機内にて

「ちょっとスチュワーデスさん!席を変えてちょうだい」
ヨハネスブルグ発の混んだ飛行機の中で、白人中年女性の乗客が叫んだ。
「何かありましたか?」
「あなたわからないの?黒人なんかの隣には座りたくないのよ!こんな人迷惑だわ」
女性の隣では、黒人男性が憮然とした顔で座っている。

「お客様、少々お待ち下さいませ。空いている席を確認してきます」
乗務員は足早に立ち去り、周囲の乗客はざわざわと不穏な空気。
しばらくして乗務員が戻って来た。
「お待たせしました。ファーストクラスにひとつ空きがありますので、どうぞそちらへ。 本来ならこういうことはできないんですが、隣の席がこんな人では確かに迷惑でしょうと、機長が特別に許可しました。さ、どうぞ」



周囲の乗客は、にこやかに黒人男性を見送った。

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

ご存知ですよね?2ちゃんねるでは有名なこの話。

え?え?と進むテンポの良さ。ヨハネスブルグという場所設定。「こんな人」の使われどころ。読み手はハラハラしますが、最後の最後に大逆転の大団円。

蛇足ながらに解説するなら白人女性と乗務員が共に発する「こんな人」の同じ言葉に込められた意味の違いが後になってわかってきます。

こんな手法を叙述トリックと呼びます。


叙述トリックとは…?

出典 http://lea.verou.me

小説という形式自体が持つ暗黙の前提や、偏見を利用したトリック。典型的な例としては、前提条件として記述される文章は、地の文や形式において無批判に鵜呑みにしてもいいという認識を逆手にとったものが多い。登場人物の話し方や名前で性別や年齢を誤認させる、作中作(劇中劇)を交える、無断で章ごと(時には段落ごと)の時系列を変えることで誤認させるなどがある。

出典 https://ja.wikipedia.org

文章上の仕掛けによって読み手のミスリードを誘い、先入観を利用し、誤った解釈を与えることで、読後の衝撃をもたらすテクニック。もっとひらたく言うとオチがわかると『あ!そういうこと!?』。ある意味では「意味がわかると怖い話」もそれに含まれるものになります。

通常のミステリ作品におけるトリックは、犯人が探偵や警察の捜査を撹乱するために用いるものであり、物語の中で完結した形を取る。これに対して叙述トリックは、作者が読者に対して用いるもので、物語とは無関係に成立することが多い。

出典 http://d.hatena.ne.jp

アガサ・クリスティ『アクロイド殺し』にも使われたトリック。結果それはフェアなのかアンフェアなのか大論争を呼び起こしたこともあります。

端的に言うとどんでん返し

ではでは2ちゃんねるに潜む叙述トリック作品から殿堂入りレベルの逸品をお届けします。あなたはこの驚きの結末が予測できますか!?


消えた妻

金曜日。仕事が終わると僕は仲間と飲み歩き、お金を使いまくったあげく仲間の家に泊まり、2日間帰宅しなかった。 日曜の夜になってやっと家に帰ると、妻が仁王立ち。たっぷり2時間説教をしてから、妻は言った。

「ねえ。もし何日も私の姿が見えなかったら、あなたどう思うの?」
「そりゃうれしいさ!!」

そんなことを言ったからか、月曜日は妻の姿が見えなかった。
火曜日も水曜日も、やっぱり姿が見えなかった。
木曜日になってようやく僕は妻の姿が見えた。



まぶたのはれがひきはじめたから。

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

奥さん、ハードパンチャー!!


自分は二十歳になったばかりの学生(♂)です。

今住んでるアパートは築35年くらいの木造で、駅からも結構距離があります。 トイレは共同だし風呂もついてないけど、とにかく安いんです(まぁ、田舎だし)。 「出る」という噂でしたが、霊感ないので関係ないかな、と。 

そこで暮らし始めて1年ほどたったころから、おかしなことが起こり始めました。 ある日流し台の排水管に何かが詰まって、水が流れなくなってしまったんです。 それだけなら別に何でもないことで、生ごみか何かだろうと思って掃除したんです。
  
詰まっていたのはヌルヌルの黒い塊で、なんとそれが多量の髪の毛なんです。 ちょっと気味悪かったのですが、塩だけまいてそのままにしておいたんです。
  
その後も配水管が詰まって中から髪の毛が出てくるという現象が何度か続きました。 3ヶ月のうちに5回もそんなことがあるとさすがに気持ち悪いわけで・・・
  
学校の友達にそっち方面に詳しい奴がいるので、そいつに視てもらいました。

小さい部屋なので霊視はすぐ終わったんですが、そいつちょっと浮かない顔をするんです。 それで今までの生活状態とか話して、何とか原因を突き止めてもらおうとすると、
「・・・多分お前の家系的な問題だと思う・・・」
と、すごく言いにくそうに意味深なことを言うんです。 問い詰めてみても何も話してはくれませんでしたが、去り際に1枚のメモを渡されました。
「俺がしてやれるのはコレくらいだから。」
そう言い残して逃げるように帰って行きました。 自分はその手渡されたメモを見て、全てを悟ってしまったのです。 そのメモには、友達の筆跡でこう書かれていました。



【0120-00-9696】

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

ご相談はお気軽に(他人事じゃない)
今ならオチは「リーブ21」でしょうか?


