食品スーパーの店員をしております。先日おにぎりがまずいと言って返金を要求してくるお客様がいました。そのお客様は当店でおにぎりを買うのは初めてです。

店として判断に苦しみます。

美味しい美味しくないは好みの問題であり、本来はそういった返金はお断りするのですが、食の安全を守る立場として、万が一のことも考え今回だけはということで返金に応じました。

お客様が以前に買って食べたことがあり、いつもと味が違うとおっしゃるなら理解も出来るのですが初めて食べて美味しくないと言われるのは、個人の嗜好の問題か?それとも商品そのものになんらかの異常があるのか?店として判断に苦しみます。

今回はその判断に苦しむ店の立場を知っていただきたいと思いました。

※私が撮影したものです。

そもそも比べてる対象は何なのか?

「美味しくない」そう言われるお客様。例えば、いつも買って食べてるけれど、いつもと違い明らかにおかしな味がする。その場合は、なんらかの異常があることが考えられます。

しかし、他のスーパー、コンビニに比べて美味しくないと言われる場合。個人の嗜好の問題であることが考えられます。さらに、コンビニのおにぎりは近年かなり進化をしています。

一例をあげるとコンビニ大手のセブンイレブンの大ヒット商品「金のおむすび」上の画像は私が購入したものです。

このおにぎりは価格帯が200円前後と町のスーパーに比べて高価格帯であるにもかかわらず順調に売り上げを伸ばしています。その理由は素材、製法への徹底したこだわりにあります。例を上げると・・・

 日本穀物検定協会の米の食味ランキングにおいて最高(特A)評価のお米を使用
  
海苔 なんと摘み回数まで指定した厳選の有明海産を使用

成形 ごはんへのダメージを抑えた、ふっくらと仕上げるHOT成型

その他 ふっくらしたおむすびを締め付けないように包材にもこだわり美味しさをさらに追及しています。

コンビニのおにぎりが高級化、こだわり化をしているのに対して、いまだに低価格競争から脱却しきれてない町のスーパーが、コンビニのこだわり抜いたおにぎりと比べられるとかなり辛いのです

おにぎりのクレームのほとんどは個人の嗜好によるものであるのですが、それに対応する店の立場は大変苦しいものになります。どの様に苦しいのか?それは・・・

個人の嗜好の問題?でも万が一のことも考えてしまいます。

他に同様のクレームがないことや、工場のラインで大量に作っていることから、めったなことでは商品に異常があることはないのですが、食の安全を守る立場から、どうしても万が一のことも考えてしまいます。個人の嗜好の問題?商品の異常?判断に苦しみます。

食べたら分かる。しかし半分食べられたものを食べる勇気はありません。

お客様は食べたら分かると言い、半分かじられたおにぎりを目の前に出しましたが、やはり、知らない人が半分かじったおにぎりを味見するのは抵抗があるものです。

では2個買って、そのうちの、かじってない方を食べてみろと言われた場合。これも購入されて店を出られた時点で、そのおにぎりがどのような保存状態にあったかを店は知るすべがありません。万が一を考えると不安が残ります。

100円が惜しい?損得で判断はしていません。

悪質な金銭目的のクレームが存在する食品スーパーですが、おにぎりは1個100円程度のものです。ちなみに当店は67円(税別)です。金銭目的とは考えられません。

さらに食の安全を守る店の立場から、損得で判断はしません。本当にそのおにぎりが安全なものでなかった場合、たとえ大きな損をしてでも、食の安全を守りたい。そのように店は考えています。

それでもあなたは大切なお客様です。

明らかに腐っていた。異物が混入していた。こうなるとかなり大きな問題ですぐに返品に応じ、メーカーへの調査を依頼するのですが、美味しくないという個人の嗜好の問題では、本来は返品に応じられません。

しかしながら大切なお客様の御気分を害したことに店も心を痛めています。どのように美味しくなかったのかを聞き、そして今回だけはと返品に応じることもあります。

「今回だけ」がやっかいな前例を作る場合があります。

本当は今回だけということはしたくありません。それがうわさになり、別の商品でも、美味しくないと返品を迫られることも考えられるからです。

最後に


小売業では厳しい販売競争に勝ち抜くために各社価格以上のサービス、価格以上の美味しさ、価格以上のボリュームを追求し、日々努力をしています。

そして価格以上の美味しさが求められる世の中で、厳しい消費者の批判にさらされています。

個人の嗜好の問題で店は返金に応じる必要はありませんが、お客様の美味しくないという言葉は深く受け止めています。

しかし、商品に異常があるわけでもないのに返金を迫られるのは行き過ぎであると私は思います。価格以上の美味しさが求められ、それが当たり前のようになっている現状ではありますが、今一度価格相応というものに目を向けて頂くことは出来ないか?

その気持ちからこの記事を作成しました。

最後までお読み頂き有難うございます
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