町の獣医師

治療の前にとにかく観察

「呼吸のしかたとか、歩き方とか。見る、体中触る。どうなんやどうなんやって。じゃあなんとなく、私は僕はここが具合悪いねんって何となくわかるような気がするねんね。動物を察してあげるっていう。治療を優先した診察じゃなくてまず動物をみて治療法を構築していく方が、時間かかってもそっちの方が、自分には合ってますね。」

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蓮岡さんはこのように述べました。言葉の通じない動物たちに対して、ただ治療を施せばいいというわけではない。言葉の代わりにひたすら観察する、くまなく触る、そして感じ取ることが大事なのだと。

子供が生まれて感じた愛おしさ

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蓮岡さんも開業してから一貫してこの考えだったわけではありません。苦しい気持ちはありながらも「割り切った」医療を数多くこなしてきたのです。治療しきれなかった動物たちには生きる運命がなかったのだと諦め続けていました。

しかし、蓮岡さんがご自身の子供を授かった時に、命に対する愛おしさに気づかされました。それは同時に飼い主さんがペット達に注いでいる愛おしさを知ることにもつながったのです。

蓮岡さんは一つの思いを胸に刻みます。獣医師は動物だけではなく、飼い主さんの気持ちも同時に受け止める責任があるのだと。

ペットロス

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ペットロス症候群。ペットを何らかの形で失ってしまった時に、心身への異常をきたしてしまう状態です。ペットに対する愛情・愛着がペットの喪失とともに行き場が失くなってしまうのです。

筆者も以前これに近い状態に陥ったことがあります。もらわれてきたチワワと10年の時を過ごしました。前の家で10年、我が家で10年。20年も生きたのですから大往生です。最後は動くこともできないまま、明け方に母親の手の中で静かに命を引き取りました。

この日だったか翌日だったかは覚えていませんが、アルバイトに向かう電車の中で涙が止まらなかったり、赤信号と気付かず渡りかけたり。そんな記憶が残っています。

別れは必ず来ます

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どれだけ愛情を注いでも、どんなに手を尽くしても、ペットとの別れは必ずやってきます。そんな時、できるだけペットを苦しませたくない、だから過度な治療はしたくない。そういう気持ちになるのは自然の流れかもしれません。

しかし蓮岡さんはこのように語ります。

「絶対にあきらめたらあかん。最後まで点滴をして、楽な状態で死なせてあげたほうがいい」

「十分出し尽くす。全て出し尽くす、動物に。で、動物もそれに応える、我々も当然それに応えて、亡くなるのがやっぱり理想ですね。そうすると違う心が出てきますから。あきらめないで、亡くなったら吹っ切れてって。」

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幸せな時間、楽しい気分、愛おしい気持ち。それらを無償で与えてくれたペットだからこそ、最後の時をどう過ごしていくかが大事なのだと。

ただかわいそうだと涙するのではなく、全力で見届けてあげる、全力で寄り添う。これがペットロスによる喪失感を少しでも緩和できる道だというのです。

自然と涙が…

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どんな感動的と言われる番組を見てもほとんど涙を流すことはない筆者ですが、この番組ではなぜか自然と涙が流れてきました。ペットが最期を迎える時を見ていたからというよりも、自分のペットのことが脳裏をよぎっていたのかもしれません。

ただ、その涙は「かわいそう」というよりも「お疲れ様。そしてありがとう。」そんな気持ちから流れた涙だったかもしれません。

歯の悪い犬

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手前味噌のアップ動画ですが、筆者の実家で飼われているチワワです。先代の後がまとしてやってきて、今年の11月には17歳になります。足腰はまだ丈夫な方ですが、さすがに耳が遠くなってきています。人間の年齢に換算すると80歳を越えていますのでね。

歯もあまりよくないので、細かく刻んだ餌を噛むというよりは飲んでいる感じです。それでも食欲があるうちは一安心ですが。

17歳になると地元の区から長寿犬ということで表彰されるそうで。この暑い夏を乗り切ってほしいなと思っています。

ペットを飼うなら「真摯な気持ち」で

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安易な気持ちでペットを飼ってはみたものの、ちょっとしたことでペットを捨ててしまう人が後を絶ちません。

可愛いから飼いたくなる気持ちはわかります。しかし、可愛いだけでは飼えるものではないのです。苦しいことも悲しいことも面倒なことも、全て抱える気持ちがなければダメなのです。

蓮岡さんのような獣医さんに巡り会えるとも限りません。時には全てを自分一人で受け止めなければいけないこともあります。だからこそ、ペットを飼うのであれば「真摯な気持ち」が必要です。

ペットはファッションではありません。尊い命を持った我々人間と同じ立場、あるいはそれ以上の生命体なのです。多少の偏見はありますが、自身の子供ですらファッションやブランドの一つと勘違いしているのではないかと思わせる方もいる世の中です。

それだけにペットを飼うことを絶対に安易なものとして考えてはいけないのです。最後の最後まで向き合える覚悟。その気持ちを常に頭の片隅に必ず置いてペットと向き合っていくこと。それがペットに対する本物の愛情なのではないかと思った次第です。

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