深刻なのは、けなされた夫が本当にショックを受けることです。「僕はそんなにダメな夫なのか…。」と本当に思いつめてしまうことが当初時々ありました。「日本では身内を誉めないんだよ。」と説明しても、イタリアでイタリア語で言ってしまっているので、なかなか理解してもらえませんでした。(今では他の日本人妻もイタリア人夫のことを人前では誉めないと知り、謙遜ということを理解したようですが…。)

自分を下げて相手を上げるという日本独特の文化を理解してもらうのは海外ではなかなか難しいのです。

イタリアでは一けなして十誉める

イタリア人を見ていて感心するのは、男性も女性も人を誉めるのがとても上手だということです。

イタリア人は子供をよく誉めます。とてもよく誉めます。日本人の私からすると甘やかしすぎではないかと思うくらい誉めまくります。だからなのでしょう、イタリア人は誉められることに慣れており、自分の長所や強みを知っている人が多いです。それに、傲慢とは違った自分に自信を持っている人も日本人より多いように思います。また、自分に自信があることからの余裕でしょうか、人を誉めることが大変上手です。

特に、身内、家族を誉めることに関してはスゴイ才能を発揮します。日本人ならば身内や家族をあまり誉めると恥ずかしくなってきますが、イタリアでは両親は子供を、夫は妻を、妻は夫を誉めまくります。それは他人の前でも、自分たちしかいないときでも同じです。

もちろん、イタリア人だって喧嘩もしますし、子供も叱ります。しかし、一けなして十誉めるというやり方のようです。

日本の母をトド扱いしたとき、私のイタリア人夫は…

先日、テレビを見ていると、沢山のトドが海岸で日向ぼっこをしている映像が映りました。その映像を見て、私が「○子(←筆者の母の名前)、○子、○子、○子がいっぱい!」と冗談で言ったところ…

隣にいたイタリア人夫はそれを聞いて、ものすごく筆者を睨むのです。そして、「お母さんのことをそんな風に言ったらダメ!」と母をかばうのです。母はその場にいなかったのに…。

そんなことからも、「あぁ、やっぱりここイタリアでは家族をけなしちゃいけないな。」と改めて感じたのでした。(母よ、ごめんなさい。)

誉められるとくすぐったいけれど、悪い気はしない

いい大人の筆者ですが、イタリアに来てから夫や周りのイタリア人に誉められたとき、少しくすぐったいものの、悪い気はしないものですね。いくつになっても誉められると嬉しいものです。

わざとらしく誉めたり、こびたりするのではなく、相手の努力と能力を認めて誉めるというのはなかなか難しいことではありますが、人は誉めれば誉めるほど伸びるのかもしれないということを、イタリア生活を通して筆者は実感しています。

日本語講師として働く筆者。イタリア人学習者たちはほとんど大人の人たちですが、やはり誉めるとよく伸びるのです。「先週できなかったことができるようになったね。」と言うだけで、学習者のやる気が変わってくるのです。

イタリア人の夫も同じです。「作ってくれた料理、美味しかったよ。」「仕事、上手くいってるんだね、すごいね。」その一言で数日間は機嫌よくいてくれます。

筆者も誉められると「じゃ、次もがんばろう!」「次はもっと上手くやろう!」と思いますからね。他の人もきっと同じなのだと思います。

今日から家族をもっと誉めよう!

日本社会には謙遜・謙虚といった独特の美徳があります。謙虚でいることはイタリアに住む今も忘れてはならないことだと常に自分に言い聞かせています。

でも、自分が謙虚でいることと、家族を誉めることは別のことではないでしょうか。

「よくできたね。」「がんばったね。」「すごいね。」「さすがだね。」「ありがとう。」…これらの言葉は何歳になっても言われて嬉しい言葉、人を幸せにする言葉だと思います。

日本社会ではやはり他人の前で家族を誉めるのはなかなか難しいですが、せめて他人がいないときは、もっと家族を声に出して誉めてみませんか?

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2004年よりイタリアはフィレンツェに住んでいます。
イタリア人の夫と黒猫1匹との生活。
日本語講師としてイタリア人に日本語を教えています。
魅力的なイタリア、不思議なイタリア、海外から見た魅力的な日本、不思議な日本を中心にお伝えしていきます。

普段のイタリア生活についてはアメブロに書いています。
http://ameblo.jp/firenzefungo/

トスカーナ、フィレンツェ観光に関してFirenze in Tascaというトスカーナ、フィレンツェ個人旅行サポート会社のサイトにて記事を執筆中。
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