授業中

授業中、僕はぼんやり外の景色を眺めるのが好きだった。 

帰ったら何して遊ぼうかとか、どこか遠くに行きたいとか、いろんなことを思いながら、窓の外ばかり見てた。

午後の授業なんかだと、ついつい寝ちゃうこともある。 隣の女子校で体育をやってたりすると、それはもう大変 何も考えられずに食い入るように見ちゃう。

はちきれそうな太もも、のびやかな肢体、見てるだけで鼓動が高鳴った。 あのコがいいとかこのコもいいとか、もう授業中だってことなんか 完全に忘れてずっと見てた。楽しかった。
  
でもそんなことしてると、いつも必ず邪魔が入るんだ。



「先生、授業してください」

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

先生…


大好きなおじ様

私はその大好きなおじ様と一緒にデパートの化粧品売り場に入った。
デパートを出たとき、おじ様は女になっていた。それも若い女に。

そのあと、私は、少しバーでお酒を飲んだ。少しだけだ。
バーから出てきたとき、おじ様は女から別のおじ様になっていた。

しかもおじ様は二人になって、悲しいことに口ひげを蓄えていた。
涙が出た。やっぱり私は最初のおじ様が一番好きだ。



あー、小遣い残り千円札二枚。

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

おじさんも「最初のおじさん」が好きですが、おじさんたちも若い女も財布にはいなかったりします(苦笑)


写真の男

「この写真の男に何か見覚えはありませんか」

そう言われて差し出された写真を受け取る手がかすかに震える。あや子はその眼を見た瞬間に6年前の忌々しい出来事を思い出していた。かつては魅力的だとも勘違いしたずる賢い狐のような切れ長の眼、高校時代の同級生、酒井慎一に間違いない。

今よりも40キロは太っていたあや子が、 卒業直前にひっそりと酒井の机の中に忍ばせたラブレターをクラスじゅうにさらけ出し笑いものにした男だ。

「どうかいたしましたか」
「あっ、いえ……この人、何したんですか」
「区内で起きている連続コンビニ強盗の犯人です。 逃走に使ったと思われる原付が、まあ盗難車ですけどね、それがこの辺りで見つかったものですから、目撃情報等あたっている最中です」 

何度も同じ説明をしているのだろう、刑事はやや早口で面倒くさそうに説明した。

ケチな男。
あや子は写真をまじまじとみつめながら考えた。 こんなにはっきりと顔が映っているのだから放っておいてもすぐに捕まるだろう。

だがこれは酒井に対してささやかな復讐を果たす絶好の機会、逃す手はない。

「見たことある、気がします」
「本当ですか。いつ、どこでですか」
「あの、このあたりでリヤカーを引いて空き缶とかを集めている人たちいますよね。 そういう人たちと一緒にいて、若い人もいるんだなって思ったので覚えているんです」
「そのホームレス連中と一緒にいた若い男がこの写真の男なのですね」
「すごく似ているって気がします。直接そういう人たちに聞いてまわってみてはどうでしょうか」
「わかりました。ご協力に感謝します」

そう言って足早に去っていく刑事の背を横目で見送りながら、あや子は思わず呟いた。



「捜査は足で稼げってね。せいぜいがんばって、酒井くん」

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

三つ子の怨み、百までも。


探偵さ

コナン・ドイルはパリの駅前でタクシーを待っていた。
タクシーが前に止まった。
彼はスーツケースを積みこむと自分も乗り込んだ。

運転手に行き先を言おうとすると、運転手が尋ねた。
「どこへ行きますか、ドイルさん?」

ドイルは仰天し、自分を見知っているのかと運転手に尋ねた。
「いいえ、以前にお目にかかったことはありません」

ドイルは不思議に思った。
どうして自分をコナン・ドイルだと思ったのであろう。

運転手はこう答えた。
「貴方がマルセイユで休暇を過ごしていらっしゃるという記事が今朝の朝刊に載っていました」
「このタクシースタンドは、マルセイユから戻ってきた人達がいつも来るところです」
「肌の色を見れば、休暇を過ごしてこられたのは分かります」
「右の人差し指のインクのしみで、作家だろうと思いました」
「洋服はフランス風ではなく如何にも英国人らしいものです」
「これらの情報を総合して、サー・アーサー・コナン・ドイル氏であろうと考えたわけです」

ドイルは感心して言った。
「それは本当に素晴らしいな。君は私が書く作品のシャーロック・ホームズに匹敵するの推理力の持ち主だ」

「それと、もうひとつあるんです」
と運転手は付け加えた。
「なんだい?」



「スーツケースにお名前が書いてあります」

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

実話だとか。真実はいつも一つ!!


