イギリスのノッティンガムシャー州のワークサップという小さな町に、10年前から人形を焼き続ける女性がいる。トリーザ・ラッソン(51歳)だ。彼女の作る人形は、それとは思えないほどの出来栄えだ。

「亡くなったお子さんそっくりに作るあげるから、自分の子供のように接してあげてください。」実はトリーザには悲しい過去があった。それ以来、子供に先立たれた人達に人形を作り続けているのだ。

これまで250体の人形を焼いた

出典 http://www.mirror.co.uk

トリーザは、子供に先立たれた両親の為に、10年前からオーブンで人形を焼いて作っている。「子供の生まれ変わり人形」と言われるほど、亡くなった子供に生き映しと評判が高い。

2005年に息子と母親を失ったトリーザ

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3人の子供の母であったトリーザ。しかし2005年に21歳の息子を自殺で失くす不幸に見舞われた。「毎朝、8時半に電話をくれていたんです。でもその日は電話がなかったの。直感で息子に何かあったと思いました。」

最愛の息子の死から5ケ月しか経っていない頃、トリーザの母も80歳でこの世を去った。二人の愛する者に逝かれた悲しみは、トリーザの心に空洞を作り、暫くの間、その虚しさは何を持っても埋めることはできなかったという。

「息子が亡くなってから、睡眠も食事もできなくなったの。絵を描くことで唯一、少し気が楽になったわ。そのうち、人形を作ろうと思い立ったの。20年以上も前に、母とポーセリンの人形の色付けをしていたことがあって。」

一体作り上げると、不思議とトリーザの心が癒されたという。「だからもっと作ってみようと思ったの。」人形を作り続けることで、自分自身の悲しみの癒しになり、また、子供を亡くした人達の悲しみも癒すことができるーそう思い人形作りをビジネスにすることを思い立った。

人形作成には15000時間。完成には半年。

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「一体、一体丁寧に作り上げるから、本当に生まれ変わりのような人形になるんですよ。」値段は30ポンド(約6000円)~最高額は350ポンド(約70000円)。シリコンの量と、肌の柔らかさによって値段が変わってくるそうだ。

これからも人形を作り続けるトリーザ

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「子供を亡くしたことがない人には、きっと理解しがたいことだと思うわ。でも愛する子供に先立たれて悲しみの底にいる家族にこの人形を作ってあげると、まるで自分の子供が生きかえったかのように思ってもらえるのよ。」

海外からも依頼が届く

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「最近の依頼で最もチャレンジだったのは、アメリカからね。」小さな棺に入った子供の写真をトリーザに送ってきた両親は、生きていた頃の娘とそっくりに作って欲しいという依頼をした。

「半年間かけて、小さい痣まで正確に仕上げたわ。」生まれ変わった我が子のように思ってほしいために、気持ちを込めて人形を作るトリーザ。

息子を亡くしたショックを乗り越えるために始めた人形作りだが、今はトリーザの心の支えにもなっているという。これからも同じ経験をした人達の悲しみを癒すために、トリーザは人形を作り続ける。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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