オトナの叙述トリック

ではここからはアダルトタイム。

ちょっとえっちぃのをまとめてみましたよ。
さあ、ドキドキしながら読んでみましょう!


青い瞳

長い間わたしたちは見つめあっていた。

まだお互いに触れ合ってもいないのにあの人はしっとりと汗をかいていた。
あの人の吸い込まれるような青い目に見つめられると、自分がほとんど裸でいることがひどく無防備に思えてくる。

あの人の故郷のあのヨーロッパの小さな国では、男の人はみなこんなにたくましいのだろうか、そんな思いに心を漂わせていると、ふいに彼がこちらに手を伸ばし、気がつくとわたしはそのがっしりした腕の中に抱きすくめられていた。

彼はわたしの耳元で激しくあえぎながら、いつもの性急さでわたしの体を覆うたった一枚残された布切れに手を伸ばしてくる。

いけない。またいつものように彼に主導権を握られてしまう。
わたしは必死で抵抗するが、もう手遅れだった。



彼は腰を打ち付けるようにしてがぶり寄ると、わたしを土俵の外に押し出したのだった。

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

荒い息遣いが聞こえてきますよね。琴欧州全盛期の頃に書かれた秀作です。


小咄三題

721 水先案名無い人
フランスでは最初のHは声を出さないらしい

728 水先案名無い人
>>721
あたし、フランスに生まれなくてよかった・・・
相手も初めてだったせいか不思議には思われなかったみたいだけど、
そうとう声が大きいらしい(;;)

743 水先案名無い人
>>728
フランス語の話です

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

もう~728さんのエッチ!!

668 : 名無しさん@恐縮です
俺もホモから逃げ切ったら 10万円っていうビデオに出たことある

669 : 名無しさん@恐縮です
>>668 それ凄いね。逃げ切れたの?

688 : 名無しさん@恐縮です
>>669 三人くらい捕まえたよ

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

アッー!!

英語が苦手な山田はmyを使って文を書けという問いに対しこう解答した。
Mypenisbig.
数日後、答案が帰ってきた。
山田のこの文章の隣には赤ペンで
1.単語間は一文字分のスペースをあけること
2.be動詞がありません
と美人の英語教師らしく綺麗な文字で書いてあった。
しかし山田は言った。

「isってbe動詞じゃないの?」

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

先生///


香の危機

「香の命が惜しければその金を寄越せ」
「駄目だ。この金は大事な金なんだ」
「香がどうなっても良いのか!?」
「やめろ!香に手を出すな!」
「こうしてやる!」
「香ーっ!」



「ほうら王手だ」

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

歩「/////」


父と娘

うちは父一人、娘一人の二人暮らしでした。

父は再婚もせずに私を育ててくれましたが、やはり男性でしたし、相手が欲しかったようで、中学二年の頃から、私が毎晩父の相手をしていました。

最初はよくわからなかったのですが、父が優しく手ほどきをしてくれて、大好きな父が相手でしたから、私も嬉しくて、素直な気持ちで毎晩相手をしていました。

父はとても上手で、いろんな角度から私を攻めて きました。二人で時間を忘れて朝まで続けてしまったこともあります。

そんな父もすでに亡くなり、今では母親となった私は、当時のことを思い出しながら、夫だけではなく中学生になった息子も相手にしています。

夫と息子がしているのを見るのも好きです。
夫が一番弱いですね。息子はけっこう強いです。



ちなみに将棋の話です。

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

タイトルに使った話はこちら。ええ、もちろん将棋の話だと思ってましたよ。ちょっと…オセロかも、なんて妄想しましたが(目が泳ぎつつ


いかがでしたでしょうか?

叙述トリック、お楽しみいただけましたでしょうか。最後に私が一番好きな叙述トリック小咄で締めたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

俺、子供んときに近所の子にプロポーズしたことあるんだけど
そのネタで小学校で「あいつが私にwぷぷぷ」って6年馬鹿にされ、
中学校で3年馬鹿にされ、高校でも3年馬鹿にされ…


 
未だに夕食の時に馬鹿にされる。

出典2ちゃんねる:詠み人知らず

いつまでもお幸せに!


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酒と泪と家族とコネタをこよなく愛する40代半ばの週末料理人、たまに公式ライター。兵庫県生まれ兵庫県育ち。東京在住。主に飲み屋街に出没。人生はプロレス。生きものばんざい。涙腺弱い。胆石持ち。豆腐メンタル。アイドル好き。同級生の嫁、大学生の息子と中3の娘、そしてカメ3匹と暮らしています。BABYMETALが遠くに行ってしまい子離れに耐える親気分w (twitter: @makidekazu )

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